[vol.76] この腹の肉さえなかったら、シャツをインにして着れるのに!ヤングセレブの腹筋が、まぶしい!

春本番となり服装は軽くなるのに、体は重いままのわたくし。ファッションは自由とはいえ、昔と違ってここだけは露出したくないというパーツが増えていく。二の腕やひざや背中は、できるだけさりげなく。だが、絶対に出せないのは、お腹。この憎きポヨンポヨンは油断していると止めどなく増えていく。腹の肉さえなかったら、シャツでもなんでもボトムにインして着れるのに!と何度思ったことだろう。

若手のセレブモデルの写真を見ていると、冬でもお腹を出した着こなしをしていて、いや〜鍛えている人は違うねぇ、と感心してしまう。ケンダル・ジェンナー、ヘイリー・ボールドウィン、ジジ&ベラのハディッド姉妹。腹出しファッションの売れっ子たちだ。彼女たちが痩せているのに健康的に見えるのは、単に細いだけではなくてちゃんと腹筋が付いているからだ。脚だってそう。昔のモデルと違って、彼女たちはジムに通って筋力を付ける。いわばジムで健康的な体作りをするのは、プロのモデルとして仕事の一環なのだ。彼女たちはきれいな腹筋を見せたいと思うだろうし、またそのプロの仕上がりぶりを見せることで、セレブモデルであることを証明しているともいえるのだ。

それにしても、いくらおなかがペタンコだとしても、腹出しのファッションをするセレブはやはり若手に限られている。ジゼルやミランダ・カーが、ニットを着ても腹出しでデニムをコーディネートするケンダル・ジェンナーのような着こなしをするとは思えない。腹出しは、若さの特権。胸を露出するよりも難度が高いし勇気がいる。中年になると水着はビキニではなくてワンピースになるのもうなずける。ヤングセレブの素敵な腹筋を見ながら、オサレではなくておなかが冷えるからシャツをインにしてパンツを履いている自分。春うららである。

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イラストレーター&エッセイスト 石川三千花

映画、ファッションを独自の視点からイラスト+エッセイで斬る!著書に『石川三千花の勝手にシネマ』、『勝手にオスカー』など。

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