【 #アカデミー賞2024 】全裸でステージに登場したジョン・セナ、ドレスが破れてしまったエマ・ストーン。観客を沸かせたモーメント5

2024年3月10日(現地時間)、米カリフォルニア州ハリウッドのドルビー・シアターにて行われた第96回アカデミー賞授賞式。圧巻のパフォーマンスから思わぬハプニングまで、メディアやSNSの話題をさらったトピックを一挙おさらい!

2024年のアワード・シーズンのフィナーレを飾る第96回アカデミー賞授賞式が3月10日(現地時間)の夜に行われ、映画界の豪華スターが大集結。昨年に引き続き、ジミー・キンメル(56)が司会を務めた。

各部門で有力候補と本命視されていた『オッペンハイマー』が作品賞をはじめとする7冠を達成したほか、宮崎駿監督(83)の『君たちはどう生きるか』が最優秀長編アニメーション映画賞を、山崎貴監督(59)の『ゴジラ-1.0』が視覚効果賞を受賞するなど、日本勢の快挙も注目を集めた今回のアカデミー賞。

“全裸”のプレゼンターの登場や『哀れなるものたち』で主演女優賞に輝いたエマ・ストーン(35)の衣装ハプニング、『バービー』ケン役のライアン・ゴズリング(43)による圧巻のパフォーマンスなど、見どころ満載だった授賞式の様子をまとめて紹介する。

『オッペンハイマー』が最多7冠達成! クリストファー・ノーラン監督がついにオスカー初受賞

クリストファー・ノーラン、キリアン・マーフィー、ロバート・ダウニー・ジュニア
作品賞を受賞し、キャストがステージに集結 Photo:Getty Images

日本では3月29日に公開が決定している話題作『オッペンハイマー』。今年の賞レースをリードし、今回のアカデミー賞でも最多13部門にノミネートされていた同作が、作品賞をはじめとする計7部門を制した。

そしてクリストファー・ノーラン監督(53)、主演のキリアン・マーフィー(47)、主人公の宿敵を演じたロバート・ダウニー・ジュニア(58)が揃って、オスカー初受賞という喜ばしい結果に。

クリストファー・ノーラン、エマ・トーマス
オスカー像を手にするノーラン監督夫妻 Photo:Getty Images

これまでのアカデミー賞において、『メメント』(2000年)で脚本賞、『インセプション』(2010年)で作品賞と監督賞、『ダンケルク』(2017年)で作品賞と監督賞でノミネートされてきたノーラン監督。本作で監督賞と作品賞に輝き、ついに“無冠の名匠”を返上したと注目を集めた。

受賞スピーチではキャストとスタッフに感謝を伝え、本作のプロデューサーを務めた妻に向けて、「素晴らしいエマ・トーマス(52)。(あなたは)私たちのすべての映画と子どもたちのプロデューサーです。愛しているよ」とコメント。

またアカデミーには、「映画はまだ100年ちょっとの歴史しかない」が、その重要な一部と認めてもらえたことは「私にとって非常に大きな意味があります」と想いを伝えている。

キリアン・マーフィ
主演男優賞のプレゼンターを務めた歴代受賞者たちと Photo:Getty Images

そしてノーラン監督と6度目のコラボとなった本作で初めて主役を演じ、ゴールデン・グローブ賞や英国アカデミー賞などを総なめにしてきたキリアンが、初ノミネートにして主演男優賞を受賞した。

いつもは物静かな印象の彼にしては珍しく、「ちょっと圧倒されています」とハイテンション気味に語り始めたキリアン。ノーラン監督はもちろん、スタッフやキャストに感謝を述べ、他の候補者についても敬意を表した。

キリアン・マーフィー
笑顔でオスカー像を高く掲げるキリアン Photo:Getty Images

さらに、自身の2人の息子へ愛を伝え、「私はアイルランド人として、今夜ここに立っていることをとても誇りに思います」と満面の笑み。

英紙『The Guardian』によると、アイルランド人としてアカデミー賞主演男優賞を受賞したのは、1945年のバリー・フィッツジェラルド(享年72)、同賞を3度受賞しているロンドン生まれの名優で、アイルランド国籍を持つダニエル・デイ=ルイス(66)に続く、3人目だという。

