ポスト『愛の不時着』と呼ばれ、日本のNetflixランキングで上位をキープしている話題の最新韓ドラ『ヴィンチェンツォ』! ソン・ジュンギ(35)演じるイタリアマフィアのコンシリエーレ(顧問弁護士)であるヴィンチェンツォ・カサノが、「悪は悪で処断する」を合言葉に、巨悪を裁いていく法廷ブラック・コメディ。韓国ドラマの新ジャンルが登場したと、放送当初も大きな話題に。
そんな最新作もついにGW期間中に最終話が配信され、幕を閉じた。心の底から怒り、悲しみ、笑い、そしてときめきをも与えてくれるまさに“新境地”のドラマ。未視聴の人は今すぐNetflixにアクセスを!と言いたいところだけれど、本記事ではネタバレ未満のストーリー紹介と、主演キャストをはじめ、脇を固めた“隠れスター”のキャリアをピックアップ。キャストたちのバックグラウンドを知るとより一層、物語が面白く見えるから不思議。韓国ドラマに新たな歴史を刻んだ『ヴィンチェンツォ』の魅力を骨の髄まで味わおう!
ソン・ジュンギ(ヴィンチェンツォ・カサノ)/本格アクションとスーツのギャップに魅了
まずは言わずもがな、主人公ヴィンチェンツォ・カサノを演じたジュンギ! 本作では、法では絶対に懲罰することができない悪に立ち向かい処断する、冷徹なイタリアマフィアのコンシリエーレ(顧問弁護士)を演じた。幼少期から変わらぬ美貌や圧倒的な演技力に加え、本格的なアクションまでコンプリートしたことで、性別関係なくファンが多いスター俳優のひとり。ドラマ『トキメキ☆成均館スキャンダル』で虜になった人も多いのでは? 本作はまさにジュンギの新境地となる初のダークヒーローに“挑戦”し、そのギャップに心を掴まれる。
転機となった作品『トキメキ☆成均館スキャンダル』のオマージュも!
本作のとあるエピソードで見られるこちらの姿。まるでク・ヨンハを思い出しませんか? そう、このシーンは、ジュンギの転機となった作品『トキメキ☆成均館スキャンダル』のオマージュ! 白粉の匂いで下着の色を当てるという、一見視聴者から反感を買いそうな驚愕のプレイボーイ役だったにもかかわらず、ヨンハの演技を通して一気にスター俳優への道を上ったジュンギ。『ヴィンチェンツォ』にもそんな彼のバックグラウンドが表現されているから面白い。
アジアを代表するSF映画と称される最新作『スペース・スウィーパーズ』
『ヴィンチェンツォ』と同じく、現在Netflix限定で配信されている韓国初の宇宙SF映画『スペース・スウィーパーズ』でも主演に抜擢。2092年の地球を舞台に、宇宙ゴミ清掃船“勝利号”のパイロットとして働く宇宙掃除屋(英語でスペース・スウィーパーズ)のキム・テホを演じた。近年ますます注目される韓国コンテンツだが、本作の圧倒的な映像美やクオリティには驚きを隠せない。アジアを代表するSF映画だと大きな話題に。そして本作ではなんと初の父親役! 新たなジュンギの魅力が垣間見えた映画にもぜひ注目を。
世界中で大ヒットとなった『太陽の末裔 Love Under The Sun』
圧倒的な存在感をあらわにした時代劇『根の深い木−世宗大王の誓い−』や、愛する女性への悲しく切ない復讐劇を繰り広げた『優しい男』、ハン・イェスルとのW主演で話題となった映画『ちりも積もればロマンス』など、着実にキャリアも積み上げていったジュンギ。その中でもやはり世界的な大ヒットとなった主演ドラマ『太陽の末裔 Love Under The Sun』は、彼の2度目の転機となった作品と言って間違いない! 除隊後初の作品とあってムキムキな体に見惚れることはもちろん、初の本格アクションシーンへの挑戦、そして離婚してしまったものの本作がきっかけで結婚したヒロインのソン・ヘギョとのラブロマンスもときめき必至。こちらもぜひ視聴を。
チョン・ヨビン(ホン・チャヨン)/遅咲きのカメレオン女優といえば
のちにヴィンチェンツォ(ジュンギ)のバディとなるヒロインの敏腕弁護士ホン・チャヨンを演じたのはチョン・ヨビン(31)。洗練されたシティファッションに身を包み、勝訴するためには手段を選ばないクール&ドライな一面も。そんなチャヨンが、ヴィンチェンツォとの出会いを経て、変わっていく姿も見どころのひとつ。さらに喜怒哀楽が激しいチャヨンならではの“表情芸”は、まさにヨビンの腕の見せどころ! 目、鼻、眉毛、口、それぞれの部位を使って魅せる自然な演技に魅了される。
『メロが体質(原題)』で若手世代からもラブコール
26歳のときに映画『背徳の王宮』でデビューし、女優として脚光を浴びたのは、主演映画『罪深い少女』。各映画祭で新人賞を総なめにしたことで、一気に知名度が急上昇。ミステリアスな雰囲気や、独特のオーラがまさに唯一無二! どんな役柄もマルチにこなすカメレオン女優。30代を迎えた女性3人の恋愛、仕事、友情を描いたドラマ『メロが体質(原題)』では、同世代からも熱い支持を受けた。そして本作『ヴィンチェンツォ』の出演がきっかけとなり、今後ますます世界的に注目されるであろうスター女優候補!
