昨年12月に『ミッション:インポッシブル』第7作の撮影現場で、新型コロナウイルス感染予防対策を守らなかったスタッフを怒鳴りつける音声が流出したトム・クルーズ(58)が、当時の状況、心境を語った。
昨年12月、映画『ミッション:インポッシブル』シリーズ第7作の撮影現場で、スタッフを怒鳴りつける音声が流出したトム・クルーズ(58)。その激怒騒動について、トム本人が英映画誌『EMPIRE』に初めてコメントした。
音声だけだったにもかかわらず、その場の緊迫した状況が伝わってくる激しさで、イベントなどでは常に笑顔を絶やさないトムだけに世界中のファンに衝撃が走った。
叱責の言葉のなかで「今、ハリウッドで僕たちのために仕事をしている人たちがいるんだ。僕は毎晩、映画会社、保険会社、プロデューサーに電話している。みんな、撮影を開始している僕らに注目していて、自分たちの映画撮影に僕らのやり方を生かそうとしている。僕たちは何千という雇用を生み出しているんだ。二度とするんじゃない。他のスタッフも、またやったらクビだ。謝罪はいらない。それは業界がシャットダウンしたせいで仕事を失い、家を失った人々に言ってくれ。彼らは食料を買うこともできず、大学の学費も払えなくなる。僕は毎晩、この業界の将来を考えている。だから、悪いけど、謝罪ですむことじゃないんだ」と、作品だけでなく業界全体、業界で働く人々のことを考え、苦悩し、言わなければならなかったことと明かしていた。
当時、トムは全スタッフの前で怒りを露わにしたと伝えられ、「言っていることは正しい」という意見とともに「大勢の人々の前で権力者が暴言を吐くのは効果的ではない」という声もあがっていた。しかし、『EMPIRE』でトムは全スタッフの前ではなく、限られた人しかいない場所での出来事だったことも明らかに。
そして、厳しい姿勢で臨んだことで「だから僕らは撮影を続けていられる」と語ったトム。常に映画では見る人を驚かせるアクションに挑戦しているが、それに加えて新型コロナウイルスからスタッフを守り、業界を守るという、大きなミッションにも挑んだ最新作は、2022年にアメリカで公開予定。これまで以上に映画ファンの注目が集まるに違いない。