観客の拍手の中、キリアンは「この映画を世界中で平和を実現する人たちに捧げたいと思います」とオスカー像を頭上に掲げ、スピーチを締め括った。

ロバート・ダウニー・ジュニア、ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ、エマ・ストーン、キリアン・マーフィー
助演女優賞を受賞したダヴァイン・ジョイ・ランドルフ(37)と主演女優賞を受賞したエマ・ストーンと Photo:Getty Images

さらにロバート・ダウニー・ジュニアが助演男優賞を獲得。幼少期からドラッグ問題を抱えながら、『チャーリー』(1992年)で主演男優賞のノミネート経験を持つロバートは、30代後半でようやく薬物依存を克服し、マーベル映画『アイアンマン』(2008年)出演などを機に完全復活したという過去が。

受賞スピーチでは、「私のひどい子ども時代、アカデミー、その順番で感謝したい」と明るくジョークを飛ばした後、「小さな秘密がある」と切り出し、「この仕事が私を必要としていた以上に、私がこの仕事を必要としていた」と打ち明けた。

そして「史上最高のキャストとスタッフ」に囲まれていたおかげで「より良い人間になって皆さんの前に立っています」と続け、拍手喝采を浴びている。

ビリー・アイリッシュが史上最年少で2つめのオスカー獲得! 感動的なパフォーマンスにセレブたちが涙

ビリー・アイリッシュ、フィニアス・オコネル
ステージでのビリーとフィニアス Photo :Getty Images

『アメリカン・フィクション』が脚色賞を受賞し、そろそろ授賞式も主要部門発表に差し掛かるというタイミングで、ビリー・アイリッシュ(22)と兄フィニアス・オコネル(26)がステージに登場。

レッドカーペットではジャケットにツイードのペンシルスカートを合わせたシャネルのルックだったビリーは、ツイードのジャケットに着替え、歌曲賞にノミネートされていた『バービー』の劇中歌『What Was I Made For?』を披露した。

フィニアスのピアノ伴奏にオーケストラの生演奏も加わり、より美しく演出されたバラードを、目をつぶるように歌い上げたビリーに、観客は即座にスタンディング・オベーション!

英メディア『Daily Mail』によると、『バービー』監督のグレタ・ガーウィグ(40)や、キャストのマーゴット・ロビー(33)やアメリカ・フェレーラ(39)らはみんな涙目になっていたという。

一緒に拍手を送られていた兄フィニアスもビリーへ拍手を始めると、観客の熱狂ぶりに気づいたビリーは「ワオ」と口に手を当てて驚いた後、兄を抱きしめ、ステージを後にした。

 

観客席ではアリアナ・グランデ(30)が圧倒された様子で拍手をし、ビリーに歓声を送る一幕がカメラに捉えられ、多くのファンが反応。「女王が女王をサポートしている」など、アリアナのリアクションに対し、賞賛の声がSNSに多数寄せられたと米サイト『TODAY』が報じている。

シンシア・エリヴォ、フィニアス・オコネル、ビリー・アイリッシュ、アリアナ・グランデ
バックステージでのビリーとアリアナ Photo:Getty Images

歌曲賞の発表の際、実写版『ウィキッド』(2024年)で共演したシンシア・エリヴォ(37)とともに、プレゼンターとして登場したアリアナ。

インパクト抜群なジャンバティスタ・ヴァリのピンクドレス姿で、受賞者が記された封筒を開けた瞬間、はっと息を呑み、ビリーとフィニアスの名前と曲名をうれしそうに読み上げた。

ビリーはマーゴットやグレタと抱き合って喜びを分かち合った後、ステージでアリアナと甘いハグをかわしている。

フィニアス・オコネル、ビリー・アイリッシュ
2度目のオスカー像を手にする兄妹 Photo:Getty Images

今年2月、グラミー賞を獲得したのに続き、アカデミー賞でも歌曲賞を受賞。若干22歳にして2度のオスカー受賞という新たな歴史を作ったビリー。

受賞スピーチで「昨日の夜、この瞬間について悪夢を見た」とジョークを飛ばし、こう続けた。「こんなことが起きるなんて思っていなかった。これは期待していなかった。私は本当に信じられないくらいラッキーだし、光栄に思っています」。

さらにアカデミー賞とグレタに向けて、「この曲とこの映画と、この映画が感じさせてくれたことにとても感謝しています」と話し、「この映画に影響を受け、どんなに素晴らしい作品かを知っているすべての人にこの曲を贈ります」と語った。

ビリーとフィニアスは2021年『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のテーマ曲でもグラミー賞とアカデミー賞を受賞しており、2人は2度目のW受賞という快挙を果たしている。

