2020年に大ヒットとなった『愛の不時着』『梨泰院クラス』に加え、2021年の新たな韓流ドラマ旋風を巻き起こした『ヴィンチェンツォ』など、飛ぶ鳥を落とす勢いで次々と我々の心をガシッと鷲掴みにするKドラマ。主演キャストのパワー、脚本の緻密さ、監督のディレクション能力の高さはもちろんのこと、心にグッと響く名作にこそ欠かせないのが、影で物語を支えるヒーロー(名脇役)たち! 今回はストーリーに深みを生み出す韓流のダンディヒーローたちをご紹介。
『梨泰院クラス』では主人公パク・セロイ(パク・ソジュン 32)の最大の敵として視聴者を最後までハラハラドキドキさせてくれたユ・ジェミョン(48)。『サイコだけど大丈夫』では自閉スペクトラム症を患う主人公の兄という難しい役どころを、自然な演技で見事視聴者を魅入らせたオ・ジョンセ(44)。韓ドラマニアなら必ず知っていると言っても過言ではないほど、出演作は数知れない元祖ダンディヒーロー、イ・スンジェ(86)など、名作に引っ張りだこのダンディヒーローの名前と出演作品をマークしたら、韓国ドラマ&映画をもっと楽しめるはず!
ユ・ジェミョン/2020〜21年で大ヒットを連発!
大学の演劇サークルに所属して以来、演技の世界で生きてきたジェミョン。しかし彼が脚光を浴びたのは40歳でソウルに上京してから! 大人気を博した応答せよシリーズの『恋のスケッチ〜応答せよ1988〜』に出演したことで、一気に注目度がアップ。シン・ウォンホ監督(45)が、舞台で一人二役を演じたジェミョンの姿に感銘を受け、オファーに至ったのだとか。『梨泰院クラス』での名悪役とは打って変わって、『ヴィンチェンツォ』では心清らかな弁護士役を熱演。まさに今、名作韓ドラに欠かせないキーパーソン!
ヤン・ギョンウォン/『愛の不時着』で大ブレイク!
『愛の不時着』で大ブレイクを遂げたヤン・ギョンウォン(40)。北朝鮮のエリート将校リ・ジョンヒョク(ヒョンビン 38)率いる第5中隊の兵士ピョ・チスをコミカルに演じ上げ、物語に欠かせない存在感を漂わせた。さらに『ヴィンチェンツォ』では“カサノファミリー”の一員として、これまたギョンウォン節の効いたユニークなオーラをぷんぷん匂わせ、視聴者を虜に。物語に極上のスパイスを生み出す、唯一無二の俳優として今後もマーク必至!
オ ・ジョンセ/“ジョンセマジック”炸裂の名演技
『椿の花咲く頃』では間抜けな性格ゆえ殺人犯の疑いをかけられるノ・ギュテを演じ、『サイコだけど大丈夫』では自閉スペクトラム症を患う主人公の兄という、どちらも繊細な演技力が問われるような役柄を、自分らしく表現してきたジョンセ。メインキャスト級のオーラを放つ影のダンディヒーロー! さらに第56回百想芸術大賞で最優秀ドラマを受賞した『ストーブリーグ』では、嫌味ったらしく悪質な一面もありながら、心に傷を抱えて悩み苦しむ常務役を繊細に演じ切り、主演ナムグン・ミン(43)とともに物語を牽引する存在に。
ソン・ヒョンジュ/主役も脇役も関係なく、自分のものに
20年以上着実に脇役、助演のキャリアを積み上げてきたヒョンジュ(55)。『梨泰院クラス』では主人公パク・セロイ(ソジュン)の父親役を演じ、その他、ぷっと思わず笑ってしまうような近所のおじさん役から、血も涙もない非道の悪役まで、振り幅のある役どころを華麗に演じ切ることで有名。ヒョンジュのすごいところは、脇役としての調味料的な存在感と、主演としての圧倒的な存在感を使い分けられること! 初主演映画『かくれんぼ』も公開初日から連日大盛況だったため「興業俳優」という呼び名が。
