「甘or辛地獄」で止められない! “ドロドロ”“ほのぼの”傑作韓国ドラマ8選

今回韓国ドラマ ナビゲーターがセレクトしたのは、「甘or辛地獄」の沼に落ちる韓ドラ8選。胃炎を起こしそうな絶望的な展開ばかりなのに、続きが気になって仕方がない注目のドロドロ作品(代表例『ペントハウス』)と、そんなモヤモヤした気持ちを解きほぐし、きゅんと優しく包み込むようなほのぼの作品(代表例『ナビレラ-それでも蝶は舞う-』)を、それぞれ4作品ずつピックアップ! 

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Netflixオリジナルシリーズ『ナビレラ -それでも蝶は舞う-』独占配信中

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ⓒ JTBC studios & Jcontentree corp All rights reserved Based upon the original series “Doctor Foster” produced by Drama Republic for the BBC, distributed by BBC Worldwide
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『ペントハウス(原題)』CSチャンネル・KNTVで5/2(日)アンコール放送スタート 毎週日14:00~16:30(2話連続)©SBS 全21話

放送当時、とあるシーンが過激すぎると韓国で一時期問題になっていたものの、社会現象を巻き起こすほどの驚異的な人気ですでにシーズン3の放送も決定している『ペントハウス』や、圧巻の演技力で物語を牽引したキム・ヒエ主演の『夫婦の世界』など、感情がジェットコースターのように揺れ動く刺激的な作品を観ると、まるで激辛料理を食したあとのような胃もたれを感じることも? そんな時にはやっぱり心温まる良作や、思わずニヤけてしまうような甘いもの=ロマンス作品『彼女の私生活』などを観て、心を落ち着かせるのも手!  エンドレス視聴必至のドロドロ×ほのぼの作品をお家時間の相棒に。

【韓国ドラマ ナビゲーター】
さすらいのライター 山崎敦子

『最高の愛 〜恋はドゥグンドゥグン〜』より韓国ドラマに魅せられ、日々最新ドラマをリサーチするさすらいのライター。さまざまなジャンルを渡り歩き、今では美容記事に携わること多し。サバイバルオーディションも大好物で、今の推しはENHYPEN。俳優推しは絞りきれないほど多数。エクラwebでも韓流連載執筆中。

韓ドラ追っかけ班/エディターK
母の影響により第1次韓流ブームの火付け役となった『冬のソナタ』から韓国ドラマの世界にどっぷり浸かり、気付けば韓流ドラマ歴18年。アイドル、コスメ、ファッションなど韓国まわりの情報に敏感。WANNABLE(永久不滅)、CARAT、ONCEを掛け持ち中。永遠の推しは俳優ソン・ジュンギ。若手女優&俳優の発掘が趣味の領域に。

【ドロドロ4選】ペントハウス/待望のシーズン2がKNTVで6月から日本初放送!

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『ペントハウス(原題)』CSチャンネル・KNTVで5/2(日)アンコール放送スタート 毎週日14:00~16:30(2話連続)©SBS 全21話 『ペントハウス2(原題)』が6/19(土)より日本初放送スタート! 毎週土20:00~22:30(2話連続)©SBS 全13話

格差社会、教育論争、いじめ問題……。1話から度肝を抜かれる本作の舞台となるのは、ソウルの高級住宅地にある100階建てのタワーマンション“ペントハウス”。華やかな社交パーティ中に一人の少女が転落死したことが引き金となり、ペントハウス内にはびこる人間の醜悪さが浮き彫りになっていきます。 

私益のためなら何でもする自分本位の悪魔たちの思考、言動に、何度行き場のない怒り&悲しみを胸に抱いたことか……。TVに向かって本気で叫んだほどです。物語のキーとなるのはヘラパレスのクイーンことスリョン(イ・ジア)、人を貶めることで超一流のプリマドンナとなったソジン(キム・ソヨン)、声楽界の天才と謳われるはずだったユニ(ユジン)、そしてスリョンの夫ダンテ(オム・ギジュン)。本ドラマでよく「당신은 인간이 아니다(タンシヌン インガニ アニダ=あなたは人間じゃない)」という言葉が飛び交いますが、まさにダンテとソジンの行動は見るに耐えないレベル。その子供たちの卑劣な言動にも目を覆いたくなります。ここに『ヴィンチェンツォ』がいたらと思ってしまう絶望の展開ばかり。胃もたれする感覚を覚えながらそれでも続きを求めるのは、やっぱり悪が処断される瞬間が一刻も早く見たいから!! ただし、1話を観たらもう後戻りはできないので、ある種覚悟が必要。今までに見たことのない愛憎劇が繰り広げられているため、万全の精神状態で挑むことをお勧めします。(エディターK)

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『ペントハウス(原題)』CSチャンネル・KNTVで5/2(日)アンコール放送スタート 毎週日14:00~16:30(2話連続)©SBS 全21話 『ペントハウス2(原題)』が6/19(土)より日本初放送スタート! 毎週土20:00~22:30(2話連続)©SBS 全13話

夫婦の世界/ドロドロ部門でぶっちぎりの1位!?

