2025.03.29

【レネー・ゼルウィガー】24年目のブリジット・ジョーンズ! 「消えた」休業、「別人化」整形説を経て、共感できるヒロインとして届ける希望

「一番共感できるヒロイン」。今世紀、その栄誉を守り続けてきているキャラクターこそ、ブリジット・ジョーンズだ。恋人探しや減量に奮闘するロンドンの30代として始まった映画版は、今や四半世紀もつづく長寿シリーズとなっている。新作の『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』(2025年4月11日公開)は、映画評論サイト「Rotten Tomatoes」で89スコアを記録する高評価を達成してみせた。

「一番共感できるヒロイン」。今世紀、その栄誉を守り続けてきているキャラクターこそ、ブリジット・ジョーンズだ。恋人探しや減量に奮闘するロンドンの30代として始まった映画版は、今や四半世紀もつづく長寿シリーズとなっている。新作の『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』(2025年4月11日公開)は、映画評論サイト「Rotten Tomatoes」で89スコアを記録する高評価を達成してみせた。

英国アイコンになったアメリカ人

【レネー・ゼルウィガー】24年目のブリジの画像_1
February 09, 2025 in Sydney photo:Getty Images

イギリスを代表するヒロインの演じ手が、アメリカ人と知って驚く人も多い。レネー・キャスリーン・ゼルウィガーは、1969年、テキサス州生まれ。ジャーナリスト志望であったが、大学で演劇を体験すると、文学専攻に切り替えるほど夢中になったという。在学中に父親が失職したため、金銭的な苦労もしながら俳優業に進んだ。

ブレイクを果たしたのは『ザ・エージェント』(1996年)でのトム・クルーズの相手役。世紀末には、運命の役、つまり『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001年)の主人公に採用された。しかし、このキャスティングは、大騒動を巻き起こした。

ブリジット・ジョーンズは、英新聞に掲載された歯に衣着せぬ架空の日記調コラムとして始まったキャラクター。母国では映画の公開前から大人気になっていたため、イギリスを代表するキャラクターをアメリカ人が演じるとは何たることか、と怒りを買ったわけだ。さらに、体重約60キロの設定に対し、当時のレネーは細身だった。

反発を受けたレネーは、まるで報道記者かのように役作りを徹底した。英国発音の特訓や約9キロの増量のみならず、役柄と同じ出版社での勤務を積んでいったのだ。古典的三角関係をとりいれた映画版が公開されるやいなや、当時としては珍しい細身すぎないヒロインとして世界中から共感を集めていき、アカデミー賞ノミネートにまで届いた。

批評家から「ちょっとした奇跡」と評されたこのエピソードにあるように、俳優としてのレネーは実直な役作りで知られている。アカデミー賞作品賞に輝いた主演ミュージカル『シカゴ』(2002年)の頃には、負担を減らすため、周囲の人々を遠ざけて役に没入するスタイルをとっていたほどだ。

「消えた」休業と「別人」整形疑惑

【レネー・ゼルウィガー】24年目のブリジの画像_3
October 20, 2014 in Beverly Hills Photo;Getty Images

米南部気質のレネー自身は、オスカーを獲得した『コールドマウンテン』(2003年)での気骨ある働き者、ルビーに似ているという。しかし、世間のほうは、やはりブリジットと重ねることが多かった。キュートなファッションでも人気があったし、自他ともに認める恋多き女性としてジョージ・クルーニーや音楽スターとも浮名を流していた。

すべてを手に入れたように見えたレネーが、姿を消したのは40代になった2010年ごろ。その後、ほぼ4年、ひと目から遠ざかった。

のちのち明かされた休業理由は、レネーらしいものだった。トップ俳優として「家なし」状態で世界をまわる激務生活は不健康で、心身に限界が来たしていたのだという。役づくりのリサーチでしか成長や学習の機会がなかったことも大きかったようだ。休業中には、農場で保護犬たちとおだやかな生活を過ごしたのち、大学に入りなおして国際法や脚本を学んでいたという。

過酷な目にも遭った。2014年、授与式で久々に姿をおひろめした際「顔が違う」と話題になり、美容整形疑惑が浮上。評論家が「個性をなくす整形によって(レネーが)映画ファンからブリジット・ジョーンズを奪った」と批判するほどのバッシングにふくれあがっていった。当人の成果であるはずの愛されし役が、攻撃の手段に使われていったのだ。容赦ないバッシングに対して本人が反論をしたこともあったが、ほとんど無駄だった。

コントロール不可能な世評を無視することを学んだレネーは、50代になった現在もSNSをやっておらず、出演作のレビューや興行収入すら見ていないという。その理由は、なんとも彼女らしい。「エネルギーを無駄にしないため」。

ブリジット・ジョーンズが永遠の理由

【レネー・ゼルウィガー】24年目のブリジの画像_4
January 29, 2025 in London pohoto:Getty Images

復帰後には、実直な名優でありつづけていることを再証明した。ある種、現代の英国ヒロインよりもプレッシャーが多い人物を演じたのだ。キャリア復活と讃えられた『ジュディ 虹の彼方に』(2019年)で演じたのは、ハリウッドの伝説、ジュディ・ガーランド。ステージ恐怖症や不眠症に苛まれた晩年を見事に演じ、二度目のオスカーに輝いた。

映画『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』 4月11日(金)全国ロードショー!

ライフワークの『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズも続けた。三作目でコリン・ファース演じる相手役マークの死を知ったときは号泣したという。このたびの四作目『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』では、シングルマザーとして、年下男子と教師との関係が描かれる。

ブリジット・ジョーンズは、今でも共感できるヒロインとして君臨している。約25年前にはじまったシリーズにもかかわらず、Z世代のファンも珍しくないのだという。これについて、レネーや共演者のヒュー・グラントは、SNSによって女性が抱える容姿関連のプレッシャーが増したためだと考えている。ブリジットは(現実には標準体重ながら)「ぽっちゃり」体型とされながらも、明るさを失わずに突き進むヒロインだ。

「世界がどんなに変わろうと、私たち女性たちは、自分磨きについて不安を抱えていて、失敗に思い悩み、自問自答を重ねている」。人生の役とともに容姿を否定される苦労も重ねたレネー・ゼルウィガーだからこそ、言えることがある。「ブリジット・ジョーンズというキャラクターは、完璧じゃなくても大丈夫だって教えてくれる存在なのよ」。

辰己JUNKプロフィール画像
辰己JUNK

セレブリティや音楽、映画、ドラマなど、アメリカのポップカルチャー情報をメディアに多数寄稿。著書に『アメリカン・セレブリティーズ』(スモール出版)

記事一覧を見る

FEATURE
HELLO...!