オク・テギョン(チャン・ジュヌ、ハンソク)/演技ドルの域を超えた、迫真の演技!
日本の第2次韓流ブームを牽引した大人気アイドルグループ2PMのメンバー、オク・テギョン(32)が、本作で“怪物”を演じたことも大きなポイント。物語序盤ではチャヨンの下に付く、少々間抜けで可愛らしいインターン生のチャン・ジュヌを演じ、視聴者に安らぎの時間を与えてくれていた。ところが物語中盤からは狂気的な演技の連続。のちにチャン・ハンソクとして登場するシーンに、度肝を抜かれた人も多いのでは? このジュヌ&ハンソクのギャップも物語をより一層面白く、中毒性のあるものへと導いた要因!
ヒール役を演じたことで開花した、その実力
韓国初の“野獣アイドル”として、従来のアイドルにはないワイルドな魅力を武器に、K-POP界に新たなジャンルを確立した2PM。特にテギョンに関してはその美貌に加え、韓国語、英語、日本語を話せるマルチリンガルと、ハイスペックっぷりも話題に。さらに演技ドルとしての華麗なる道を切り開いたのもテギョン! ペ・スジ、キム・スヒョン、IUと、今では考えられない名だたるアーティストが出演したドラマ『ドリームハイ』で俳優としても大ブレイク。そして「真の役者として覚醒した」と視聴者からも大好評だったのが、除隊後初の主演作で、死の瞬間が見える主人公キム・テピョンを演じた『ザ・ゲーム〜午前0時:愛の鎮魂歌(レクイエム)〜』。連続して出演作品が話題になっているテギョン。次回作の情報が今から待ちきれない!
ユ・ジェミョン(ホン・ユチャン)/圧倒的な存在感で、後輩たちに道を示す大御所
チャヨンの父親で同じく弁護士のホン・ユチャンを演じたのは、韓国ドラマ界になくてはならない存在と言えるカメレオン俳優のユ・ジェミョン(47)。勝つことだけを見据えるチャヨンと違い、弱者の心の声に耳を傾け、“弁護士ではなく、すべてを失った人たちが最後に掴める存在=1本の藁”になりたいという、心の優しい魅力的な人物を演じている。
日本では『梨泰院クラス』のイメージが定着!?
見た目は序の口。話し方から纏う空気感まで、徹底的な役作りで、極悪非道な悪人から清廉潔白の正義のヒーローまでこなすマルチプレイヤー。日本でも大ブームを巻き起こした『梨泰院クラス』では、主人公パク・セロイ(パク・ソジュン)の最大の敵として、視聴者を最後の最後までドキドキハラハラさせてくれた。『梨泰院クラス』を観た後に『ヴィンチェンツォ』を鑑賞すると、本当に同一人物が演じているのか疑うほど、自然な演技に圧倒される!
