2023年2月26日(現地時間)、LAのフェアマウント・センチュリー・プラザで第29回SAGアワードの授賞式が行われ、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が主要4部門を制覇。助演女優賞を獲得したジェイミー・リー・カーティス(64)が受賞の瞬間、歓喜のあまり、隣にいたミシェル・ヨー(60)の“唇を奪った”ことに注目が集まり、ネット上で盛り上がっている。
全米映画俳優組合に所属する俳優たちの投票で選ばれ、アカデミー賞と投票者が重なることから、オスカーの行方を占う上で重要な前哨戦とされているSAGアワード(全米映画俳優組合賞)。
今年はアカデミー賞最多10部門11ノミネートで話題の『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』略称「エブエブ」が、SAG賞映画部門の最高賞である最優秀キャスト賞を獲得した。
さらに主人公エヴリンを演じるミシェル・ヨー(60)が主演女優賞を、その夫のウェイモンド役を演じたキー・ホイ・クァン(51)がアジア人男性初となる助演男優賞を、そしてエヴリン一家と関わる国税庁の役人ディアドラを演じたジェイミー・リー・カーティス(64)が助演女優賞と、主要4部門を受賞。アカデミー賞に大手、と話題になっている。
今年のアカデミー賞で助演女優賞に初ノミネートされているジェイミーは、今回のSAG賞助演女優賞も初受賞。プレゼンターのエミリー・ブラント(40)に名前を読み上げられた瞬間、歓喜の声をあげて立ち上がると、共演者のミシェルと固く抱き合い、思わず彼女の唇にキスをした。
それが軽いものではなかったため、SNSは騒然! 会場も一瞬どよめいたものの、作品をともにした俳優同士が称えあう姿に、スタンディングオベーションが起こった。
受賞スピーチでは涙声になりながら、ともに俳優の両親を持つ自身の生い立ちについてふれ、俳優という仕事への愛を熱く語ったジェイミー。
持ち時間オーバーを詫びながら、「ミシェル・ヨーはどこ?」と叫び、「私が『ミシェル』と言ったら、『ヨー』と言って」とスター揃いの観客に指示。ジェイミーの「ミシェル」の掛け声に、観客は「ヨー」と返すチャントで、主演俳優へエールを送った。
続けて、映画監督コンビ、ダニエルズが“風変わり”な映画を作るからと、「エブエブ」のディアドラ役に声をかけられた時のエピソードを披露。ミシェルが主演だと聞いたから、二つ返事でこの仕事を引き受けたと明かしたジェイミーは、「ミシェル・ヨー」と親しみを込めて呼びかけ、「アイラブユー」を連呼。ミシェルも目を潤ませながら、ジェイミーのラブコールに投げキッスで返した。
スピーチの後、バックステージでミシェルへキスしたことについて質問したという米情報番組『ET』の記者によると、ジェイミーは受賞の喜びで我を忘れていたそうで、「彼女にキスをした? 本当に?」と驚いていたのだとか。
「たしかに私はミシェル・ヨーを愛している。お互い愛し合っているの」と認め、冗談交じりに「でも彼女は結婚していて、イギリスで彼女の夫にも会ったことがある。彼は素敵な人よ」と語り、「そして私にも夫がいるの」と笑ったという。
この「エブエブ」共演者2人の間に結ばれた強い絆と愛情は、今年1月に開催されたゴールデングローブ賞の授賞式でも大きな話題に。
ミシェルがミュージカル・コメディ部門で主演女優賞を獲得した瞬間、本人は信じられないといった様子で顔を両手で覆ったのに対し、ジェイミーは立ち上がって両こぶしを突き上げ、喜びと愛と祝福のすべてを爆発させるかのように大絶叫。そんな2人の対照的なリアクションを捉えた写真は、一気にSNS上で拡散された。
その後、バズったその写真に「友達は友達をサポートする」というメッセージが添えられたTシャツの画像をミシェル、ジェイミーそれぞれがInstagramにアップ。Tシャツを自ら着用した写真を投稿したジェイミーは起業家のエリン・ギャラガー氏が作ってくれたものだと説明し、「自然と沸き起こった熱狂と喜びが、女性同士でサポートしあう象徴的なものになったことに驚いている」と綴った。
コインランドリーを営む中国人女性が、マルチバースを飛び回り、カンフーで世界を救うという奇想天外なストーリーで、批評家・観客ともに「今までに見たことがない映画」と熱狂的に支持されている「エブエブ」は3月3日、ついに日本でも公開に。英国アカデミー賞は逃したものの、今回のSAGアワード圧勝で、オスカー獲得へ向けて大きな弾みをつけたと期待は高まっている。
3月12日(現地時間)に開催されるアカデミー賞授賞式を前に、劇場に足を運んで、ミシェルとジェイミーが大活躍するカオスの世界を堪能してみては?