この夏、『インディ・ジョーンズ』シリーズ第5弾となる最新作の公開が控え、“80歳にしてアドベンチャー映画の主役”ということが話題となっているハリソン・フォード(80)。米誌『The Hollywood Reporter』2023年2月8日号の表紙に登場し、インタビューに応じた。
2023年6月30日、日米同時公開となる『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』で、約15年ぶりに主人公インディを演じるハリソン・フォード(80)。最新インタビューで、『トップガン マーヴェリック』が記録的大ヒットとなったトム・クルーズ(60)の活躍にふれ、命がけのスタントに挑み続けるトムを称賛するコメントが注目を集めている。
一番好きな場所は空だと発言したこともあるハリソン。車やバイクとともに飛行機をコレクションしているという大の“空”好きで、54歳で操縦免許をとって以来、日常的に飛行機を乗り回していることで知られている。
今回のインタビューで、同じく“飛行機を操縦する俳優”として有名なトム・クルーズの話題をふられ、過去に雑誌の表紙を一緒に飾ったことのあるトムについて、“飛ぶこと”が好きなもの同士、話をすると明かした。
トムの“飛行機愛”は『トップガン』2作でも一目瞭然だが、ハリソンの熱量も趣味を超えているといわれ、自身が所有するヘリコプターを操縦し、山で遭難した人を助けるなど、たびたび人命救助の手伝いをしたことも報じられている。
また飛行機事故も何度か起こしており、2015年にはヴィンテージの小型飛行機を操縦中、骨盤を砕くなどの重傷を負う大事故に。奇跡の生還を果たした際には、まるで映画のようだと大きなニュースになったが、死と隣り合わせの体験をした今もなお、“飛ぶこと”が大好きだという。
前述のインタビューで、「人間ドラマから激しいアクションまで、幅広い役柄を演じる俳優がもう1人いますよね」と水を向けられ、「トム・クルーズとは親交があるのか」を尋ねられたハリソン。
「トムのことは好きだ。私たちは“飛ぶこと”について話をするよ」と共通点にふれ、「彼が肉体的な演技でやっていることは私がやってきたことよりも、はるかに深みがある」と、情熱を持って危険なスタントに挑んでいるトムを高く評価。
「走ったり、ジャンプしたり、転んだり、汗だくの男たちと床を転げ回ったりするのは嫌いではない」と自身もアクションが好きなことを前置きしながら、「トムはそれをまったく新しいレベルへと引き上げてくれる。実に素晴らしいよ」と語り、同じ俳優であり、空への愛を分かちあう仲間に賛辞を贈った。
映画史に残るアドベンチャー大作として名高い『インディ・ジョーンズ』シリーズで、架空の考古学者で冒険家のインディ・ジョーンズを演じてきたハリソン。1作目の『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』が公開された1981年当時、39歳だった彼も80歳となり、5作目となる今作で、インディを演じるのは最後だと話している。
しかし引退するつもりも、活動を縮小するつもりもないことを米情報番組『TODAY』に出演した際に明言。「働かないという考えは私にとってはあまり意味をなさない。なぜならここが最も生きていると実感できる場所だから」と“生涯現役宣言”をし、俳優業への熱意を明かした。
今回のインタビューでも、体力が続く限りは仕事を続けるつもりなのかと尋ねられ、「私は老人を演じるのが好きなんだ。楽しくなかったら、やめているだろう」と発言。
さらには、墓石に刻む言葉は何がいいかという質問に、「ハリソン・フォード、なんとかかんとか、俳優、みたいなのは嫌だな。役に立った、で十分だ」と語り、簡潔すぎないかという指摘には、「墓石はあまり書くスペースがないからね」とお茶目に答えたという。
ちなみにボトックスやレーザーなどをやったことがあるかを聞かれた際には、「ノーかな」と笑いながら、「どこに行けばいいんだ?」とユーモアたっぷりに返したのだとか。
一方、俳優という仕事に人生を捧げるハリソンも一目置くトムが、還暦にして破竹の勢いを見せているのは周知の事実。若手共演者たちが舌を巻く超人アクションを披露し、36年ぶりの続編『トップガン マーヴェリック』は歴史的大ヒットを記録。
この成功に続き、人気アクション・スパイ映画シリーズ『ミッション:インポッシブル』最新作の日本公開が2023年7月21日に決定。本作の予告として、2022年4月に映画展示会シネマコンで発表されたメッセージ映像も、撮影現場で話しているというトムの驚きのシチュエーションが大きな反響を呼んだ。
初の2部作でシリーズ第7弾となる『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』では、断崖絶壁からトップスピートのバイクとともに飛び出すという、前代未聞のスタントを達成したというトム。自身のTwitterにその動画を投稿し、「これまでやってきたことの中でもダントツで、最も危険なスタント」とコメントしている。
マーベル映画の参戦も決まるなど、80歳にしてかつてないほど多忙なハリソン。『イエローストーン』の前日譚ドラマ『1923』や、Apple TV+の新コメディシリーズ『シュリンキング:悩めるセラピスト』出演など、TV界への進出も果たしている。
またトムは、今年のアカデミー賞で主演男優賞のノミネートはなかったものの、作品賞での受賞が期待されている。これからも年齢に関係なく、ますます命知らずな挑戦を続ける大ベテランの活躍から目がはなせない。