クァク・ドンヨン(チャン・ハンソ)/作品に“コク”が生まれる、コミカルな演技力
ヴィンチェンツォ&チャヨンの敵となる、大企業バベルグループの会長という肩書きを持つチャン・ハンソを演じたのは、クァク・ドンヨン(24)。幼い頃から富と権力を手にし、パワハラ、モラハラ当然といった顔で部下たちを蹴散らすヒール役。そんなハンソがヴィンチェンツォとの出会いを通して、少しずつ変わっていく姿も本作の見どころ。悪党になり切れない心の弱さや、周囲を驚かす間抜けな言動など、繊細な演技に定評のあるドンヨンが演じたからこそ、人間味がグッと増したハンソに注目を。
話題作に続々と出演する次世代スター
ドンヨンのデビュー作品は『棚ぼたのあなた』。その後『雲が描いた月明り』や『サム、マイウェイ〜恋の一発逆転!〜』『私のIDはカンナム美人』など、様々な作品でキーとなる人物を演じている。作品毎に異なる空気感をまとい、視聴者に驚きを届けてくれる期待の若手俳優。ちなみに『サイコだけど大丈夫』では、国会議員の父を持つ精神病患者のクォン・ギド役として特別出演! コミカル&シリアスな難しい役どころを繊細に演じるなど、確かな実力とアイデンティティを兼ね備える注目株。
キム・ヨジン(チェ・ミョンヒ)/出演者たちの“母”として、心の支えに
イム・サンス監督の映画『ディナーの後に(乙女たちの夕食)』でデビューしたキム・ヨジン(48)。出演したドラマは数知れない、お茶の間のスター女優。本作では、バベルグループの顧問法律事務所であるウサンの弁護士、チェ・ミョンヒを演じた。勝つためには躊躇なく人を罵り、嘲笑い、命をも弄ぶ極悪非道さを持ち、ヴィンチェンツォ&チャヨンとクライマックスまで死闘を繰り広げる物語のキーパーソン!
オフショットとは180度違う、恐怖を感じる演技!
作中の張り詰めた空気とは違う、緩やかな雰囲気のオフショットが貴重! ジュンギをはじめ共演者たちがメイキング動画で口を揃えて言うのが、ヨジンに対する感謝の言葉。『ソンべ(先輩)が「好きにやっていい。私が全部カバーするから」と言ってくれたおかげで、伸び伸びと演技することができた』など、まさに『ヴィンチェンツォ』の母的な存在。
チョ・ハンチョル(ハン・スンヒョク)/ヴィンチェンツォと対立するウサンの代表
ウサン法律事務所の代表で、自身の先輩で検事だったミョンヒをウサンに率いれた張本人ハン・スンヒョクを演じたのは、チョ・ハンチョル(47)。作中ではミョンヒ、ハンソク、スンヒョク、ハンソの4人でいるシーンが多く、ヴィンチェンツォとは対立の関係。小心者で流されやすく、悪にも善にも染まれない中途半端なスンヒョクを繊細に演じ、コメディとシリアスの両方を華麗に表現! ちなみに左に写っているのはカサノファミリーの一員でイタリア料理店のオーナーシェフ、トトを演じたキム・ヒョンムク(48)。
出演者とのオフショットをたっぷりインスタグラムに公開
長い間、演劇の世界で活躍していたハンチョルがドラマに出演するようになったのは、約10年前のこと。当時は演劇俳優として活動する傍ら、韓国の大手事務所・SMエンターテインメント所属練習生の演技指導者でもあったハンチョル。SUPER JUNIORデビュー前のシウォンやヒチョルに加え、少女時代(元)のユナ、スヨン、ジェシカも指導していたという驚きの経歴も。ドラマ『100日の郎君様』や『ロマンスは別冊付録』では、演劇の世界で培った演技力を存分に発揮し、一躍有名に。現場では「アドリブの鬼才」と呼ばれている実力派!
ヤン・ギョンウォン(イ・チョルウク)/視聴者がどハマりする要因は“カサノファミリー”にあり!
ヴィンチェンツォがイタリアから渡韓した大きな理由となる、クムガ・プラザ。謎多きクムガ・プラザが舞台となる本作だが、のちに“カサノファミリー”として悪と闘うのも、そのプラザの住人たち。ヤン・ギョンウォン(40)が演じたのは、質屋の店主イ・チョルウク。エピソード19では、レスリング全国チャンピオンであったことが明らかに! ジュンギのインスタグラムに公開されたスペシャルオフショットは『アスダル年代記』ファンにとっても大興奮もの。
主役をより際立たせる独特の演技に魅了!
