2025.10.30

トム・デイリー、いまだに身体醜形障害に苦しむ。「ゲイの世界の人々は、自分の体に非現実的な期待を抱いている人もいる」

高飛び込みの元オリンピック選手で、「編み物王子」の愛称で親しまれるトム・デイリー(31)。現役引退後もジムに通うも、いまだに身体醜形障害に苦しんでいることを告白。また、今年6月に公開されたドキュメンタリー映画では、現役時代に悩まされた過食症と身体醜形障害(ボディ・ディスモルフィア)についても赤裸々に語っている。

2021年開催の東京五輪にて、男子シンクロナイズド10m高飛び込みで金メダルに輝き、パリ2024でも同種目で銀メダルを獲得したトム・デイリー(31)。プールサイドや観客席で編み物を編んでいたことから、日本では「編み物王子」の愛称で親しまれ、2024年には渋谷で初めてニットの展覧会を開催した。そんなトムは、2013年12月に自身のYouTubeチャンネルを通してゲイであることを公表。当時19歳だった。

高飛び込みの元オリンピック選手で、「編み物王子」の愛称で親しまれるトム・デイリー(31)。現役引退後もジムに通うも、いまだに身体醜形障害に苦しんでいることを告白。また、今年6月に公開されたドキュメンタリー映画では、現役時代に悩まされた過食症と身体醜形障害(ボディ・ディスモルフィア)についても赤裸々に語っている。

2021年開催の東京五輪にて、男子シンクロナイズド10m高飛び込みで金メダルに輝き、パリ2024でも同種目で銀メダルを獲得したトム・デイリー(31)。プールサイドや観客席で編み物を編んでいたことから、日本では「編み物王子」の愛称で親しまれ、2024年には渋谷で初めてニットの展覧会を開催した。そんなトムは、2013年12月に自身のYouTubeチャンネルを通してゲイであることを公表。当時19歳だった。

トム・デイリー 『トム・デイリー:1.6セカンズ』 過食症 身体醜形障害

Photo:Getty Images

今年6月に、ドキュメンタリー映画『トム・デイリー:1.6セカンズ』が公開され、現役時代に過食症と身体醜形障害で苦しんでいたことを告白したトムだが、最近の英誌『ラジオ・タイムズ』のインタビューでも、いまだに自分の体型に自信が持てないと打ち明けた。「正直に言うと、ゲイの世界では大きな問題だと思いますが、自分の体型に対して非現実的な期待を抱いている人もいるんです」とトム。実際にトムも「オリンピック選手としてジムに行くと、嫌な気分になる。『なんてことだ、みんなが僕のやり方を批判している』って思うから。とても威圧感を感じる」と人目が気になるのだそう。身体醜形障害は、外見上の欠点について長期間にわたって悩む精神疾患の一種。イギリス国民保健サービス(NHS)によると、これらの症状は他人には気づかれないような些細なものであることが多いそうだ。

デビー・デイリー ダスティン・ランス・ブラック ロバート フェニックス 家族 トム・デイリー

パリ五輪の観客席で応援するトムの母デビー・デイリー、夫のダスティン、長男のロバート、そして次男のフェニックス Photo:Getty Images

いまだに身体醜形障害に苦しむも、夫で脚本家のダスティン・ランス・ブラック(51)や子供たちの存在は大きいよう。ダスティンとは2017年に結婚し、2018年6月に代理出産で第一子のロバート(7)が誕生。2023年3月には第二子のフェニックス(2)が誕生したことも公表した。インタビューでは、「夫に感謝しています」と話し、引退後もトレーニングを続ける理由の一つは、「子供たちのために長生きできるように、健康な体を維持したい。それが僕にとって一番大切なことなんです」と答えている。トムの父親は2011年5月に脳腫瘍のため40歳の若さで亡くなった。

2011年 17歳 トム・デイリー

2011年、17歳のときに撮影されたトム Photo:Getty Images

また、ドキュメンタリーでは過食症になったきっかけも赤裸々に語っている。「2011年(当時17歳)の終わり頃、パフォーマンス・ディレクターのアレクセイ(エヴァングロフ)に『太りすぎだ』と言われたんです」とトム。「バカげていると思いながらも『あぁ』と答えましたが、ショックを受けたことを覚えています」と明かし、その一言がその後のトムの食生活に大きな影響を与えたようだ。「当時は自分が何をしているのか全く分からなかったので、とにかく食事を抜きました。適切なエネルギー補給ができていなかったんです。ちゃんとトレーニングするために必要なカロリーを摂取できていなかった。そのせいで空腹になりすぎて、過食していました。その結果、気分がとても悪くなり、過食症に陥りました」とトム。「当時は男性が摂食障害を打ち明けることも許されていませんでした。誰にも相談できず、本当に暗い時期でした」などと振り返った。

ステラ マッカートニー トム・デイリー

ファッション界でも活躍するトム。2024年9月開催のステラ マッカートニーのファッションショーに来場 Photo:Getty Images

少年のような笑顔で愛嬌のあるトムは、早くからダイバーとしての才能を見出されたことでオリンピック出場への大きな期待やプレッシャーがのしかかり、様々な問題を抱えてきた。そんな中彼は2022年11月に自身のニットブランド、MADE WITH LOVE TOM DALEYを始動。また、現在はBBCの人気心理戦番組『セレブリティ・トレイターズ』の出演をはじめ、イギリス国内で最高のアマチュア編み物師を探すリアリティ番組『ゲーム・オブ・ウール』の司会も務めるなど、お茶の間の人気者に。後者の番組では、編み物に関する性差別や年齢差別といった固定観念に一石を投じることを期待しているという。競技を離れた後も彼の魅力は増すばかり。

もし、身体醜形障害かもしれないと思ったら、かかりつけ医や厚生労働省の「まもろうよこころ」サイトなどに相談してください。

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