ライアン・ゴズリングが圧巻のパフォーマンスを披露し、会場とSNSを大いに沸かせる

ライアン・ゴズリング、シム・リウ
映画の“ケン”たちが勢揃い Photo:Getty Images

この日、一番の盛り上がりを見せたのが、『バービー』ケン役のライアン・ゴズリングによる『I’m Just Ken』のパフォーマンス。

今年1月、助演男優賞にノミネートされた際、歌曲賞にノミネートされた同曲を授賞式で披露するかどうか、多くの憶測を呼んでいたが、2月末に出演が決定したとの報道が。以降、ネット上では、俳優のライアンが、歌手としてどんなパフォーマンスを見せてくれるのかという話題で持ちきりとなった。

音響賞の発表の後、黒いカウボーイハットで顔を隠して観客席に座っていたライアンが歌い始めると、その後列に座っていたビリーも、前列にいたマーゴットも思わず爆笑。

おもむろにハットをとり、姉マンディ・ゴズリング(47)にかぶせた後、グッチのホットピンクの特注スーツに身を包んだライアンは、お揃いのピンクの手袋をつけた手にマイクを持ち、歌いながら壇上へ。

ライアン・ゴズリング、スラッシュ
大物ギタリストの肩に手を置き、熱唱するライアン Photo:Getty Images

ギターを演奏するマーク・ロンソン(48)に“パンチをお見舞い”した後、米サイト『USA TODAY』によると、映画にもケン役で登場していたシム・リウ(34)ら俳優とダンサー総勢64人の“ケン”が歌い踊るステージに加わった。

さらに、ギタリストのスラッシュ(58)やウルフギャング・ヴァン・ヘイレン(32)といったロック界のスターも登場し、ステージはますます賑やかに。

そして、ライアンはふたたび観客席にいる『バービー』の仲間たちの元へ。今回、ノミネートを逃したことで話題を呼んだグレタやマーゴット、助演女優賞にノミネートされていたアメリカ、そして『ラ・ラ・ランド』で共演したエマ・ストーンにも一緒に歌うようにマイクを向けると、それぞれが踊りながら熱唱し、会場を大いに沸かせた。

米サイト『Entertainment Tonight』などによると、衣装や演出は1953年の映画『紳士は金髪がお好き』に登場するマリリン・モンロー(享年36)のミュージカルナンバー「Diamonds are a Girl's Best Friend」へのオマージュだったそう。

この豪華スターたちを巻き込んだ壮大なパフォーマンスに総立ちとなった観客からは、大歓声が巻き起こり、「最高の『Ken-ergy(※ケンとエネルギーを組み合わせた造語)』を発揮した」とメディアも絶賛。

ライアン・ゴズリング
圧倒的パフォーマンスで場をかっさらったライアン Photo:Getty Images

SNSにはライアンのエンターテイナーぶりに感銘を受けたという声が続出した。Xには「彼はものすごいカリスマ性とスターパワーを持っている」「落ち込むことがあれば(中略)ライアンのライブを見ればいい。癒されるよ」といった書き込みが殺到。

彼がディズニーの子ども向け番組出身であることから、「ミッキーマウス・クラブでのトレーニングが本当に役立ったようだ」というコメントも見られた。

今回8部門にノミネートされていた『バービー』は、ビリーの歌曲賞のみの受賞という結果に終わったが、オープニングから司会のジミーが、『バービー』の印象的なシーンのパロディを披露して会場の笑いを誘うなど、今年の授賞式を随所で盛り上げたことは間違いない。

エマ・ストーンが2度目の主演女優賞を受賞するも、ドレスにハプニングが! 「背中は見ないで」

『ラ・ラ・ランド』での受賞から7年、エマ・ストーンが『哀れなるものたち』で2度目の主演女優賞を獲得した。

ペプラムが印象的な淡いミントグリーンのルイ・ヴィトンのカスタムドレス姿のエマは、スピーチのため、マイクを前にするやいなや、「ああ、困った。ドレスが破れてしまいました」と明かし、「『I’m Just Ken』の間に起こったと思う。間違いないわ」と説明。コルセットのようなトップ部分の背中側にあるジッパーが壊れ、隙間ができたことを振り向いて、カメラに示した。

