大型連休は、話数の多い作品をイッキ観するのに最適! そこで海外ドラマ好きエディターが、世界中で人気の、海外ドラマを代表する新・御三家というべきレジェンド級の3作品をピックアップ。
紹介するのは、SPUR編集部でも大人気! 80年代ファッション&カルチャーも楽しめる『ストレンジャー・シングス 未知の世界』、“犯罪コンシェルジュ”を題材にした『ブラックリスト』、壮大なスケールと映像美でドラマの域を超えたファンタジーの世界へと誘う『ゲーム・オブ・スローンズ』の3作品。どれも、観るほどにハマり、充実した“ドラマ連休”へと誘うこと必至です。
『ストレンジャー・シングス 未知の世界』と、『ブラックリスト』は、5月末に新シーズンの配信が決定しているので、追いつくなら今!
80年代ファッション&カルチャーも楽しめる、SFホラー・アドベンチャー/『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン3
SPUR編集部でもファンの多い、『ストレンジャー・シングス』シリーズ。作品としての面白さもさることながら、ポップでカラフルな80年代ファッションとカルチャーへのオマージュが脚光を浴びているのは知られているところでしょうか。
シーズン3ではその人気に拍車がかかり、ナイキやリーバイス、ルイ・ヴィトンがコラボアイテムを発表したり、出演者の一人であるデヴィッド・ハーバーがトム ブラウンのイメージポートフォリオに登場したりするなど、ファッション業界を巻き込んで起こした社会現象は、枚挙にいとまがありません。
私的には、マヤ・ホーク扮するロビンのアイスクリームショップの制服姿が可愛くてドツボ♡ ネックレスの重ねづけも効いてますよね。もし、自分が高校生だったら、間違いなくコスプレしていたなと思います。
私はトレーニングが趣味なのですが、ジムでも80年代オマージュのポップなファッションが気分。ショートパンツにクルーソックスを合わせ元気なカラーのTシャツを着て、マインド・フレイヤー(作中に登場するモンスター)を倒すぞ!とばかりに、バーベルのウェイトをあげ筋トレに励んでいます(笑)。
肝心の作品のほうですが、少年・少女たちが、自分の友人や家族たちを守るために力を合わせて立ち向かうSFホラー・アドベンチャー。この世代独特の淡く切ない友情&恋物語は、子どもたちが活躍する冒険物語として名高い、『グーニーズ』や『スタンド・バイ・ミー』を思わせることもしばしば。両作品が好みなら、ハマること必至です。そうでなくても、健気な(ときにずる賢いですがそこもご愛嬌)彼・彼女らの奮闘にエールを送りたくなるはず。
とはいえ、過去の名作をトレースするだけではなく、あくまでオマージュ。劇伴と舞台は80年代のそれながら、現代ならでの映像技術とドラマティックな要素を足し、緊張感あふれる描写で観るものを飽きさせません。その完成度の高い唯一無二の世界観が、人気の理由のひとつだと考えます。
大人も子どもも夢中になれる本作。家族で楽しむのもおすすめです! 超・待望のシーズン4は、5月27日(金)より配信開始。また、世間を賑わせること必至です。その波にリアルタイムで乗れるよう、今こそシーズン3までイッキ観を!
なお、SPUR本誌では、2019年12月号にマヤ・ホークを、2021年12月号では、シーズン4の新キャストに大抜擢されたハリウッドのホープ、グレース・ヴァン・ディーンを表紙に起用。ドラマ出演についてのコメントもある、マヤ・ホーク独占インタビューと合わせてCHECKを!
STORY
ホーキンスの町にショッピングモール「スターコートモール」がオープン。イレブンとマックスはビリーの異変に気付く。スティーブとダスティンは暗号解読をすべく、スターコートモールに向かい……。
世界中を席巻! “犯罪コンシェルジュ”を題材にしたアクション・サスペンス/『ブラックリスト』シーズン8
手に汗握る、ハラハラドキドキする作品は、翌日の気分の切り替えが大変! ドラマの世界観を翌日にひきずってもOK。むしろそのテンションを加速させイッキ観できるのが、連休の魅力です。そこでおすすめなのが、世界中で大ヒット中のアクション・サスペンスの超大作「ブラックリスト」。
2013年秋、全⽶ネットワークNBCにて放送スタートしたこちらの作品は、現在Netflix、U-NEXTなどで、シーズン8まで配信中(Prime Video、Google Playなどでは、4月27日よりデジタル配信開始)。1シーズンに19〜23エピソードと、話数が多いので、連休中を活用すればまとめてイッキ観できます。
つい先日、日本でも柴咲コウさん演じる犯罪コーディネーターを題材にした民放ドラマ『インビジブル』が放映されたこともあり、この手の作品が注目されていることがうかがえます。
