映画『マリッジ・ストーリー』(2019)、『ジョジョ・ラビット』(2019)で、それぞれアカデミー賞主演女優賞と助演女優賞にダブルノミネートされるなど、演技派として知られるスカーレット・ヨハンソン(37)。2022年10月10日(現地時間)に出演したポッドキャストで、若い頃は「過剰に性的対象とされ、そういうキャラだと決めつけられたように感じていた」と語った。
「なんだかモノ扱いされた感じだった。ハイパーセクシャル(性欲が過剰であること)のジャンルにカテゴライズされてしまったから、自分がやりたいと思うような仕事のオファーがない気がして。みんな私のことを40歳だと思っているんだ、と思ったことを覚えている」と話し、望む役が得られないのは、実年齢よりかなり年上に見られていたことに原因があるとした。
本当の自分は性をウリにするタイプではないにもかかわわらず、似たようなセクシー系の役ばかりがくることに、「自分のキャリアが終わったような気分」になったというスカーレット。ハリウッドにおけるこの路線は「先が長くないから、怖かった」と語っている。
9歳でスクリーンデビューを果たしたスカーレットは、「7歳の時には撮影していた」という。大都会マンハッタンで育ち、子ども時代の大半を大人に囲まれて過ごしていたそうで、母親が守ってくれてはいたけれど「間違いなく、年齢にふさわしくない環境にいた」と番組の中で認めた。
ソフィア・コッポラ監督(51)の映画『ロスト・イン・トランスレーション』(2003)で英国アカデミー賞主演女優賞を受賞するなどの高い評価を受け、人気を不動のものとしたスカーレット。
東京を舞台に、初老のハリウッド俳優と若い既婚女性の淡いロマンスを描いたこの作品で、撮影当時17歳だった彼女は実年齢より5歳年上の役柄を演じ、当時52歳だったビル・マーレイ(72)とのキスシーンもあった。そのマーレイは現在、不適切行為で物議を醸している。
ウディ・アレン(86)が監督を務めた映画『マッチポイント』(2005)で、官能的な俳優志望の女性を演じた時も、まだ19歳だった。その後も『タロットカード殺人事件』(2006)、『それでも恋するバルセロナ』(2008)と、アレン監督作に出演。
アレンの養女への性的虐待疑惑が再燃した時も、味方となった数少ない俳優のひとりだった一方、アレンは自身のキャリア回想録『Apropos of Nothing』の中で、スカーレットをあからさまな性的表現で形容し、侮蔑的だと非難を浴びている。
ポッドキャストでは、『ブーリン家の姉妹』(2008)で共演したナタリー・ポートマン(41)と以前、“望むキャリアとは別方向に進むこと”について、話し合ったことがあるというエピソードも披露。若くしてセックスシンボルと扱われたスカーレットとは逆に、優等生キャラが定着していたナタリーも、役柄のイメージを決めつけられることに、「実際は堅物でも“いい子”でもないのに、なんだか嫌になる」と不満を抱いていたと話している。
そういうスカーレットも、自分がキャリアをスタートさせた頃と比べて、業界の状況はいい方向に変わっていると感じているとのこと。
マーベル映画仲間でもあるゼンデイヤ(26)や、映画『ブラック・ウィドウ』で妹役を務めたフローレンス・ピュー(26)を例に挙げ、「今、20代の若い俳優たちは、いろいろなことに挑戦しているように感じる」と発言。そして、もう役者を枠にはめることは許されない、別の時代がやってきたとも語っている。
そのグラマラスなルックスから、“セクシー女優”のレッテルを貼られていたものの、着実に演技の幅を広げ、30代後半を迎えた今ではハリウッドを代表するトップスター。センシティブな母親役からタフなスーパーヒーロー役まで、ジャンルを問わず多様な役を演じ分ける実力派として、評価は高まるばかりだ。
今後も出演作が続々と待機中のようなので、どんな新しい顔を見せてくれるのか期待したい。