GWは溜め込んでいたドラマをイッキ観する絶好の機会! ハン・ソヒとパク・ヒョンシクのケミが評価されている王道の初恋×幼馴染ロマンス『サウンドトラック #1』や、大人気サスペンスドラマ『秘密の森』(シーズン1)の脚本家が贈る新作『グリッド』に加え、ついに(!?)待望のシーズン3が配信された『結婚作詞 離婚作曲』など、今年のGWで観ておきたい新作&良作の韓国ドラマをご紹介します!
【韓国ドラマ ナビゲーター】
さすらいのライター 山崎敦子
『最高の愛 〜恋はドゥグンドゥグン〜』より韓国ドラマに魅せられ、日々最新ドラマをリサーチするさすらいのライター。さまざまなジャンルを渡り歩き、今では美容記事に携わること多し。サバイバルオーディションも大好物で、今の推しはENHYPEN。推しの俳優は絞りきれないほど多数。エクラwebでも韓流連載執筆中。
韓ドラ追っかけ班/エディターK
母の影響により、第1次韓流ブームの火付け役となった『冬のソナタ』から韓国ドラマの世界へ足を踏み入れる。ドラマに加え、アイドル、コスメ、ファッションなど、日々韓国まわりの情報をキャッチアップ。永遠の推しは俳優ソン・ジュンギ。若手女優&俳優の発掘が趣味の領域に。
『サウンドトラック #1』/初恋が奏でる切なく優しいメロディー
恋愛の形はいろいろありますが、ドキドキもキュンキュンも切なさも虚しさも、いろんな想いに手放しで一喜一憂できることにおいては、やっぱり“片思い”の右に出るものなし!と思うのですが、いかが? 特に相手に思いを知られたくない……なんて時は、秘めたる感情の宝庫(まわりにはバレバレな場合も多々……)。そんな片思いのゆらゆら・悶々な醍醐味を、今、最も旬な女優ハン・ソヒ(『わかっていても』『マイネーム』)と、除隊後2作目となるウリ(私たちの)ヒョンシク(『8番目の男』『ハピネス』)が演じるとあれば、これは観ない手はありません。しかも、ふたりの役柄は約20年来の親友で、8年前からヒョンシクがソヒにずっと秘めたる片思いをしているという設定。ついにヒョンシクも、ソン・ガン、アン・ボヒョンに次いでソヒに持ってかれてしまうのね……などなど、観る前から想像が膨らむわけですが、ソヒが演じるのは売れない作詞家ウンス。ヒョンシク演じる写真家ソヌの想いに気づいていない、明るくストレートな性格の女子という役柄。これまでの複雑な想いを抱えるヒロイン役とは180度違う屈託ゼロなキャラをハン・ソヒがどう演じるのかはドラマのお楽しみの一つではありますが、やっぱり気になるのは片思いの行方です。
有名作曲家から依頼されて書いた歌詞を「片思いの切なさが全く感じられない」と速攻却下されてしまったウンス。ソヌが長い間片思いしている相手がいると聞き(←お前のことだよ)、作詞する間、同居して手伝ってほしいとソヌに申し出るという、これ確信犯じゃね?と思わずツッコミ入れちゃう片思い相手には完璧なる反則ワザからのスタート。で、ドラマは、想いの質も温度も違うそれぞれの表情をキメ細かくとらえながら、ふたりの移り変わっていく関係性を洒落たOSTにのせて綴っていくもの。まるで1曲のラブソングをそのままドラマ化したような構成。全4話完結なので、GWの半日もあれば、心地よい音楽に包まれているような夢見心地の間に一気観完走。
それにしても、ウリ(私たちの)ヒョンシク。透けるような美肌&赤い唇がまぶしいソヒの傍若無尽なスキンシップ攻撃と、抑えていてもあふれるようにダダ洩れちゃうソヒのフェロモンに果たして耐え続けることができるのか。ゆらゆら・悶々の片思いの醍醐味、どうかごゆるりとご賞味くださいませ。(さすらいのライター山崎)
『結婚作詞 離婚作曲』シーズン3/いよいよ三者三様の夫婦たちの結末が明らかに!?