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ⓒ JTBC studios & Jcontentree corp All rights reserved Based upon the original series “Doctor Foster” produced by Drama Republic for the BBC, distributed by BBC Worldwide

ドロドロ最高峰といえば、これ。原作はイギリスの人気ドラマ。だからというわけでもないのでしょうが、アジア育ちの私の感性とはまた違った倫理なき情念の目白押しで、理解を遥かに超えた驚きの展開が次々と押し寄せてくるとでも申しましょうか。主人公のチ・ソヌ(キム・ヒエ=不倫ものといえばこの人!)は、苦労して女医となり、優しい夫とかわいい息子に恵まれた完璧な人生(ソヌ基準による)を送っています。ところがです。その夫が自分より遥かに若い女と不倫。しかも自分の知らないところで友人たちが夫&不倫相手と仲良くやっていたという…。

さらにさらに、映画監督の夫は、ソヌの経済的援助なくしてはなにもできない! ほら、この時点で私的には怒り爆発。もちろん、そこから妻の壮絶なる復讐が始まるのですが、ゲス夫の卑劣な反撃がこれまた凄まじく、ソヌも観ている私もぜいぜいと満身創痍。なのに、きっぱりできない夫婦の関係……マジか! 油っこい(しかも酸化している)揚げ物を食べ過ぎたような臓腑がキリキリと傷んでくる重圧感。観るほどに夫はもちろん、ソヌさえも大っ嫌いになるヘビー過ぎるインパクト。キャラも展開も嫌い過ぎて、だからこそ次を観ずにはいられない。アカデミー賞にドロドロ部門があれば、大賞間違いなし。(さすらいのライター山崎)

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ⓒ JTBC studios & Jcontentree corp All rights reserved Based upon the original series “Doctor Foster” produced by Drama Republic for the BBC, distributed by BBC Worldwide

SKYキャッスル〜上流階級の妻たち〜/押し潰されるほどの重圧、孤独、虚無感

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『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』© Jcontentree corp & JTBC Content Hub Co., Ltd. all rights reserved. U-NEXTにて配信中!

数年前にとあるK-POPアイドルグループの取材をしていたら、皆が口を揃えて「『SKYキャッスル』にハマってる!!」と言っていたのがかなり印象的でした。が、まさかここまで自分ものめり込んでしまうとは。※連日朝まで視聴し、3日でコンプリート。

舞台は、富・名誉・権力を手にし、わずか0.1%の富裕層の人々しか住むことができない高級住宅街“SKYキャッスル”。本作の大きなテーマは「受験戦争」「学生たちを蝕む学歴社会」の闇。韓国の友人によると、ここがかな〜りリアルに描かれているとのこと。ちなみにSKYは韓国最難関大学の頭文字。上流階級であればこの3大でなければ認めないという背筋がゾッとするような風潮が蔓延っています。娘イェソをソウル大に入学させることを目的に生きるソジンは、VVIPの顧客のみぞ知る“入試コーディネーター(略してコーデ)”の説明会の招待状をなんとか入手。「コーデ=家庭教師」なんて生温い考えで観ていた私は次の瞬間、バッドで殴られたような感覚に陥りました。なんとコーデを付けるのにも試験、試験、試験! お家柄、夫婦関係、子供の勉強環境などをくまなくチェックされるという恐怖。さらに本作の闇はこのにこりともしない怪奇的な“コーデ”が中心に……。想像の斜め上をいく展開や、キャストたちの怪演っぷり、次世代スターの大渋滞と、韓ドラマニアとして太鼓判(勝手に)を押す名作です。(エディターK)

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『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』© Jcontentree corp & JTBC Content Hub Co., Ltd. all rights reserved. U-NEXTにて配信中!

結婚作詞 離婚作曲/“夫婦の日常”がサスペンスよりも恐怖!?

