歯に衣を着せぬ口調で、オピニオンリーダーとしても活躍する歌手のビリー・アイリッシュ(19)。しかしアジア系を侮辱する言葉を口にした動画が流出し、批判が殺到している。
音楽だけでなく、独自のファッションやボディポジティブなどのメッセージを発信し、絶大な人気を誇るビリー・アイリッシュ(19)。そんな彼女が人種差別的な発言をするショッキングな動画が流出し、波紋を呼んでいる。
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物議を醸しているのは、とあるユーザーによりTikTokにアップされた動画。そこにはビリーがアフリカ系アメリカ人特有といわれるアクセントで話し、兄であるフィニアス・オコンネル(23)から指摘されたり、「チンク」という中国系移民に対する侮蔑語を発したり、アジア人の話し方をふざけて真似していたりする姿が映し出されている。
これらの動画は、ビリーが配信したインスタライブやプライベート動画の映像をつなぎ合わせたもの。
動画は瞬く間に拡散され、ファンたちからは「ビリーが黒人とアジア人を侮辱している。最悪だ」「彼女はこれまで何度もアジア人を侮辱していたみたい。誰も話題にしなかっただけ」と落胆の声が続出。
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なかには「もうビリーのファンはやめる。彼女は最低ね。今は新型コロナウイルスのせいで人々の憎悪が増しているけど、その根底には、こういった文化や民族に対する差別がある。彼女のことが好きだったけど、本当にがっかりだわ」と、ファンを辞めると宣言する人も少なくない。
一部のファンが語るには、これらの映像はビリーが14歳の頃に撮影されたもので、当時彼女はトゥレット障害を患っていたという。トゥレット障害は神経精神疾患の一つで、卑猥語や罵倒語などを無意識に発する症状があるとされている。
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実はつい先日も、ビリーに対する問題提起があったばかり。
公開されたばかりの『Lost Cause』のミュージックビデオで、キャストである女性たちとダンスやゲームを楽しんだり、時にはお互いの身体に触れ合ったりするシーンを披露したビリー。さらに撮影裏の様子として、女性たちとの仲睦まじい写真をSNSに投稿し、「女の子が大好き」とコメントしていた。
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するとこの動画と投稿が、実際のセクシュアリティはLGBTQ+ではないのに、そうであるように見せかけて人々の注目を集める“クィア・ベイティング”だと指摘する声が浮上。一方で、この投稿をカミングアウトと捉えた人も多く、落胆と混乱を招いていた。
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そんななかで拡散された、今回の人種差別的な発言をする動画。ちなみにビリーは、“クィア・ベイティング”についても、人種差別疑惑についても、未だコメントしていない。これまで自身の意見を率直に語ってきた彼女だけに、今後どのような対応をするのかが注目を集めている。
text : Mariko Peeling