チャールズ国王の弟アンドルー王子が称号返上もウィリアム皇太子はまだ不満か。 30室ある豪邸の「家賃を20年間支払っていない」と報じられる

英チャールズ国王(76)の弟アンドルー王子(65)がヨーク公爵などの称号を返上すると発表し、波紋が広がるなか、次期国王ウィリアム皇太子(43)がこの決定に不満を抱いていると報じられ、注目が集まっている。

故エリザベス女王(享年96)の第3子で次男のヨーク公爵ことアンドルー王子(65)が2025年10月17日19時(現地時間)、爵位を返上するという声明を発表。この衝撃的なニュースにネットが騒然とするなか、英紙『The Times』の日曜版『The Sunday Times』がその決定にウィリアム皇太子(43)が不満を抱いていると報じて、話題に。またアンドルー王子の元妻でヨーク公爵夫人ことサラ・ファーガソン(66)と2人の娘、ベアトリス王女(37)とユージェニー王女(35)の今後についても世間の関心が集まった。

アンドルー王子

Photo:Getty Images

2025年10月17日(現地時間)にバッキンガム宮殿が発表した声明の中で、アンドルー王子は次のように述べた。「国王ならびに私の家族や親族と協議した結果、私に対する継続的な告発が陛下と王室の活動を妨げているとの結論に至った。私はこれまで常にそうだったように、家族と国に対する義務を最優先することを決意した」

「公的生活から身を引くという5年前の私の決断を変えていない。陛下の同意を得て、今はさらに一歩進むべきだと感じている。したがって、私は今後、自分の称号や授与された勲位を一切使用しない。以前も述べた通り、私に対する告発は断固として否定する」。

米誌『People』によれば、未成年女性への性的虐待罪で有罪判決を受けた故ジェフリー・エプスタイン元被告(享年66)と関わりが2010年に報じられて以来、スキャンダルが後をたたないアンドルー王子。財務問題やスパイ行為疑惑のある中国実業家との繋がりなども取り沙汰されており、英『BBC』によれば、王子に対して何らかの措置を講じるよう求める声が高まっていたという。

チャールズ国王(76)とウィリアム皇太子にとって決定打となったのは、この10月上旬、アンドルー王子が北京のスパイ事件の中心人物と少なくとも3回会談していたことが明らかになり、側近たちが「限界点」に達したことだと英紙『The Guardian』は報じている。

また同時に流出したメールにより、アンドルー王子が以前認めていたよりも長い間、エプスタイン元被告と連絡をとり続けていたことも明らかに。王子から元被告へのメールのひとつには、「どうやら我々は同じ状況に巻き込まれていて、乗り越えなければならないようだ。せめて緊密に連絡をとり合って、近いうちにまた楽しもう!!!!」と書かれていたという。

アンドルー王子

1978年、陸軍の制服を着用したアンドルー王子。学生時代から“ランディ・アンディ”(好色のアンディ)と呼ばれていたという Photo:Getty Images

『HELLO!』によれば、今回の声明発表は、17歳のときにアンドルー王子と3回性的関係を持ったと主張する故バージニア・ジュフレーさん(享年41)の回顧録『Nobody’s Girl: A Memoir of Surviving Abuse and Fighting for Justice』の出版に先立って行われた。

10月21日(現地時間)に発売予定のこの本の抜粋が10月15日(現地時間)、『Guardian』に掲載され、「彼(アンドルー王子)は友好的ではあったが、私と性交することは彼の生得権であるかのように振る舞っていた」などと書かれているという。

エリザベス女王、アンドルー王子

2019年6月、ロイヤルアスコット競馬場に到着したエリザベス女王とアンドルー王子 Photo:Getty Images

今回のアンドルー王子の爵位返上について、『HELLO!』によれば、チャールズ国王とウィリアム皇太子が協議した際、皇太子は父親にもっと強硬な姿勢を取るよう求めていたそうだ。宮殿関係者はこの決定について、国王と皇太子は足並みを揃えていると『People』に語ったそうだが、『The Sunday Times』は、チャールズ国王はこの結果を喜んでいる一方、ウィリアム皇太子は満足していないと報道。

アンドルー王子、ウィリアム皇太子

2025年9月、ケント公爵夫人(享年92)の葬儀にて Photo:Getty Images

皇太子は叔父を君主制の評判を損なう存在だと考えており、自身が国王になった際には戴冠式をはじめ、あらゆる王室行事から排除するとのこと。また同紙によれば皇太子は、アンドルー王子と同じくエプスタイン元被告とのつながりが非難の的となっている元妻サラも王室行事から締め出すことを検討しているという。

アンドルー王子

2013年6月、ガーター騎士団の式典に出席したアンドルー王子 Photo:Getty Images

『The Guardian』によると今回、アンドルー王子は自主的に称号を返上するほか、英国最古かつ最高位のガーター騎士団の会員資格なども放棄するそう。ただし、称号は議会の決議によってのみ剥奪されるものであるため、使用が停止されるだけで、事実上は存続するのだとか。

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2019年6月、ロイヤルアスコットでのアンドルー王子と元妻で現在もパートナーのサラ・ファーガソン Photo:Getty Images

この決定が具体的にどのような意味を持つのかが気になるところだが、複数のメディアによれば、彼自身は女王の息子として生まれたため、「王子」の称号は保持し、王位継承順位も8位のまま。元妻サラはヨーク公爵夫人の称号を失うことになるが、2人の娘たち、つまりチャールズ国王の姪にあたるベアトリス王女とユージェニー王女は、生まれながらの王女であり、「王女」の称号は維持されるとのこと。

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2013年6月、トゥルーピング・ザ・カラーの式典の際、ベアトリス王女とユージェニー王女と仲良く談笑するウィリアム皇太子 Photo:Getty Images

また王位継承順位に関しても、ベアトリス王女は9位、妹のユージェニー王女は12位のまま、現在のところは変わらない。ウィリアム皇太子もいとこたちとは親しい関係を保っており、今後も家族行事や公式行事に参加させるつもりなのだという。

チャールズ国王、アンドルー王子

2006年5月、チェルシー・フラワー・ショーでのチャールズ国王とアンドルー王子 Photo:Getty Images

『The Sunday Times』によれば、アンドルー王子は30室あるというウィンザーのロイヤル・ロッジに住み続ける見込み。英王室の資産運営団体「クラウン・エステート」と2078年までの私的な賃貸契約を結んでいるため、国王であっても追い出すことはできないのだとか。『The Times』の取材によると、アンドルー王子は邸宅でほとんどの時間、ビデオゲームをして過ごしており、2003年以来、「1peppercorn」と呼ばれる“名目上の支払い”のみで、20年間家賃を支払っていないことが判明したそうだ。

 

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