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Netflixオリジナルシリーズ『結婚作詞 離婚作曲』独占配信中

『夫婦の世界』が組んず解れつ、もがき合う泥沼とすれば、こちらは気づかぬうちにハマる蟻地獄。だって、マジ、リアルすぎるんですもの。主人公は世代の異なる3組の夫婦。人気DJの妻ヘリョンと弁護士夫の30代、ラジオ局PDの妻ピヨンと精神科医夫の40代、放送作家の妻シウンと大学教授夫の50代。妻3人は職場の同僚で、夫を疑うことなく幸せな結婚生活。ところがです。最年長のシウンが突然夫から離婚を切り出され、“離婚作曲”がスタート。夫は教授といえど薄給で、妻の稼ぎ頼り。職業病の腱鞘炎を患うシウンはいつも手首に湿布をまいており、「自分の不甲斐なさを突きつけられているようで、湿布の臭いが辛い」というのが夫の言い分。なんだよ、それ! もちろん、本当の理由は不倫なんだけど、家族のためになりふり構わず働く貞女にその言いぐさ、あり⁉ でも、リアルにありえそうなお話……。

さらにヘリョン、ピヨンにもひたひたと危機が……。後半はそれぞれの夫の不倫に至る経緯が描かれていくのだけど、大きな事件なんてないのに、そりゃあ落ちるよね不倫に……と納得しちゃうリアルさ……。ドラスティックな展開をむしろ封印してこそのリアルなドロドロとでもいいましょうか。危機はどこにでも潜んでいる……そんじょそこらのサスペンスよりも夫婦の日常は恐ろしいぞ。(さすらいのライター山崎)

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Netflixオリジナルシリーズ『結婚作詞 離婚作曲』独占配信中

【ほのぼの4選】ナビレラ -それでも蝶は舞う-/人はいつでも、羽ばたける

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Netflixオリジナルシリーズ『ナビレラ -それでも蝶は舞う-』独占配信中

心に残ったドロドロは、ピュアな感動の涙で洗い流すのが一番。で、私的最近のイチオシがコレ。『SweetHome −俺と世界の絶望−』で人気急上昇の新鋭ソン・ガンの最新作。もちろん超絶美しいガンを見ているだけも心洗われるのですが、じわじわと心に優しく広がっていくお話がまた良き。彼が演じるのはサッカーからバレエに転身した青年チェロク。天才的素養があるものの、父の起こした事件により孤独を抱えて鬱々とする日々。そんな彼の前に現れたのが、70歳のドクチュル。貧困の中、郵便配達人として必死に働き、3人の子供を育て上げたドクチュルですが、友人の死を前にして自らの人生の終盤を自覚。チェロクの踊る姿を観て、子供の頃、自分がバレエに憧れていたことを思い出します。いつか舞台で「白鳥の湖」を。そんな夢を胸に秘め、家族の反対に遭いながらも、ドクチュルはチェロクからバレエを習い始めるのですが……。

チェロクとドクチュルのブロマンス的絆が最大の見どころですが、わかりやすすぎる展開ではあるものの、痛みを克服しながら夢を追う姿はこれほどまでに人の心を温かく満たすのだなあと改めて実感。さて、ドクチュルは「白鳥の湖」を踊ることができるのか。ドクチュルの妻や家族たち、チェロクの師匠や同級生など、脇役陣にもじんわり。ドクチュルの4頭身レオタード姿も愛おし過ぎます。(さすらいのライター山崎)

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Netflixオリジナルシリーズ『ナビレラ -それでも蝶は舞う-』独占配信中

彼女の私生活/“推し”がいるならば、共感ポイント目白押し

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『彼女の私生活』©STUDIO DRAGON CORPORATION U-NEXTにて独占配信中

もう端的に一言。わかりみがすぎる……!こんなに“推し”への愛が詰まったドラマが今まで在ったでしょうか。いや、ない。“推タ”活のプロ、その名をドクミ(パク・ミニョン)。表向きはキャリアのある美術館の主席学芸員だけれど、その私生活は人気アイドルのチャ・シアンに愛を捧げるヲタクという最高すぎる役どころ。シナギルの名でペンカペ(ファンカフェ)を運営しているドクミは、シアンが現れる先に必ず出向き、長年のヲタク活動で培ったカメラワークや技術を駆使した写真&並々ならぬ愛を綴った記事を日々アップしています。シアンペンにとっての憩いの場=シナギルを運営するドクミは、まさにペンたちから神と崇拝される存在なのです。

