【HC 20SS】ダークロマンスとオリエンタリズム、ヴァレンティノの絢爛なクチュール

ピエールパオロ・ピッチョーリによるヴァレンティノのオートクチュール コレクションがパリにて発表された。今シーズンも会場はオテル・サロモン・ド・ロスチルド。

ファーストルックで登場したのはステラ・テナント。膝下から大胆なフレアシルエットを描くブラックのドレスには、対照的に透け感のあるピンクのオーガンザを合わせコントラストを演出している。

Photo above by iMAXTREE/AFLO
Photo above by iMAXTREE/AFLO


コレクション全体を通して用いられるのは、ブラック、レッド、ピンクといったヴァレンティノを象徴するカラーパレット。それら加え、今回のコレクションでは柔らかなパステルカラーと、力強いブライトカラーを組み合わせているのも特徴だ。

ディテールに目をやると気づくのが、随所に鏤められたオリエンタルモチーフ。金魚のモチーフをシルククレープのインターシャで表現したルックや、中国の宮廷衣装を想起させるケープシルエットのレッドドレスなど、シノワズリに通じるエレメントが、絢爛なコレクションの中に、どこかミニマルな印象を与えた。

フィナーレで、モデルのアドュット・アケチがまとったのは、ピンクのオーストリッチフェザーをたっぷりと顔まわりにあしらったソワレ。今回のショーでBGMに用いられた、イギリス人アーティストのアノーニのメランコリックな歌声に合わせてゆったりと歩く様は、浮世離れしたダークロマンスの世界の住人のようだ。

photos and text:Shunsuke Okabe

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