プロデューサーとして成功を収めたが、あくまで目標はラッパーになること。そして2004年、大学を中退したことから名づけたアルバム『The College Dropout』で念願のデビュー! 完璧主義のカニエは最後まで曲の調整を行い、なんと3度も発売日を延期。ソウルのボーカルを早回ししてサンプリングする独自のスタイルで仕上げた同作は、世間の期待をはるかに超え、グラミー賞3部門に輝く。
すっかり評判を落としたカニエは、しばらく音楽から離れ、新たなキャリアをスタートさせるべく行動に出る。フロントロウでショーを鑑賞し、ファッション業界で顔を広げるほか、旅行会社「Kanye West Ventures」の立ち上げやレストラン「KW Foods LLC」の経営を試みて、ビジネスチャンスを探っていく。
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2010年、5枚目のアルバム『My Beautiful Dark Twisted Fantasy』を発売する。バッシングから逃れるべくハワイで制作された同作は、ロックを積極的に用いたサンプリングで多くのファンを獲得。また内省的な歌詞も評価され、一部ではカニエの「最高傑作」と称する声も。カニエはグラミー賞のラップ4部門を独占受賞し、見事カムバックを果たす。
2016年、7枚目のアルバム『The Life of Pablo』をストリーミング限定でリリースする。しかし、タイトルを3度も変更した上、発売後も歌詞を変えたり、曲を追加したりとアップデート。「いつまでも完成しない」異例の作品となった。実は、このときすでに精神不安定になっていたカニエ。ツアー途中に緊急入院し、のちに躁うつ病であることを告白する。