イ・ソンミン/着実にキャリアを積んだ実力派
主人公チャン・グレ(イム・シワン 32)の厳しくも温かい上司役を熱演し、ソンミン(52)が脚光を浴びることとなったのが、ドラマ『ミセン-未生-』。実はその前に『ブレイン』『ゴールデンタイム』といった医師ドラマで見せた演技力にじわじわと注目が集まっていたのちに『ミセン-未生-』が放送開始されたことが、大ブレイクの引き金に。組織暴力団の一員から、心優しい上司、冷徹な医師まで、あらゆるジャンルの作品で実力を発揮。
チョン・ノミン/航空業界から一転して俳優の道へ
長く航空業界に務めたのち俳優の道へと進み、36歳でドラマデビューを果たすといったユニークな経歴を持つノミン(54)。時代劇『善徳女王』での好演を皮切りに、さまざまな作品に出演。悪役のイメージと並行して、『黄金の私の人生』のような心温かい父親役もお手のもの。近年では『梨泰院クラス』『ライブオン』など話題作にもカメオ出演し、さらに日韓ともに大人気のNetflixオリジナルシリーズ『結婚作詞 離婚作曲』にも出演。6月12日(土)よりついに待望のシーズン2が配信開始に!
チョン・ホジン/父親役をマルチにこなす
30年近くフリーランス俳優として活動してきたホジン(60)。2013年に初めて芸能事務所と契約したことは韓国で大きなニュースに。事務所契約なしでさまざまな作品に出演し続ける実力こそ、ホジンの強み。『いとしのソヨン』『黄金の私の人生』など「主人公の父親役といえばホジン」と言われるほど。最新作『一度行ってきました』ではヨンジュ市場繁栄会の会長という面白い役どころ。
オム・ヒョソプ/時代劇、サスペンス、ロマコメまで!
不快感を覚えるほどの悪役から、今にも倒れてしまいそうなボロボロのホームレスの役まで、どんな役でもこなすマルチプレイヤーのヒョソプ(54)。近年出演しているドラマだと、『スタートアップ :夢の扉』では自身の利益のことばかり考える大企業の会長、『九尾狐伝』では主人公を追い詰める怪しい放送局の社長、『偶然見つけたハル』では娘第一の愛が溢れる父親役を熱演。
イ・ソンギュン/声と表情に引き込まれる
日本の第二次韓流ブームを牽引したドラマ『コーヒープリンス1号店』のチェ・ハンソン役が記憶に残っている人も多いはず! ソンギュン(46)といえばもちろん主演クラスの俳優ではあるものの、脇役としての好演も話題。映画『パラサイト 半地下の家族』ではグローバルIT企業のCEOであり、裕福な家庭を築くパク・ドンイクを演じた。ソン・ガンホ(54)演じる“半地下家族”との対立や、その裏側に隠された差別の念など、ドンイクの繊細なキャラクターを見事に引き出したソンギュン。
イ・スンジェ/優しい“ハラボジ”から悪名高い会長まで
「THE・韓国ドラマの顔」と言っても過言ではなく、それほどまでに多くの作品に出演しているスンジェのドラマデビューは、1956年『私も人間になろうとしているか』。時代劇では厳格的な王、ロマコメではお茶目なハラボジ=祖父と、どんな役でも難なくこなす元祖カメレオン俳優。日本でお茶の間のヒーローとして名を轟かせたのは、朝鮮王朝第21代王ヨンジョを演じた『イ・サン』。その演技の幅の広さや、圧倒的な存在感、貫禄から、ソン・スンホン(44)をはじめ多くの韓流スターから、“先生”の愛称で親しまれている。しかも過去には1992年から約4年間に亘り国会議員を務めた驚異の経歴も!
ソン・ドンイル/独自の笑い方、表情の作り方が驚異的!
