6週間にわたって行われていた、ジョニー・デップ(58)が元妻アンバー・ハード(36)を名誉毀損で提訴している裁判は、ついに最終弁論が終了。あとは陪審員の判決を待つのみとなった。
6週間にわたって行われてきた、ジョニー・デップ(58)が元妻アンバー・ハード(36)を名誉毀損で提訴している裁判。2022年5月27日(現地時間)に最終弁論が終了し、あとは陪審員の判決を待つのみとなった。
2022年4月11日(現地時間)に始まった今回の裁判。事の始まりは、2018年12月にアンバーがジョニーにDV(家庭内暴力)を受けたという内容の書簡が米紙『ワシントン・ポスト』に掲載されたこと。それを受け、ジョニーは名誉毀損であるとし、5,000万ドル(約63億円)の損害賠償を求めて提訴した。
裁判でジョニー側は、アンバーがジョニーの悪い印象を世間に与えるために事実を捏造していると主張。対するアンバー側は、結婚していた間にジョニーから暴力を受けたことを繰り返し主張し、ジョニーを非難。双方の主張は激しく食い違う展開となった。
そんな泥沼裁判の最終日となったこの日の最終弁論は、ジョニー側からスタート。ジョニーの弁護人は冒頭で、アンバーがジョニーに殴られて出来たと主張していた顔のアザは自作自演であった、と今まで提出した証拠を振り返り、あたらめて強調。「デップ氏に自分の人生を取り戻して欲しい」と陪審員に訴えた。
さらに、「彼女は何度も何度も、嘘を世界に発信してきました。あまりに多くの嘘をついてしまったので、引き下がることが出来なくなってしまったのです」とアンバーが法廷で行ってきた主張が虚偽であることを重ねて指摘。
今回の裁判でジョニーのために証言した20人ほどの名前を挙げ、「この裁判は、ハード氏対デップ氏ではないのです。ハード氏対(ジョニーのために証言した)多くの人たち、そのどちらを信じるかという話なのです」と続けた。
また、ジョニー側のもう1人の弁護士は、SNS上で広がっている、セクシャルハラスメントや性的暴行の被害を告白・共有する、通称「#MeToo」運動を例に挙げ、これは「#MeToo」とはまるで違うと指摘。
後にも先にも、アンバー以外にジョニーに暴力を受けたと名乗り出た人はいないとし、「真の被害者は守らなくてはなりません。ですが、ハード氏は真の被害者ではありません」と、アンバーのDV被害の告発は虚偽であると主張した。
弁護人の主張の後には、ジョニー自身も証言台に立ち、アンバーの主張は「突拍子もなく、とんでもないもの」と証言。
続けて、「人間は確かに、完璧ではない」と前置きした上で、「しかし、私は性的暴行や身体的虐待をしたことはありません。私は、私がDVを行ったという突飛でとんでもない話を抱えて生き、真実が明らかになることを待ち続けてきました」とDVの事実は無いことを繰り返し語った。
対して、アンバーの弁護側は一貫してジョニーがアンバーにDVを行ったと主張。
ヒロイン役で出演が決まっていた映画『アクアマン2』でアンバーの出演シーンが大幅に減らされたことの原因は、今回の裁判をきっかけにアンバーへのネガティブなイメージがSNS上で広がったことだとし、名誉毀損を受けたのはアンバーだと続けた。
最終弁論では、終始穏やかな表情で笑顔も見せたジョニーに対し、アンバーは怒ったような表情で落ち着かない様子だった、と伝えている現地メディアも。
ついに全ての日程を終え、陪審員による審議が開始。多くの証拠が提示されたこともあり、審議も長くなると見られている。果たして陪審員はどんな判決を下すのか、続報を待ちたい。