過去シーズン同様、とんでもない展開で走り続けているのがこちら。シーズン2の終わり方も「???」の連続でしたし、キャストがなんと3人も入れ替わりましたし、もうこの人たちのやり取りにお腹いっぱいの方もいらっしゃるかと思います。かく言う私も元々入口がソンフン目当てでして、彼がいなくなった時点で白目状態。しかしながら、恐ろしいことに「なんとなく」で1話を観始めると止まらないんですよ……こちらでさすらいのライター山崎も触れていますが、「もう勝手にやってくれ〜」と思いながらも、続きが観たくてウズウズしてしまう。これほどGWのイッキ観にぴったりな作品があるだろうか!?
ネタ切れを匂わせる“幽霊”に関してはもはやギャグの一環だと(勝手に)思っておりますが、シーズン3もラジオ局のPDピヨン、ラジオ番組作家のシウン、人気DJへリョンの同僚3人組を筆頭に、「マジか」なドロドロ展開がひっきりなしに訪れます。
ピヨンと愛娘ジアがいながらも、通称AMと関係を持った病院長の元夫ユシン。絶対に離婚したくないユシンと、不倫した夫を絶対に許せないピヨンとの不毛な戦いを経て、結局離婚が成立。で、その後。シーズン2ラストで見せられたピヨンのウェディング姿に「ええええ!?」と声をあげたのは、私だけではないはず。一見なんの繋がりもなさそうに見えたタキシード姿の男性……その人との詳細が語られていくと。ちょっと無理くり感がありつつも、十分フィクションとして楽しめるレベル。なんならコメディ番組のように笑えるシーン、結構あるんですよ! ただギャグのような展開を入れ込みながらも、時にハッとさせられる台詞が飛んでくるのが、この作品のすごいところ。本作を観ながら韓ドラ好きのオモニ、チングたちと感想をチャットするのが楽しくて仕方ない(笑)。
さらにシウンにもようやく春が訪れそうになった時、再び現れるのがイチャモン元旦那です。ユシンも同様なんですが、シーズン3を通して見せられる不倫した元夫たちの醜さたるや……。自分の過去の言動を棚に上げ、元妻たちに新しいロマンスが訪れるのは許さないと。そして子供たちは絶対に渡さないと。どの口が言うんじゃ! ただこれが夫側のリアルな意見なのでしょうか……元夫婦でまたしても不毛な戦いの連続。もはや登場人物全員の人生が気になってしまう本ドラマの魅力、やはり只事ではない! (エディターK)
『グリッド』/大人気サスペンスドラマの作家が贈る、新たな物語!
