コレクション取材中のSPURエディターから、NYレポート第3弾が到着。兼ねてからコマーシャルだと揶揄されてきたNYファッションウィークだが、今季はラフ・シモンズによるカルバンクライン205W39NYCや、マーク ジェイコブスなどスターデザイナーたちのショーが話題を席巻。今、NYがまた面白いことになっている。
アナ スイの秋冬ショー。タイトルは「Beloved」。デザイナー自身が愛してやまないものがテーマに。熱心にスクラップしていた雑誌のファッションやイラストレーションの要素を華麗にウェアに落とし込みました。まさにアナ スイと聞いて思い浮かべる色やノスタルジックな柄使いなど、世界観を存分に発揮。キャッチーなモチーフもいたるところに! 精緻なエンブロイダリーなど細部まで凝った装飾にも、うっとりしました。
カルバンクライン205W39NYCのショー会場一面にはポップコーンがびっしりと敷き詰められていました。剥き出しのエアダクトやインダストリアルな素材感、アンディ・ウォーホルの作品が大胆に配された納屋があったりとどこかアンダーコンストラクションな会場設計も印象的。チーフ・クリエイティブ・オフィサーのラフ・シモンズが考えるアメリカをより掘り下げた今季。オーバーサイズのジャケットからイノセントなドレス、ファイヤーマンジャケットまで、さまざまな要素がコラージュされていました。
スチュアート・ヴィヴァースによるコーチ 1941は、深い森を彷徨うような神秘的なランウェイでした。薔薇が全面に配された透け感あるドレスが登場。ラッフルのヘムラインなど、細部まで凝ったつくりに。レザーやムートンのジャケットは、リアルに着こなせそう。大小さまざまなバリエーションで披露されたバッグの二個持ちスタイリングもトレンド入りしそうな予感です!フィナーレでは、木々の間からスモークも立ち上り、大円団を迎えました。
マイケルコースの秋冬コレクション。チェックや花柄、色を自由にミックスしたスタイルは、ファッションって楽しい!というプレイフルなムードが感じられました。花柄プリントのようにみえるワンピースも、丁寧にスパンコールが刺しゅうされています。その足もとにはコンバットブーツが選ばれていて、自由なスタイリングの妙が効いてます。色鮮やかなエコファーもアイキャッチ。彼が子供の頃に好きで集めていたというショッパーバッグからインスパイアされたレザーバッグも要注目です!モデルもニューフェイスからベテランまで、人種や年齢もさまざま。会場にはYoung Juvenile Youthのゆう姫さんの姿も!
ニューヨークコレクションを締めくくる最後のショーは、圧巻のマーク ジェイコブス。ゴシックな世界観で披露されました。大胆な“いかり肩”のコートに、美しく身体に沿ってシェイプするドレス、そしてつばの広いハットと花のように首回りを覆うデザインが目を引きました。色や素材の組み合わせも力強い。