エド・シーラン、ライブで涙。ファンに謝罪したその背景にあったツアーの混乱とは

2026年9月19日(現地時間)の米フィラデルフィア公演で、エド・シーラン(35)が観客を前に涙の謝罪。その背景には、マックルモアの降板やフィニアスらサポートアクトの離脱、公演会場での抗議活動など、北米ツアーで混乱が起きている。

エド・シーラン(35)が2026年9月19日(現地時間)、マックルモア(43)が降板してから初のフィラデルフィア公演の冒頭でファンに向けて謝罪を行い、感極まって涙ぐむ場面もあった。この様子はSNSなどを通じて広く拡散され、大きな注目を集めている

2026年9月19日(現地時間)の米フィラデルフィア公演で、エド・シーラン(35)が観客を前に涙の謝罪。その背景には、マックルモアの降板やフィニアスらサポートアクトの離脱、公演会場での抗議活動など、北米ツアーで混乱が起きている。

エド・シーラン(35)が2026年9月19日(現地時間)、マックルモア(43)が降板してから初のフィラデルフィア公演の冒頭でファンに向けて謝罪を行い、感極まって涙ぐむ場面もあった。この様子はSNSなどを通じて広く拡散され、大きな注目を集めている

エドシーランがライブステージで弾き語り

photo:Getty Images

今回の背景には、シーランの北米「ループツアー」を巡る混乱があった。発端となったのは、サポートアクトを務めていたマックルモアの降板だ。

英メディア『HELLO!』によると、マックルモアは公演で自身の楽曲「Hind's Hall」を前座で披露するなど、パレスチナ支持の立場を表明。同曲は、コロンビア大など米大学キャンパスでパレスチナ支持を訴える学生たちへの警察の強制排除や沈黙を続ける音楽業界への批判などをラップにした作品として知られている。その後、一部会場側が今後の公演への出演を認めない方針を示したことから、ツアープロモーターがマックルモアを出演者リストから外す判断を下したという。マックルモア本人も後に、この決定はエド・シーランによるものではなく、プロモーター側の判断だったと説明している。

ステージ上のエドシーランとマックルモア

photo:Getty Images

さらに、ビリー・アイリッシュの兄であり、グラミー賞受賞プロデューサーとしても知られるフィニアス・オコネル(29)がツアーからの離脱を表明。続いて、デンマークのポップグループのルーカス・グラハム、シンガーソングライターのアーロン・ロウ(30)、そして長年シーランと共演してきたアイリッシュ・フォークバンドのベオーガも参加を取りやめた。こうして当初予定されていた出演者が相次ぎ全員辞退となり、ツアーは大きな混乱のなかで進行することに。さらに、フィラデルフィア公演当日には会場周辺でパレスチナ支持への抗議活動も行われるなど、ツアーを取り巻く緊張状態は公演現場にも及んでいた。

フィニアス・オコネルは自身のインスタグラムで、抑圧された人々のために声を上げるアーティストは、決して黙らされてはならないとし、エド・シーランのツアーを辞退を決定したこと、パレスチナとその人々と共にあることを声明を出した。

こうした状況を受け、シーランはフィラデルフィア公演の冒頭で観客に直接語りかけた。「難しい決断を迫られ、その中で間違いを犯してしまいました。本当に申し訳なく思っています」と謝罪。また、「会場側が出演者の公演内容を事前に承認する考えに、私は深い懸念を抱いています。自由な世界においてあってはないことです」と述べ、一連の出来事について自身の思いを明かした。

米メディア『People』によると、自らを「政治的な活動や発言をするアーティスト」と位置づけるつもりはなかったと説明しながらも、今回の問題については人道的な観点から発言する必要があると感じたという。続けて、2023年10月7日のハマスによるイスラエル襲撃をはじめ、音楽祭「ノヴァ・フェスティバル」などで多くの犠牲者が出た出来事について、深い悲しみと衝撃を表明した。一方で、ガザの現状については「ガザで起きていることは壊滅的であり、正当化できないほど不均衡なもの」と述べた。「大きな被害と多くの命が失われ、とりわけ子どもたちを含む民間人が甚大な被害を受けていることに、深い悲しみと衝撃を覚えています。また、ヨルダン川西岸で続いている組織的な正義に反することについても、決して見過ごすことはできません」と人々の命が失われ続けている現状に胸を痛めていることも明かした。

彼はさらに、自身のライブについて「誰もが歓迎される場所」であり続けてほしいと語った。「私のコンサートは常に誰にとっても安全な場所であり、それは私にとって非常に重要なことです。ファンへの約束を守ることも、私という人間にとって欠かせないことです。だからこそ今夜は一人でここにいて、このツアーを続けることにしました」と観客に呼びかけた。また、「今夜、こうして私と一緒にいてくれることに、心から感謝しています」と観客に伝えた際には言葉を詰まらせ、涙を見せる場面もあった。

公演では、ツアーを巡る状況について「本当に申し訳ない」と素直な思いを語るとともに、イスラエルとガザを巡る情勢への考えにも言及した。シーランは、自身のライブが「人々を結びつける場所」であり続けることへの思いを伝えながら、今後もツアーを続けていく考えを示している。