今まで出演した作品は数知れず。二枚目俳優という立ち位置ではないものの、独特の笑い方、声など、作中で見せるドンイル(57)の存在感には圧倒される。イ・ミンホ(33)主演のドラマ『青い海の伝説』で魅せた悪役っぷりに加え、待望のシーズン2が満を持して6月17日(木)より配信されるNetflixオリジナルシリーズ『賢い医師生活』で魅せた、適当ながら弟思いの優しい兄役など、作品毎にまとうオーラさえ変化させる名俳優。
キム・ヨンミン/ギョンウォンと同じく『愛の不時着』が転機に
ギョンウォンと同じく、『愛の不時着』が俳優人生の新たな転機となったヨンミン(49)。競争率1000倍の中、キム・ギドク監督(享年59)の映画『受取人不明』への出演を勝ち取り、見事俳優デビューを果たしたのは2001年。それから映画にコンスタントに出演しながらも、あまり世界的な知名度は上がらずにいたヨンミン。そんな中『愛の不時着』での北朝鮮の“耳野郎”役が功をなし、翌年には韓国で社会現象を巻き起こした『夫婦の世界』にも出演! 文句ばかり&妻に甘えてばかりの浮気男を演じ、確かな実力を証明。
キム・ジュホン/次なる出演作品の公開が待ち遠しい!
主演パク・ボゴム(27)の兄役として、認知度が上がったドラマ『ボーイフレンド』をはじめ、高視聴率をマークした『浪漫ドクター キム・サブ2』では、主演ハン・ソッキュ(56)と対立する外科医を演じたことで、一気に世間から視線を注がれるようになったジュホン(41)。出演作品はまだ少ないものの、その魅惑的な容姿に加え、演技力の高さも相まって、近年『サイコだけど大丈夫』『スタートアップ: 夢の扉』『ドドソソララソ』など話題作に引っ張りだこ!
キム・ビョンチョル/『SKYキャッスル』の教育パパ演技が話題に
現在『ヴィンチェンツォ』が世界的な大ヒットとなり、俳優人生において第2のブレイクを迎えているソン・ジュンギ(35)の、第1のブレイク作品となった『太陽の末裔 Love Under The Sun』にて、ジュンギ演じるユ・シジンの上官役だったのがビョンチョル(47)! クールな上官役で一気に注目され、その後『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』『SKYキャッスル〜上流階級の妻たち〜』『シーシュポス: The Myth』など、出演作品がすべて大ヒットしている驚異的な経歴の持ち主。
ユン・ビョンヒ/画面越しでも伝わる“アク”の強さ
『賢い医師生活』では妻の出産時に歓喜のあまり歌い出すようなお茶目なキャラ、『ストーブリーグ』では才能の原石を見つけ出す熱いスカウトマン、そして『ヴィンチェンツォ』ではカサノファミリーにして主演ジュンギ(ヴィンチェンツォ)の相棒でもある事務長を熱演! 全身の動きに顔芸を交えたコミカルな演技において、ビョンヒ(40)の右に出る者はなし!?
チェ・ヨンジュン/歌手から俳優へ転身
韓国でアイドル全盛期となる前の2000年代前半、R&Bの音楽を引っ提げて活動していた7Daysのメンバーだったヨンジュン。惜しくもグループは解散してしまったものの、その後は歌手活動を辞め、ミュージカル俳優に転身。『賢い医師生活』では主演5人を見守る同期役として親しまれ、2021年上半期を代表する韓国ドラマ『ヴィンチェンツォ』では、クムガ・プラザのオーナーというキーパーソンを演じ、俳優としても再ブレイク!
チョ・ハンチョル/アドリブの鬼才らしい名演技が炸裂
ヨンジュンと同様に『ヴィンチェンツォ』への出演によって日本での注目度が急上昇しているのが、演劇の世界で長く活躍していたハンチョル(48)。過去に韓国の大手事務所・SMエンターテインメント所属練習生の演技指導者として、SUPER JUNIORデビュー前のシウォンやヒチョルに加え、少女時代(元)のユナ、スヨン、ジェシカも指導していたという驚きの経歴もあり、韓国ではかなり有名な俳優。演劇界出身故の実力で“アドリブの鬼才”と呼ばれているハンチョルは、『100日の郎君様』や『ロマンスは別冊付録』など人気作品に続々と出演中!
