【タダモノじゃない彼 vol.6】渡邊圭祐 × グランジシック

視線を奪われて、目が離せなくなってしまう。注目の才能×モードの化学反応を楽しむ当連載。デビュー4年目で数々の話題作に出演する人気者の熱いグランジ愛と、情熱的で骨太な素顔に迫った。

グランジスタイルに必要不可欠なモヘアカーディガン。内にシックなジャケットとシャツを仕込み、モダンな佇まいに昇華した。
カーディガン¥178,200・ジャケット¥209,000・シャツ¥74,800・中に着た花柄シャツ¥161,700/マルニ ジャパン クライアントサービス(マルニ)

情熱と覚悟を秘め、新たなステージへ

中学1年のときにニルヴァーナに出会い、ポスターを部屋に貼るほど好きだったと言う渡邊圭祐は、鮮やかなマルニのモヘアをまとった撮影の後「こう見えて実は割とテンションが上がっていました」と心地のいい低音ボイスで淡々と語った。

「カート・コバーンの影響で『モヘアいいじゃん』と思ったのが20歳の頃。今日もあえて死ぬほどボロボロのデニムをはいてきたくらいグランジに惹かれるので、ジャケットにモヘアを合わせるスタイリングは尖っていて新鮮でした」

現在放送中のドラマ「やんごとなき一族」では、土屋太鳳演じるヒロインが嫁ぐことになる名家・深山家のやんちゃな三男である大介役を演じている。

「僕自身も姉と兄がいる三男。年上の人や女性と話すことは得意だけど、後輩とどういう温度感で接すればいいかわからない生粋の末っ子気質なので、兄を演じる尾上松也さんも松下洸平さんも年上で安心しました。大介は一見チャラいけど、それはなぜなのか……。最終話までにしっかり伝えられたらなと思っています」

2部作連続で公開される映画『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー/最後の錬成』では、リン・ヤオ/グリードの二役に挑戦。「相当気合を入れて臨んだ作品だった」と、体温低めな佇まいからは意外なほど、熱い言葉を口にした。

「好きな漫画トップ10に入るくらい学生時代から読んでいた原作だったし、リンとグリードが一体化したグリリンがすごく好きだったんです。乱暴なようで実はやさしい、そのギャップが素敵だなって。もちろん監督からも演出指導を受けましたけど、ただの操り人形になってしまうと面白くない。どうすれば二役のギャップとよさを引き出せるのか、自分で考えながら演じるのは楽しかったです」

デビューして4年。これまでを「運がよかった」と語る彼は今、転換期にいる。
「昨年末に舞台を経験したことで、セリフへの理解や熱の込め方が深まった気がするんです。これまでは作品に乗って流れに身を任せてきたけれど、これからはプロ意識と覚悟を持って、作品をしっかり支えられる存在になっていきたいです」

Profile
わたなべ けいすけ●1993年生まれ、宮城県出身。主な出演作はドラマ「仮面ライダージオウ」「恋はつづくよどこまでも」「推しの王子様」。現在「やんごとなき一族」に出演中。映画『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー/最後の錬成』は5月20日&6月24日公開。

SOURCE:SPUR 2022年6月号「タダモノじゃない彼」
photography: Keita Goto 〈W〉 styling: Nobuyuki Ida hair & make-up: Manami Kiuchi 〈Otie〉 interview & text: Kozue Matsuyama

FEATURE
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