2023年12月31日(現地時間)、マルグレーテ女王は大晦日に行われる伝統的なスピーチで突然、退位を発表。
1972年1月14日(現地時間)に父フレデリック9世(享年72)の急逝を受けて後を継いだ女王は、これまで前例に倣って生涯王位にとどまると公言してきただけに、このニュースは国民に衝撃を与え、世界中で大きな驚きをもって報じられた。
デンマーク王室の広報責任者が地元紙に明かした驚きの事実によると、女王がフレデリック皇太子と次男ヨアキム王子(54)に退位を伝えたのは、そのわずか3日前、12月28日(現地時間)のことだったという。
「王位継承」当日の午後2時、クリスチャンスボー宮殿で国務会議が行われ、マルグレーテ女王と王位を継ぐフレデリック皇太子、王位の推定相続人となるクリスチャン王子(18)が出席。
そこで女王は退位宣言書に署名すると、自分が座っていた椅子をフレデリック新国王に譲り、宮殿をあとにした。デンマークの放送局『DR』によると、部屋を出る前、女王として発した最後の言葉は「神よ、王を救いたまえ」だったという。
その後、宮殿のバルコニーにフレデリック国王が姿を現し、メッテ・フレデリクセン首相(46)が国王の即位を宣言。この歴史的瞬間を見届けようと宮殿の広場に集まった推定10万人を前に、フレデリック国王は、国王として初のスピーチをおこなった。
「私の望みは、明日に向かって国を団結させる国王となることだ。それは私の生涯をかけて取り組んできた課題である」と述べた新国王。
さらに「最愛の妻の、家族の、皆さんの、そして私たちよりも偉大なものからのサポートを必要としている」と語り、デンマーク王国のために我が身を捧げると結んだ。
続いて、デンマーク人デザイナー、ゾレン・ル・シュミット(35)がデザインを担当したシンプルシックな純白のドレスに、ルビーのジュエリーを輝かせてメアリー王妃(51)が登場。
国王は王妃の手を取ってバルコニーに招き、そのまま手を繋いで挨拶をすると、群衆からは大きな祝福の声が上がった。二人は手を取り合って見つめ合い、感極まった国王が涙ぐむ一幕も。
そして4人の子どもたち、クリスチャン皇太子、イザベラ王女(16)、双子のヴィンセント王子とヨセフィーネ王女(13)が姿を見せると、さらなる歓声が! 人々は熱心にデンマーク国旗を振り、自然発生的に国家が歌われたという。
夫妻は寄り添いながら、何度も手を振り、少し言葉をかわした後、キスを披露。新国王夫妻の“ロイヤルキス”に、国民たちは大いに沸き、割れんばかりの拍手喝采が巻き起こった。
英メディア『Daily Mail』によると、このキスは自然発生的なものではなく、明らかにフレデリック国王が計画したものだとあるボディランゲージの専門家は主張しているそう。
バルコニーで見せた「本当に幸せそうで、非常に感情的な様子」は、逆に彼の結婚生活における潜在的な緊張を明らかにしたと分析しているとか。
2023年10月、フレデリック皇太子(当時)はマドリードへの私的な旅行中、メキシコ人ソーシャライトのジェノベバ・カサノヴァ(47)と夜遊びしているところをキャッチされ、不倫疑惑が発覚。
その後、スペイン誌『Lecturas』が二人はディナーを楽しんだ後、午前1時までフラメンコのショーを鑑賞していたと報じ、一緒にいる写真が出回った。ジェノベバはその報道を否定したものの、ロイヤルカップルの結婚は破綻しているのではという憶測がネット上を駆け巡ることに。
『People』によると、マルグレーテ女王の突然の退位は、ただの偶然とは思えないという声が多く、息子夫婦の結婚を修復するための行動なのではないかと疑う人もいるという。
ただしメアリー王妃は、この件に関して沈黙を貫いており、報道後もたびたび公の場に一緒に登場。夫婦団結(?)の姿勢を見せている。
デンマーク史上初のオーストラリア生まれの王妃となったメアリー王妃は、2000年、シドニーオリンピック期間中にフレデリック皇太子とバーで出会ったというシンデレラストーリーで有名。
習得が難しいと言われるデンマーク語をマスターし、公務にも献身的に取り組むことから、マルグレーテ女王からの信頼も厚く、国民の人気も非常に高いことで知られている。
英紙『Independent』によると、デンマークでは王政への支持が高まっているそうで、不倫騒動があってもなお、支持率は驚異的なのだとか。
女王が退位を発表した後に行われた最新の調査で、新国王と王妃が新しい役割をうまくこなす、またはとてもうまくこなすと答えたデンマーク人の割合は、フレデリック国王は82%、メアリー王妃にいたっては86%にものぼるとのこと。
“ヨーロッパで最も魅力的な独身男性”と呼ばれるクリスチャン王子も、皇太子という新しい肩書きを得て、ますます人気と注目度が高まるとみられている。