前編・中編と続いたパリコレ速報、最終回となる後編。「クロエ」を手掛けていたクレア・ワイト・ケラーがクリエイティブ・ディレクターとなり初のコレクションとなったジバンシィ。メンズ・レディスを同時に発表した。アーカイブスから着想を得たルックの中に、稲妻風のモチーフなどロックなムードが見え隠れ。
バレンシアガのランウェイで披露されたのは、ソールが10cm以上はあろうかと思われる、厚底のクロックス。今季のイット・アクセサリーになりそうだ。バッグで「これ欲しい」の声が多く上がったのは、ミュウミュウのカゴバッグ。ミウッチャならではの自由なパターンミックスと、スポーティなソックス使いもスタイリングの参考にしたい。
チリ人建築家、スミルハン・ラディックが手掛けたテントのような会場でショーをおこなったセリーヌ。70年代~80年代のパリのブルジョアの女性らしいムードに、アウトドアテイストをトッピング。ジャケット&プリーツスカートのルックは、スタイリングでアップデート。ヴァレンティノでも随所に見られたのがスポーツを思わせるディテール。アウトドアジャケットやボディバッグを、美しいパステルカラーのバリエーションで披露。アフリカンプリントやヴィヴィッドカラーを使用したステラ マッカートニーや、明るい色のチェックが目を引いたエルメスなど、軽やかでアクティブなムードは、今シーズン見逃せないものとなりそう。
毎シーズン、見るものをあっと言わせるシャネルのショー。今回、グランパレに設置されたのはなんと大きな「滝」! 水音が響くなか、ランウェイを歩くモデルの足元はすべてPVC素材のブーツ。ハットやケープもスタイリングのポイントに。あっと言わせると言えば、今回はじめてNYからパリに発表の場を移したトム ブラウンも、まさに「トム ブラウン劇場」と言いたくなるドラマティックな仕立て。ベッドで寝ている少女たちの夢の世界を、ランウェイで紡いでみせた。
コレクション最終日、ルイ・ヴィトンがショー会場に選んだのは前シーズンに続き、ルーブル美術館。18世紀の貴族の豪華絢爛なコスチュームと、現代的なアスレチックウェアをミックス。まさに、過去と未来が行きかう場所にふさわしいショーとなった。
EDITOR'S MEMO
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NYで開催されていたころから毎回楽しみにしていたトム ブラウンのショー。今回はパリ市庁舎というロケーションも相まって、まるで舞台を見に来たような気持ちに。ラストには大きなユニコーンも登場しました。
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ヴァレンティノでPVCのジャケットやバッグを見て「むむ!?」となっているところに、シャネルのショーでクリアブーツを歩いて闊歩しているモデルを見て「スケスケ、これは流行るな!!」と確信。ヴァレンティノ(写真)やシャネルのクリアバッグは個人的ウィッシュリスト入り。(中をキレイに保てるかどうかが心配ですが・・・)