そんなドクミの裏の顔を知るのは、親友のソンジュと、幼馴染みで密かにドクミに想いを寄せるウンギ。個人的には漫画でもアニメでも幼馴染みエンド希望者なので、ウンギに肩入れしていたのですが……最悪な出会いを果たした後(定番ネタ)、ドクミの上司として美術館にやってくるライアン(キム・ジェウク)との恋愛模様は、「落とされてなるものか」と構えているのにもかかわらず、不意にドキッとさせられてしまって悔しい。推しへの愛と、幼馴染みの想い、そして新たな恋の間で揺れ動くドクミになりきると、この上なく幸せな気持ちに。(エディターK)

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『彼女の私生活』©STUDIO DRAGON CORPORATION U-NEXTにて独占配信中



応答せよ1997/フレッシュな初恋物語

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『応答せよ1997』©CJ E&M CORPORATION U-NEXTにて配信中

難しいことを考えずにドキドキしたり、切なくなったり……ドロドロの重苦しさを忘れさせるのは、やっぱりフレッシュな初恋もの。で、私を最も夢中にさせたのがコチラ。この連載でも紹介した『恋のスケッチ〜応答せよ1988〜』『賢い医師生活』のシン・ウォンホ監督とイ・ウジョン作家がバラエティー界から飛び出し初めて手掛けて大ヒットさせたエポック的作品で、ドラマ放送の2012年を現在に、15年遡った1997年の高校時代を振り返るという構成。

1997年といえば今につながるK-POP第一世代の全盛期。ヒロインのシウォン(チョン・ウジン)は当時Sechs Kiesと人気を二分していたH.O.T.の熱狂的ファン。現実男子など眼中になかったシウォンが、幼馴染みの同級生ユンジェ(ソ・イングク)から恋愛の相談をされ、その気持ちが複雑に揺れ始める……という展開。さてさて、ユンジェの尊敬する兄をまじえて三角関係に揺れ始めるその初恋の行方は……? 今やスター俳優のソ・イングク演じるユンジェの少年っぽい朴訥なカッコよさに本気で射抜かれるし、高校時代も追っかけだった私としてはシウォンのペン魂に懐かしさ満々だし、Sechs KiesとH.O.T.のメンバーも実際登場しちゃうし、ユンジェとシウォンの釜山訛りも可愛いし、見どころ満載。世界一美しいと称された階段キスシーンも必見!(さすらいのライター山崎)

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『応答せよ1997』©CJ E&M CORPORATION U-NEXTにて配信中

恋のゴールドメダル〜僕が恋したキム・ボクジュ〜/そこにあるのは夢と大いなるときめき!

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『恋のゴールドメダル~僕が恋したキム・ボクジュ~』© 2016-7 MBC

ただひたすらにナム・ジュヒョクのかっこよさとイ・ソンギョンの可愛さに没頭できる、そんなドラマです。(現在は別れてしまっていますが)本作がきっかけで主演ふたりが交際に至ったことでも有名ですよね。しかも私事で大変恐縮ですが、長きにわたりスポーツ少女だった故、体育大学に通う重量挙げ部のエースであるボクジュ(ソンギョン)の気持ちが、痛〜いほど胸に響く。そこらの同級生より筋肉ムッキムキだったり、「足が命」の外回り営業マン以上の立派なししゃも脚だったり、それを理由にからかわれて恥ずかしくなったり。挙げ句の果てには肥満クリニックの医師に恋をして、ダイエットとは無縁のウエイトリフティングの世界にいながらも秘密でクリニックに通ってしまう、乙女の気持ち。

そんなボクジュをからかいながらも惹かれていくのが、水泳部のトップ選手であるジュニョン(ジュヒョク)で、実はふたりは小学校時代の同級生(これまた定番ネタ)。そこにときめきしかない夢のスクールラブ。まさに「キュンです」の連続。もうね、好きになったあとの猛アタックっぷりや、両想い後のふたりの様子が愛らしくて笑みが止まらないのです。ただし、“ラブ”だけでなくコメディ要素もそりゃふんだんに盛り込まれているのでご安心を。ドラマ前半にはイ・ジョンソクのカメオ出演というサプライズも待っています。(エディターK)

恋のゴールドメダル~僕が恋したキム・ボクジュ~
『恋のゴールドメダル~僕が恋したキム・ボクジュ~』DVD-BOX1〜2 各¥15,552 発売元:コンテンツセブン 販売元:TCエンタテインメント © 2016-7 MBC