メトロポリタン美術館のコスチューム・インスティテュートが開催する特別展のオープニングイベントとして、毎年5月の第一月曜日に開催されるファッション界最大の祭典「メットガラ」。
2024年の特別展のテーマは『Sleeping Beauties: Reawakening Fashion(眠れる美への追憶──ファッションがふたたび目覚めるとき)』、そのオープニングを飾るメットガラのドレスコードは『The Garden of Time(時間の庭)』で、英・小説家J.G.バラードが1962年に発表した同名の短編小説にインスパイアされたものとのこと。
今回、共同ホストを務めたのは、今をときめくファッションアイコン、ゼンデイヤ(27)とラッパーのバッド・バニー(30)、メットガラは14回目という大ベテランのジェニファー・ロペス(54)、そして初参加の俳優クリス・ヘムズワース(40)という人気スター4人。
恒例のレッドカーペットでの華麗なるメットガラ・ルックのお披露目はもちろん、今年はアリアナ・グランデ(30)がメゾン・マルジェラのドレスに身を包み、パフォーマンスを披露するというサプライズもあった。そんな「メットガラ2024」のトピックスをまとめてお届けする。
キム・カーダシアンの「首より細い?」ウエストに心配の声、続出
メットガラの常連で、毎回センセーショナルなルックでネットを賑わせているキム・カーダシアン(43)。今年はメタリックシルバーのコルセットと、葉や花、小枝などのモチーフのマーメイドスカートで構成されたメゾン・マルジェラのスタイリッシュなルックで登場。
その際、キムがきらびやかなドレスに、カジュアルなグレーのボレロカーディガンを羽織っていることがSNSで話題となった。
ブランドのインスタグラム投稿によると、「あざみ起毛のカシミアカーディガン」はジョン・ガリアーノ(63)がキムのために制作したオートクチュールルックの一部とのことで、キムは今年、モードとコンフォタブルの融合を選択したようだ。
さらに米サイト『E!News』によると、キムはメットガラ中のインタビューで、「ある庭での、私の人生で最もワイルドな夜」にちなんだものだと発言。
「私はただ走って、ボーイフレンドのニットを掴んだの。それを着て、仕事に行かなければならなかった。だから私の髪は無造作なのよ」と、ドレスコードを意識したスタイリングのイメージを語ったという。
しかし今回、ネット上でさらなる注目を集めたのが、一瞬目を疑うほどくびれたコルセットのウエスト部分! 米誌『PEOPLE』によると、あまりにタイトなシルエットのためか、キムは階段を上るのも一苦労で、人の手を借りていたそう。
英紙『Independent』は、あるカメラマンから「あなたのウエストはクレイジーだ!」という声が上がったと報じ、現代において「両手にすっぽりおさまるような細いウエスト」をひけらかすのは、若い女性に対する「最悪のお手本だ」と激しく批判。
また米サイト『Page Six』は、「細く見せるために内臓を押し潰している」、「彼女のウエストは首よりも細いから、歩くことも息をすることもできないだろう」といったコメントがXに書き込まれ、キムが非現実的な美の基準を作っていると非難する声が相次いでいると報じた。
2022年にも、かの有名なマリリン・モンローの「ハッピー・バースデイ・ミスター・プレジデント」のドレスを纏うために、3週間で約7kg減量したという極端なダイエットや、そのドレスが歴史的に重要なものにもかかわらず着用したことで非難を浴びたキム。今年のルックもまた物議を醸しているようだ。
パメラ・アンダーソンやジェフ・ゴールドブラムなど、ベテランセレブがメットガラデビュー!