ギョンウォンと言えば、『愛の不時着』で北朝鮮のエリート将校リ・ジョンヒョク(ヒョンビン)率いる第5中隊のひとり、ピョ・チス役で大ブレイク! チスだけでなく『ハイバイ、ママ!』では怪しい霊媒師役を演じ、存在感溢れるキャラクター作りに注目が集まっている。次回作ではどんな役柄をどのように演じるのか、今から期待大。
ユン・ビョンヒ(ナム・ジュソン)/ヴィンチェンツォ&チャヨンの最高の相棒!
ユチャンの法律事務所“藁”を支えてきた事務長のナム・ジュソンを演じたのは、ユン・ビョンヒ(40)。ヴィンチェンツォ&チャヨンと共に、バベルグループ&ウサン法律事務所に立ち向かうカサノファミリーの一員。そして大のヴィンチェンツォファン! 作中で見せるユニークな表情や、全身を使ったラブコールなど、思わず吹き出すようなコミカルなシーンに必要不可欠な存在。ドラマ『シグナル』をはじめ『ストーブリーグ』『悪の花』など、近年の話題作にも連続で出演中。
イム・チョルス(アン・ギソク)/コンシリエーレを心から尊敬するスパイ
対外安保情報局、イタリア組織犯罪対応チーム長として、ヴィンチェンツォを調査するためにクムガ・プラザに忍び込むアン・ギソクを演じたのは、イム・チョルス(36)。のちにヴィンチェンツォの生き様に感動し、カサノファミリーの一員、そしてヴィンチェンツォ・ファンクラブ会長として悪と闘う重要な役どころ。彼が「コンシリエーレ!」と、ときめきに満ちた声で呼ぶ度に、シリアスなシーンの中に安らぎが生まれるから不思議。ブラックコメディとしての笑いを牽引したのは間違いなくチョルス! 実は『愛の不時着』ではヒロイン、ユン・セリ(ソン・イェジン)の生命保険担当者として出演。今後の活躍が期待される実力派俳優のひとり。
【カサノファミリー】ソ・イェファ(チャン・ヨンジン)/キム・ユネ(ソ・ミリ)/キム・ソルジン(レリー・カン)
全員クムガ・プラザの住民で、カサノファミリーのメンバーという役どころ。写真左から、チョルウクの妻チャン・ヨンジン(のちに重量挙げの全国チャンピオンであることが発覚するシーンにも注目!)を演じたソ・イェファ(32)。 その隣はご存じチョルウク。次にピアノ教室の先生という傍ら、物語の重要なキーを握るソ・ミリにキム・ユネ(29)が抜擢。『18アゲイン』では憎たらしくも愛らしい新人アナウンサー役を熱演。最後にダンス教室を営むレリー・カン(元ストリート・ファイター)を演じたキム・ソルジン(39)。まだ出演作品が少ないものの、独自のオーラを放つソルジンの演技が近年注目されている。
【カサノファミリー】チェ・ドクムン(タク・ホンシク)/リ・ウジン(チョクハ)
写真左はクリーニング屋の店主で、ハサミ裁きを特技とするタク・ホンシクを熱演したチェ・ドクムン(51)。劇団出身の演技派俳優で、数々の作品に出演。中でもドラマ『魔王』では主人公の兄役を演じ、一気に日本での知名度も急上昇! 真ん中はプラザ内の寺院・暖薬寺(ナニャクサ)の住職チョクハを演じたリ・ウジン。演技者として20年以上のキャリアを持ち、舞台『帰ってくる』にて僧侶役に抜擢されて以来、約6年間に及び同役を務めたという驚きのキャリアも! ちなみに後ろで見切れているのもカサノファミリーのメンバー。元組織暴力団のボス、パク・ソクドを演じたキム・ヨンウン(50)。脇を固めた俳優陣たちが豪華すぎるからこそ、数秒たりとも目が離せない作品に。
ついに完走した『ヴィンチェンツォ』! すでにシーズン2を望む声が多数
最終話の配信日にはツイッターのトレンドワードにもランクインするなど、今最も熱い韓国ドラマと称される『ヴィンチェンツォ』。物語は終わったけれど、『ヴィンチェンツォ』旋風はまだまだ続く予感。待望のシーズン2の制作発表のニュースを心待ちにしながら、出演キャスト陣のそれぞれの新たな作品にも注目したい。