主人公は、犯罪コンシェルジュのレイモンド・レディントン(通称レッド)と、FBI 捜査官でプロファイラーのエリザベス・キーン(通称リズ)の異色コンビ。指名手配犯だったレッドがFBIに出頭し、自分の免責と、自分の担当をリズのみにすることを条件に、凶悪犯罪者のリスト“ブラックリスト”のリークを申し出ます。犯罪者と捜査官。序盤は、相反する立場にいるふたりが、数々の凶悪犯罪を解決していくのが面白い。が、徐々に、レッドがリズに固執する理由、互いの身上が明かされていきます。謎が謎を呼び、起こる犯罪は凶悪化し、「え!? どういうこと?」と振り回され、気がつけばシーズン7まで観ていました。
日本配信で一番新しいシーズン8では、リズの祖父のドム、リズの母親でKGBに追われるカタリーナも登場。正体不明のロシアのスパイ“N13”のことや、サコースキーアーカイブという機密文書もキーワードも白日の下に晒され、主要人物の謎を一層深めます。そんな“てんやわんや”のなか、レッドやリズの秘密が明かされる総決算となり、ひとつの終焉をむかえることに。
ネタバレになりますが(知りたくない人はスルーを!)、最終話エピソード「konets(カニェーツ)」はロシア語で「終わり」を意味するように、リズが殺され今シーズンをもって“退場”とあいなりました……。どのような経緯で、リズが命を落とすことになったのか、それに至るまでのレッドとリズの葛藤が、シーズン8の最大の見所ではないでしょうか。そのハイライトとなるシーンを存分に堪能できるのは、シーズン1から作品を観続けた人だけに与えられるご褒美な気がしました。
待望のシーズン9は、5月31日(火)より配信開始です。連休を活用すれば、十分追いつけます! 主人公亡き後どんな新展開が待ち受けているのか。本国アメリカではシーズン10の製作も発表されたそうで、付き合いの長いドラマとなりそうです。
STORY
レッドの正体と真実を知るために計画をたてるリズ。リズは、母親カタリーナから、祖父ドムとレディントンを恨む理由を聞かされ、葛藤する。一方、FBIチームはカタリーナの命を狙っているブラックリスターが追いはじめるが……。
イッキ観すると感動増! ドラマだからこそ描ける壮大なファンタジー/『ゲーム・オブ・スローンズ』最終章(シーズン8)
レジェンド作品の新・御三家。トリを飾るのは、壮大なスケールで描くファンタジー戦史の超傑作『ゲーム・オブ・スローンズ』です。まずは、映像の素晴らしさに酔いしれていただきたいので、連休中ですし、スマホではなく、テレビなど家にある一番大きな画面で、できれば音量にも照明にもこだわって、ホームシアター気分で観て欲しい作品です。2011年にはじまり、2019年のシーズン8で完結しています。
シーズン8の最終話を見届けたあと、一緒に観ていた人となぜかソファーから立ちあがり拍手をして抱き合ってしまいました(笑)。その昔、TOHOシネマズ 六本木ヒルズで映画『ロード・オブ・ザ・リング』3部作、約9時間をオールナイトでイッキ観するイベントがありました。最後のエンドロールとともに、誰が指示したわけでもなく、館内のみんなでスタンディングオベーションが起こるという謎の一体感に包まれたことを思いだしました。そのときの“感無量”に近いものがあります。
「ブラックリスト」でも述べましたが、この作品にも、話数が多いからこそ描ける壮大な物語と人間ドラマがあります。舞台は、架空の世界にある、ウェスタロス大陸。そこにある七つの王国が、王座をかけて争う戦史。長い長い歴史絵巻を、登場人物とともに、泣き、喜び、怒り、悩み、逡巡してきたからこそ得られる感動は、鑑賞にかけた時間と比例するというか、決して後悔はさせないものです。
特に本作は複雑であるがゆえ、ある程度まとめて観るほうが、面白さを感じられそうです。ビンジウォッチができる連休中にこそ、ぜひ。「愛は義務を殺す」の名台詞は、シーズン1から観て完走した人にこそ刺さる台詞だと思います。シーズン8は、サプライズもありながら、(ちょっと駆け足だけれど)作品のテーマを総決算してくれるので、達成感がより一層感じられます。
また本作は、Amazon Prime Videoのウォッチパーティ対象作品。気の合う仲間同士、遠く離れた知人や、未見の人と一緒でも。その後、オンラインオフ会になだれ込み気がつけば朝……というのも、連休にドラマを楽しむ醍醐味かも?しれませんね。
なお、第1弾のスピンオフ作品『House of the Dragon(原題)』が、早ければ今年中にお目見えするそうで、そちらも見逃せません!
STORY
死者の軍団との決戦が迫るなか、デナーリス・ターガリエンとジョン・スノウはウィンターフェルへ。ジョンの出自も明らかになり、ターガリエン家の第一継承者だということがわかり……。
【海外ドラマ ナビゲーター】
エディターR
一日の終わりを、ワインとショコラとドラマで締めくくるのが愉悦のとき。“SATC”よりゴシップガール派。映像美と緻密な脚本ものが好物。最近は動画配信サービスのオリジナル作品のチェックに余念がない。作品でいうと、Netflix『ザ・クラウン』、Apple TV+ 『ザ・モーニングショー』などがお気に入り。ドラマに出てきた名台詞をコツコツとしたためていて、いつかどこかでアウトプットするのがささやかな目標。