セクシーな魅力で一世を風靡した90年代のミューズで、TVシリーズ『ベイウォッチ』のスターとして知られるパメラ・アンダーソン(56)が、メットガラのレッドカーペットに初登場。
ドラマティックなトレーンが印象的なオスカー・デ・ラ・レンタのシフォンドレスを纏い、ノエル・スチュワートのフェイクフェザーの特注ヘッドピースをつけ、淡いワントーンでエフォートレスな美しさを披露した。
大きく開いたデコルテにエレガンスを添えるジュエリーはパメラがアンバサダーを務めるパンドラのもの。米紙『The New York Times』によると、ピンクとホワイトのラボグロウンダイヤモンドの2連ネックレスは雨粒を表現しており、なんと約227カラットもあるそう。
パメラは長年メイクアップアーティストを務めていた女性が2019年他界した後、メイクをやめたことで知られ、昨年ノーメイクでパリ・ファッションウィークのフロントロウに座ったことで一躍ときの人に。
パメラは素顔を見せることは「自由で、楽しくて、少し反抗的でもある」とファッション誌のインタビューで語っており、最近はすっぴんでのイベント参加が定番だった。
『PEOPLE』によると、メットガラ前日に行われたディナーにもリップ以外はノーメイクで出席したそうだが、本番は“すっぴん宣言”を返上。
伝説のメイクアップアーティスト、パット・マクグラス(53)にメイクをしてもらい、「プリンセス気分」だったというパメラ。ナチュラルでありながら、輝くような肌と洗練された上品メイクは、大きな話題を呼んだ。
今回、初参加のベテランセレブはパメラだけではない! 話題作『ウィキッド』でアリアナ・グランデやシンシア・エリヴォ(37)らと共演する俳優ジェフ・ゴールドブラム(71)もついにメットガラ・デビューを果たした。
リボンがユニークなプラダの白シャツをブラックスーツに合わせたジェフは、首に細いフリンジスカーフをさらり。ロングコートの胸元には、ドレスコードにぴったりな花モチーフのティファニーのブローチ3つを輝かせ、サングラスを着用しながら、“予備”の丸メガネをポケットにかけるという遊び心も覗かせた。さらにプラダのローファーとティファニーのカクテルウォッチを身につけ、ダンディなイケオジスタイルを見事に着こなした。
ジェシカ・ビール、約9kgのエプソムソルト入り風呂で晴れ舞台に備えたことを告白
うっとりするような圧巻のルックで、今年のドレスコードを完璧に体現したとメディアに絶賛された俳優ジェシカ・ビール(42)。
夫で歌手のジャスティン・ティンバーレイク(43)との間に長男サイラス(9)、次男フィニアス(3)を持つ2児の母でもある彼女が、最後にメットガラに出席したのは2013年のこと。11年ぶりとなる今回、ジャスティンはワールドツアー中のため、単身での登場となった。
ジェシカは久しぶりのメットガラに向けて気合十分だったようで、前日夜、TikTokでイベント前のルーティンを公開。
その動画で、バスローブ姿のジェシカは「メットガラ前にパーティをするのが好きな人もいるわよね。週末中パーティしたり、いろいろなことをしたり、それは完全にリスペクトしているわ」と前置きした上で、「でも私のメットガラの準備はこれよ」と宣言!
4ポンド入りのエプソムソルト5袋を次々と映し出し、「さあいくわ、マジよ」とバスタブに惜しげもなく計20ポンド(約9kg)のエプソムソルトをすべて注ぎ入れた。
続いて、「できるだけ熱いお湯に30分間浸かるの。そしてたくさんの水を飲んで、早めに寝る」というジェシカ流の美の秘訣を紹介。「明日メットガラで会いましょう」とウィンクして締め括った。
ジェシカはその効果については語っていないが、米誌『Us Weekly』によると、エプソムソルトはストレスを和らげ、体をリラックスさせるだけでなく、筋肉や神経が正常に機能するのを助け、毒素の排出を促すことで知られているという。
努力の甲斐あってか?本番ではフェザーとクリスタルで飾られた鮮やかなピンクのドレスと、カルティエのジュエリーで圧倒的な輝きを放ったジェシカ。
深いV開きのドレスとお揃いのケープは、パリのオートクチュールウィークで発表されたタマラ・ラルフの2024年春夏コレクションで、ブランドの公式インスタグラムによると、320時間かけて制作されたものだそう。
