エリザベス女王96年の生涯！フィリップ殿下との初恋から、王室のスキャンダルまで、当時の写真とともに振り返る

滞在先の英北部スコットランドのバルモラル城にて、96歳で亡くなったエリザベス女王。英君主としての在位期間が史上最長の70年間の歴史を振り返る。

2022年９月８日（現地時間）、英国のエリザベス女王が96歳で死去した。25歳のときに即位して以来、英国君主として英国民に奉仕してきた女王の在位期間は、同国で史上最長となる70年間。確固たるリーダーとして威厳を放つと同時に、愛される存在でもあったエリザベス女王の生涯を、当時の写真とともに振り返る。

エリザベス女王96年の生涯！フィリップの画像_1 — Photo：Getty Images

フィリップ殿下との出会いは13歳のとき！初恋を貫き８年後に結婚

エリザベス女王は、1926年４月21日にロンドンにて、ヨーク公アルバート王子（のちのジョージ６世・享年56）とエリザベス妃（享年101）の長女として誕生。

家族や親しい人からは“リリベット”という愛称で親しまれ、その愛称はのちに、エリザベス女王の孫であるヘンリー王子（37）の長女に引き継がれることに。小さい頃から馬をこよなく愛し、乗馬をたしなむ姿が多々報じられていた。

1947年、21歳のときに、当時26歳で海軍将校だったフィリップ殿下（享年99）と結婚。ふたりの出会いは、エリザベス女王が13歳のとき。父の母校である王立海軍大学を訪問した際、案内役を務めたフィリップ殿下に一目惚れし、初めて恋に落ちたそう。その想いを貫き、出会いから８年もの年月を経て結婚したという夫妻のなれそめは、しばしば世紀のラブストーリーとして語り継がれている。

父ジョージ６世の後継者として25歳の若さで女王に

1952年、当時56歳だった父のジョージ６世が他界し、25歳という若さで女王に即位。戴冠式は翌年行われ、史上初めてテレビ中継がなされた。

エリザベス女王が即位後、自ら始めたのがクリスマス当日に国民に向けてスピーチを送るクリスマス放送。1957年12月25日に初めてテレビでスピーチを放送して以来、毎年欠かさず続け、国民が楽しみにする伝統のひとつに。

私生活では、フィリップ殿下との間に、この度国王に即位したチャールズ皇太子（73）、アン王女（72）、アンドリュー王子（62）、エドワード王子（58）の４人の子どもに恵まれた。

子どもたちがすくすくと成長する一方で、スキャンダルとの縁も少なくなかった英国王室。なかでもセンセーショナルに報じられたのは、チャールズ皇太子の不倫によるダイアナ元皇太子妃（享年36）との離婚。また、ダイアナ元皇太子妃が不慮の事故で亡くなった際には、英国王室を批判する声が多くあがった。

スキャンダルにもめげずに持ち前のユーモアで人々を魅了

数々のスキャンダルとそれに伴う批判に頭を抱えながらも、毅然とした態度を崩さず、持ち前のユーモアで人々を魅了してきたエリザベス女王。

2012年にロンドンで開催された夏季オリンピックの開会式では、ダニエル・クレイグ（54）演じる、映画『007』シリーズのジェームズ・ボンドとともに空からパラシュートで会場に登場するというパフォーマンスを行い、世界中を魅了した。

2016年には、90歳の誕生日をお祝いする行事が３日間にわたって開催。パレードやパーティでは、エリザベス女王らしいカラフルな衣装に身を包み、年齢を感じさせない元気な姿で国民に手を振る姿が世界中で報じられた。

これらのイベントでは、フィリップ殿下との仲睦まじい様子が度々キャッチされ、何年経っても色褪せない夫妻の深い愛と絆も大きな話題を呼んだ。

2018年に孫のヘンリー王子がメーガン妃（41）と結婚すると、英国王室は再びマスコミの標的に。メーガン妃が結婚式で希望したティアラ着用を女王が拒否したことで２人が対立したとの報道もあったが、王子夫妻が英国王室を離脱した後も女王は２人のことを気にかけていたそう。英国王室で受けた差別などを暴露してきたメーガン妃も、「エリザベス女王は、つねに優しく接してくれていた」と明かしていた。

「開かれた王室」を掲げ、SNSアカウントを開設

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エリザベス女王が大切にしてきた信念のひとつが、「開かれた王室であること」。その一例として、国民とコミュニケーションを積極的に取るべく、SNSアカウントを開設。

インスタグラムでの初めての投稿は、ロンドンの科学博物館を訪問した際、英国王室が保有する高祖父のアルバート公宛ての手紙を見つけたことを世界に報告するものだった。

2021年には、73年間連れ添ったフィリップ殿下が死去。他界した翌日、エリザベス女王は「彼は長い年月にわたって私の力となり、支えになってくれました。私を含む家族全員、そしてこの国やその他多くの国々は、彼に大きな恩義を感じています。彼が主張するであろうこと、そして、私たちが知るよりも」という、1997年の金婚式で自ら行ったスピーチの一節を引用したメッセージを発信し、亡き夫を称えた。

葬儀では、悲しみに打ちひしがれる女王がひとりで着席する姿が報じられ、世界中の人が胸を痛めた。