3年間昏睡状態のタイ王室の王女、2年ぶりに現在の健康状態が公表される

2022年12月に心臓疾患で倒れて以来、昏睡状態が続いているタイ国王ラーマ10世(73)の長女パッチャラキッティヤパー王女(46)。現在の健康状態が久々に公表された。

近年、現国王ラーマ10世(73)の影響で、タイ王室といえばスキャンダラスな印象がすっかり強くなってしまったが、その一方で心配なニュースもある。国王の長女パッチャラキッティヤパー王女(45)は、2022年から昏睡状態が続いているのだ。

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パッチャラキッティヤパー王女。Photo:Getty Images

2022年12月15日(現地時間)、タイ北東部のナコーンラーチャシーマーで競技会に向け自身の犬の訓練をしていたところ意識を失い、その後すぐに首都バンコクの病院にヘリコプターで輸送されたパッチャラキッティヤパー王女。

これまで王女の容体についてはほとんど公開されておらず、約3年間での公式声明はわずか4回。実に2年ぶりの声明となり、注目を集めている。

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Photo:Getty Images

先週発表されたその声明によると、バンコクのチュラロンコン赤十字病院の医療チームは、「血液中に重度の感染症が見つかったため、安定したレベルを維持するための抗生物質と、血圧を上げる薬を投与した」と明らかにした。さらに「王女の肺と腎臓は医療機器と投薬のサポートを受けて機能している」と付け加えている。

また、8月19日(現地時間)に英メディア「Hello!」が報じたところによると、王女の治療には広域抗菌スペクトルの抗生物質と、悪化する腎機能を補うための透析が含まれているという。

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左から、3人目の妃で現在は離婚しているシーラット・スワディー、ティパンコーンラッサミチョト王子、ラーマ10世。Photo:Getty Images

パッチャラキッティヤパー王女は、ラーマ10世と最初の妻であるソームサワリー元妃の間に誕生した唯一の子で、アメリカ屈指の名門校コーネル大学で修士号と博士号を取得。弁護士免許も所有する秀才として知られ、国連で働いたほか、タイの駐オーストリア大使を務めた。また、タイ国内および世界各地での女性受刑者の待遇改善にも尽力している。

いまだ後継者を正式に発表していない国王。王女が倒れる前は、タイの伝統では男性継承者を優先する傾向があるにもかかわらず、王女が有力候補とされていた。

現時点では、国王と3人目の妃シーラット・スワディーの間に生まれたティパンコーンラッサミチョト王子(20)が後継者となる可能性が高いとみられている。国王は誰を指名するのか、今後の動向にも注目が集まりそうだ。