チェ・ウォニョン/10年の下積みを経てブレイクへ
無名の俳優時代を10年過ごし、なかなか日の目を見る場所へいくチャンスがなかったウォニョン(45)の転機となった作品こそ、2013年に放送されたドラマ『百年の遺産』。マザコン、DVと視聴者から反感を買いそうなダメ男=主人公の元旦那役を演じたことで、俳優としての確かな実力を証明! ちなみに作中で再婚相手を演じていたシム・イヨン(41)こそ、ウォニョンの実生活での奥さん。近年では父親役も多く、『SKYキャッスル〜上流階級の妻たち〜』や『サンガプ屋台』での演技も好評。
チョン・ジュノ/新作『女神降臨』ではチャウヌの父役に
時代劇『オクニョ 運命の女』のヒール役で一気にお茶の間俳優の地位を獲得したジュノ(51)。それ以降コンスタントに作品に出演しており、近年の代表作といえば、やはり社会現象を巻き起こしたドラマ『SKYキャッスル〜上流階級の妻たち〜』! 主人公ハン・ソジン(写真右)の夫役で、生まれた頃からエリート街道を歩んだソウル大出身の医師カン・ジュンサンを演じた。娘役のキム・へユン(写真左奥)とイ・ジウォン(写真右奥)とのファミリーショットにドラマファンも歓喜。
キム・グァンギュ/ドラマ、映画に加え、バラエティでも大人気!
あまりにも多くの作品に出演しているからこそ忘れがちだけれど、実は俳優を目指したのは30歳という遅咲きのグァンギュ(53)。さまざまな職種を経験したのち、演劇を学ぶために30歳で大学へ入学。1999年に映画『ドクター』で俳優デビューを果たし、まるでコメディアンかのようなユニークな演技の虜になる人が続出! 『宮』『トキメキ☆成均館スキャンダル』をはじめ、日本の韓流ブームを牽引したドラマに多く出演。
アン・ギルガン/極悪人から、妻の尻に敷かれる夫まで
アルバイトをしながら10年にも及ぶ長い下積み期間を経て、現在韓流ドラマの顔として活躍しているギルガン(54)。2009年に放送されたドラマ『善徳女王』の護衛役としての演技が評価され、強面の雰囲気もさることながら、その後『明日もカンタービレ』や『恋のゴールドメダル〜僕が恋したキム・ボクジュ〜』で、子を溺愛するアッパ(父)役を熱演し、演技がどハマり。2020年は『九尾狐伝』にて、閻魔大王の妹で三途の川の番人であるタルウィパの夫役に抜擢! 恐ろしい嫁の尻に敷かれながら、ドラマを観るのが何より好きな優しい役柄に癒される。
イ・ウォンジョン/その眼力で、人の心を射抜く
物語を盛り上げるのに欠かせない重要な役どころが悪役。ウォンジョン(55)といえば、やはりそんなヒール役のイメージが強い俳優のひとり。時代劇『奇皇后〜ふたつの愛 涙の誓い』での名演技から一気に注目され、暴力団、海賊、誘拐犯など、ヒール役としての存在感をあらわにしてきた。その強面イメージと同時に、視聴者を笑いに誘うコミカルな演技もウォンジョンの得意分野! マルチな魅力で数々の韓国ドラマの人気に貢献している影のダンディヒーロー。最新作『L.U.C.A.:The Beginning』では医療廃棄物回収業者として出演!
ハン・ジニ/韓ドラの社長、会長役といったらこの人!
これまで多くの作品で社長、院長、会長役をこなしてきたジニ(72)。こういった役柄のオファーが多い理由は、気品あふれる顔立ちと佇まいにあり! ある作品では主人公の厳格な父親兼大企業の社長、またある作品では優しさが滲み出る会長役と、演技力に定評のあるダンディヒーローのひとり。最近ではボゴム入隊前最後の主演ドラマ『青春の記録』にて、サ・ヘジュン(ボゴム)を全力で応援するシニアモデルの祖父役として、視聴者に癒しの時間を与えてくれた。