脚本はあの『秘密の森(シーズン1)』のイ・スヨン作家。観た方ならご存じとは思いますが、観進めれば観進めるほど深い霧の中へと引きずり込まれるような難易度高めのミステリーで、単純な殺人事件と思わせつつ、そこから幾重にもあふれ出てくる疑惑によって事件の輪郭自体がどんどん覆い隠されていくせいか、かなりなサスペンス好きでも作家の張り巡らした迷路の中で右往左往せざるを得ないという。で、そんな高度なミステリーに加えて、SF要素を絡めてきたのが本作。何せ、得体の知れない美女が突然現れたり消えたり、過去と現在を何度も行ったり来たり。だから、より難解。そして、よりスリリング。舞台となるのは“グリッド”で覆われた2021年の地球……。
まず、この“グリッド”からして意味不明なのだけど、広辞苑によれば、「陰極と陽極の間に置いて電流を制御する電極のこと」なのだそう。余計に何のことやらですが、要は地球を守る電磁波的防護幕のようなもので、ドラマによると、2005年に太陽風(放射能をたくさん含む)というオーロラっぽい光線が地球を襲うという設定で、その太陽風をブロックするために覆われた幕がグリッドらしい。で、主人公となるのがソ・ガンジュン演じるセハ。このグリッドを見守る管理局(これも何やら意味不明だけどお役所らしい)に勤めている青年。このセハが、コンビニで殺人事件に遭遇するのがドラマの発端。駆けつけた刑事のセビョク(キム・アジュン)が、その犯人を追い詰めるものの、謎の美女に阻まれ取り逃してしまいドラマは大きく展開。この謎の美女、どうも管理局が長年追い続けてきた“幽霊”と呼ぶ人物らしい……。
事件は警察を押し退け管理局が担当することになるのだけど、セハはなぜか独自に動き始めるという……。“幽霊”はなぜ犯人を助けたのか。セハはなぜ独自に動くのか。管理局はなぜ幽霊を追うのか。謎が謎を呼び、ラストのラストまで、進めど進めど、解読不能。なのに、途中で放棄するどころか、なぜか電磁波ビームに取り囲まれたごとく釘付けになってしまうイ・スヨン作家マジック。ドラマは、はたしてどんな真実に私たちを導くつもりなのか。主演のソ・ガンジュン、刑事役のキム・アジュン、幽霊役のイ・シヨン、犯人役のキム・ソンギュンなどなど役者陣の迫真の演技からも目が離せません。(さすらいのライター山崎)
『ブラックドッグ~新米教師コ・ハヌル~』/“学校版『ミセン–未生–』”とマニアから人気の名作
高校を舞台に、教師たちの苦悩や、働く環境の実態、そして受験戦争で苦しむ学生たちが丁寧に描かれている本作。誰もが抱える職場のリアルを浮き彫りにしながら、登場人物ひとりひとりの感情にしっかりフォーカスされているために、感情移入が止まりません。意図せず涙が頬を伝うシーンも。働くとは?生きるとは?を深く考えさせられます。加えて、主人公にソ・ヒョンジン、上司に『応答せよ1988(原題)』でお馴染みのラ・ミランと、キャスト陣も実力派を揃えてめちゃくちゃ豪華。これこそ隠れた名作だと思っている次第です。
塾講師をしながら、教師になることを夢見ていたコ・ハヌル(ヒョンジン)は、テチ高校の臨時採用でついに念願叶って教師生活をスタートさせることに。しかしながら、現実はそう甘くなく。ハヌルの叔父が学校の上層部にいることが明らかになり、一気に“コネ採用”と疑われる始末。叔父というだけで普段まったく関わりがない存在ゆえ、ハヌルもこのような事実は初耳。数年に一度会うか会わないか程度で、コネ採用はとんだ誤解なんですが、もちろん誰も信じません。職場の同僚から向けられる軽蔑の眼差しが痛い。すでにここから『ミセン』がフラッシュバックしますよね……。コネ採用であるかないかで、まるで株価が暴落したかの如く、スッと離れていく人たち。
この最悪な状況のなかで、慣れない業務をこなしながら、上司からの理不尽な要求に応え、保護者のクレーム対応をし、学校のアピール戦略を立てるなどなど、残業ばかりの日々。それでも自分を奮い立たせ、懸命に日々の業務と向き合う努力家のハヌルを観ていると、不思議と胸が熱くなって、エンパワメントされていることに気付きます。そんなハヌルに心を突き動かされるのは、もちろん視聴者だけではなく。周囲の先生たちと少しずつ心を通わせていく様も堪らないのです……。特に上司で進学部部長のパク・ソンスン(ミラン)との距離が縮まっていく過程。この感動は何度でも味わいたい。
そして最後にハヌルがなぜ教師を目指すことにしたのか? その理由となる事故も、涙なしには到底観られません。学生たちの苦悩や葛藤も相まって、余計に胸に突き刺さる。『ミセン』ペンもそうでない方の心にも響く名作を、ぜひGWのお供に。(エディターK)