9月30日(火) 19:00(日本時間)、ルイ·ヴィトンは、ウィメンズ アーティスティック·ディレクター ニコラ·ジェスキエールによる2026年春夏ウィメンズ·コレクションを発表した。テーマは“アール・ドゥ・ヴィーヴル(暮らしの美学)”。インティマシー(親密さ)、そしてプライベートな領域における自由を讃えるコレクションが披露された。
登場したのは、ファッションの自由とスタイルの解放を体現するルックの数々。室内着やプライベートウェアに求められてきた原則や機能性を再考し、衣服が持つ親密な時間と空間を新たにデザインしてみせた。自分自身のために服をまとい、本来の個性を表現すること。それこそが究極のラグジュアリーであるという、ニコラ・ジェスキエールのメッセージがコレクション全体に響き渡っていた。
舞台となったのは、かつて、フランス王妃アンヌ・ドートリッシュの夏の住居であったルーヴル美術館。建築家ルイ・ル・ヴォーによる、17世紀フランス古典主義建築の傑作として知られるこの居室は、近年の修復を経て本来の壮麗さを取り戻し、40年ぶりに公開された。玄関ホールや小さなサロン、バスルームや、図書室、舞踏室など7つの空間は“人生のひととき”を演出し、ランウェイはまるで自身のアパルトマンを巡る旅を映し出しているようにも見える。どこへ旅しても自分のあり方を守り続けるという、メゾンの旅の信念を表現した。
自然光に照らされたこの建築空間のコーディネートを手掛けたのは、舞台美術家でありデザイナーでもあるマリー=アンヌ・デルヴィール。アーティストのロバート・ウィルソンによる作品や、18世紀の家具職人ジョルジュ・ジャコブの家具、1930年代のミシェル・デュフェが手掛けたアールデコ調の椅子、19世紀の陶芸家ピエール=アドリアン・ダルペラによる彫刻、そして彼女自身がデザインした家具など、さまざまな時代の家具や作品を集めて、モダンなアパルトマンを完成させた。
タンギー・デスタブルによる楽曲には、トーキング・ヘッズ「This Must Be the Place」の歌詞が引用され、ケイト・ブランシェットの朗読が重なるパートも。“家(home)”をテーマにした歌詞は、コレクションのコンセプトとも深く結びついていた。
会場にはアンバサダーのリサ(BLACKPINK)、フィリックス(Stray Kids)、ゼンデイヤの他、日本からは穂志もえか、向里祐香など豪華ゲストが来場し、最新のコレクションを鑑賞した。