エマ・ストーン
主演女優賞のプレゼンターを務めた歴代受賞者たちと Photo:Getty Images

そして感動を抑えきれないことを涙声で詫びた後、「声がちょっと出なくなったけど、かまわない」とスピーチを始めたエマ。

動揺しながらも、今回のプレゼンターを務めた5人の歴代主演女優賞受賞者と、このカテゴリーの候補者である「素晴らしい女性たち」に想いを伝えることを忘れなかった。

エマ・ストーン、デイヴ・マッカリー
コメディアンで脚本家の夫デイブ・マッカリー(38)と Photo:Getty Images

候補者ひとりひとりの名前を呼び、「この賞を一緒に受賞したと思っています」と語り始めたエマ。「私は皆さんに畏敬の念を抱いています。このような場を共有できて、とても光栄です。これからもずっと一緒にやっていけたらと思います」と続けた。

そして、キャストやスタッフに謝辞を述べた後、「ベラ・バクスターという一生の贈り物をありがとうございます」とヨルゴス・ランティモス監督(50)に感謝。

さらに、「あと3日で3歳になる」という娘ルイーズに、自身の親友テイラー・スウィフト(34)の曲のタイトルを意識したかのように、「I love you “bigger than the whole sky”, my girl.(この空全体よりももっと愛しているわ、私の娘)」と語りかけた。

最後に「私のドレスの後ろは見ないでね、ありがとう」と言い残して、ステージを後に。

米『CNN』によると、エマはバックステージで記者団に、ライアンのパフォーマンス中、一緒になって踊り歌っていたと話し、「ライアンと、彼がやっていることにとても驚嘆したの。そして、あの曲にただ度肝を抜かれたわ」とドレスが破れるほど夢中になったことを改めて説明。そしてドレスについて、「縫い直してくれたのは、素晴らしかった」と付け加えたとか。

衣装デザイン賞のプレゼンターとして"全裸”で登場したジョン・シナ、「衣装はとても重要です」

『バービー』にマーマン役でカメオ出演した、俳優で元プロレスラーのジョン・シナ(46)。衣装デザイン賞のプレゼンターとして、なんとほぼ全裸でステージに登場し、観客に衝撃を与えた。

米誌『Variety』によると、これは1974年の第46回アカデミー賞で俳優デヴィッド・ニーヴン(享年73)がエリザベス・テイラー(享年79)を紹介している最中、裸の男がピースしながらステージを駆け抜けるという、アカデミー賞史上最もクレイジーな出来事のひとつにオマージュを捧げた一幕だという。

ジョン・シナ
プロレスラー時代よりも露出度が高いと観客を笑わせたジョン Photo:Getty Images

この悪名高い歴史を引き合いに出し、「今日、全裸の男がステージを横切ったらって、想像できる?」と冗談めかして、アカデミー賞の観客に繰り返し尋ねたジミー。「クレイジーだろう?」と畳み掛けると、ステージの角からジョンがひょっこり顔を出した。

「気が変わったんだ。ストリーカー(※全裸で公共の場所を走る人)はやりたくないんだ。気が乗らないな。エレガントなイベントなんだから、こんな下品なジョークを提案したことを恥じるべきだよ」と打ち明けるジョン。

ジミーはちょっとしたジョークのつもりだと言うが、ジョンは毅然と即答した。「男の身体はジョークじゃないんだ!」

結局ジョンは観客たちの声援に励まされ、大きな封筒で局部を覆い、ビルケンシュトックのサンダルをはいただけの姿でステージに登場。中央のマイクに向かって、そろりそろりと歩み寄り、マーゴットやキャリー・マリガン(38)が爆笑する様子もカメラに捉えられた。

そして“全裸”のジョンが「衣装」と一言発しただけで、すでに笑いが! 「それはとても重要です。もしかしたら、もっとも重要なものかもしれない」と続けると歓声が起こり、会場は大きな笑いに包まれた。

ジョン・シナ、ジミー・キンメル
カーテンを古代ギリシャの服のように巻きつけたジョン Photo:Getty Images

受賞者を発表しようにも動けない状況のジョンは「封筒が開けられないんだ」とこぼし、苛立つジミーがサポートに。その後、黄金色のカーテンを纏ってステージに再登場し、『哀れなるものたち』のホリー・ワディントンに無事、衣装デザイン賞を授与した。

ちなみにジョンはステージ上では裸のように見えたが、SNSにはベージュのふんどしのようなものを着用している写真が出回っており、『CNN』によると、特大サイズの封筒はベルクロで貼り付けられ、落ちないように工夫されていたそうだ。

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