ジェシカはカジュアルなデニムスタイルから、メットガラルックに変身するリールをインスタグラムに投稿しており、夫ジャスティンがコメント欄に目がハートの絵文字を3つ並べてラブラブな反応を残している。
第二子妊娠を発表したリア・ミシェル、「眠れる森の美女」風ルックで大きなお腹を披露
ドラマ『glee/グリー』で知られるリア・ミシェル(37)は、第二子妊娠中の大きなお腹を大切そうに両手で抱え、ハッピーオーラ全開で登場。プリンセスを思わせる華やかなドレスで、ドレスコードを表現した。
つやめくシルクのロングドレスはロダルテのもので、ワンショルダーのストラップから胸元にかけて白い花があしらわれており、ボリュームたっぷりのチュールのケープがロマンティックなムードを演出。
ロダルテの公式インスタグラムによると、ヴァン・ゴッホの絵画にインスパイアされた2012年春夏コレクションのもので、今回の特別展にも展示される「サンフラワードレス」に着想を得たものだという。
昨年、ブロードウェイ・ミュージカル『ファニー・ガール』で1年間のロングラン公演を終えたリアは、3月27日(現地時間)、夫ザンディ・ライヒとの間に長男エヴァー・レオ(3)に続く、第二子を妊娠したとインスタグラムで発表。
米サイト『Entertainment Tonight』によると、結婚5周年を迎えた夫婦にとって、今回のニュースは特別なものだったよう。リアは多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に苦しんでおり、「私たち夫婦は諦めかけていました」と話していたという。
「でも諦めかけたときやトライするのをやめようと思ったときに、小さな奇跡が起きるものなのね」と続け、「私が本当にほしいと思っていた赤ちゃんを授かる体にするために」、主治医とともに懸命に努力してきたことを同サイトの取材で打ち明けていた。
妊娠を報告する投稿では白いケープを纏い、幸せそうに大きなお腹を見つめる自身の写真とともに、「ママ、パパ、エヴァーは大喜びよ」とイエローのハートマークを添えて綴っている。
ラナ・デル・レイ、テイラー派から転向? キム・カーダシアンとの仲良しツーショットが注目の的に!
森の妖精のようなアレキサンダー・マックイーンのカスタムメイドドレスに身を包み、ドラマティックなチュールのヘッドピース姿で度肝を抜いた歌手のラナ・デル・レイ(38)。
2018年以来の参加となったラナは、友人テイラー・スウィフト(34)の“宿敵”とも言われるキム・カーダシアンと仲良くインタビューを受け、「チーム・テイラーからチーム・キムへ?」と話題を呼んだ。
ラナはテイラーの前作『ミッドナイツ』(2022)の収録曲『Snow on the Beach』でコラボしているほか、2024年2月に行われたグラミー賞授賞式でテイラーが受賞した際、一緒に壇上へ上がったことも記憶に新しい。
その後、テイラーの恋人が出場したスーパーボウルでも一緒に観戦する姿が目撃されていた。
一方で、ラナはキムとの付き合いも長く、『Entertainment Tonight』によると、2014年、フランスのヴェルサイユ宮殿で行われたキムと元夫カニエ・ウエスト(46)の結婚式のリハーサルディナーでパフォーマンスを披露。また、最近ではキムのブランドSKIMSのバレンタインデーをテーマにしたキャンペーンにも登場している。
ラナにとってはどちらも友人だが、テイラーとキムは、カニエが2016年に発表した曲『Famous』の歌詞を巡る“事件”が勃発して以来、長年確執が伝えられており、同サイトによると、緊張した関係は今なお続いているようだ。
レッドカーペットでレポーターに、テイラーのニューアルバム『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』の感想を聞かれたラナは、「美しいわ」とコメント。好きな曲を尋ねられると、少し考えてから『Who's Afraid of Little Old Me?』と答え、「タイトルがなんであれ」と付け加えた。
このアルバムには、高校時代のいじめっ子を題材にしたという『thanK you aIMee』という曲が収録されており、タイトルの大文字3文字がキムと読めることから、ファンはキムについて歌ったものだと推測している。ラナは複雑な気持ちに違いない。