【2025年韓国ドラマ】泣ける名作が勢揃い。涙活&ときめきチャージに一役買う“上半期のスペシャルBEST10”

2025年上半期 おすすめ 韓国ドラマ スペシャルベスト10

写真左上から時計回りに Netflixシリーズ『トラウマコード』独占配信中・『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』U-NEXTにて独占配信中 © SLL Joongang Co.,Ltd all rights reserved.・Netflixシリーズ『未知のソウル』独占配信中・Netflixシリーズ『おつかれさま』独占配信中

2025年は序盤から良作が続々と登場! IUことイ・ジウンの演技力が高く評価され、インセン(人生)ドラマと愛される『おつかれさま』や、一人二役の難しい役どころを繊細に演じ切ったパク・ボヨンの表現力と、ストーリーに魅了される『未知のソウル』など、見逃せない作品が勢揃い。そのなかから、SPURデジタル韓ドラ班が勝手に(!)泣く泣く選んだラインナップと順位を参考に、マイ・ベスト・韓ドラを見つけてみて。
(※本記事では、2025年1月以降に配信されたドラマ。そして7月23日(水)時点で最終話の放送・日本での配信を迎えている、または放送予定だったドラマから選んでいます)。

1位/おつかれさま【ヒューマン×家族愛】

Netflix韓国ドラマ 『おつかれさま』場面写真 2025年上半期のスペシャルベスト10

Netflixシリーズ『おつかれさま』独占配信中

1950年代に生まれた主人公エスン(IU)とグァンシク(パク・ボゴム)の一生を美しい済州を舞台に感動的に綴っていく大作です。この作品が素晴らしいのは、主人公の二人が成功者でもなければ、有名人でもない普通の人であるというところ。だから、ある意味自分を投影しやすいというか。時代による貧しさと差別と偏見の中で、必死で自分らしく生きていくその姿に、何度も何度も泣かされます。と言っても、クスリと笑わせる明るくユーモラスな作風が基盤となっているので、ぎゅーっと胸締め付けられながらも毎回楽しく癒されながら没入できるという具合。演出・脚本はもとより、主人公から脇役まですべての俳優たちの演技も素晴らしく、特に主人公エスンの青春期から中年期前までと、エスンの成長した娘クムミョンを一人二役で演じたIU。この作品で青龍シリーズ・アワード大賞のドラマ部門主演女優賞を獲得したのは周知の通りですが、「ぼんやり生きることを押し付けられた世の中で、誰よりも鮮明に自分だけの人生を歩んだすべてのエスンたち、この世のあちこちで根気強く自分の欲を育ててきたすべてのクムミョンたちに尊敬と感謝を捧げます」という彼女のコメントにも涙。生きていくだけで、それぞれの人生は皆、尊いものなんだなと励まされます。(さすらいのライター山崎)

『マイ・ディア・ミスター 〜私のおじさん〜』のキム・ウォンソク監督と、『椿の花咲く頃』のイム・サンチュン作家のタッグとあれば、ご想像の通り。配信前からずっと心待ちにしていたヒューマンドラマですが、私的には期待の斜め上を飛び越えて人生ドラマ入りしました。もう、IUとムン・ソリがチェゴです、チェゴ(最高)。この物語は決して他人事ではなくて、自分の人生を映し出されている感覚があるんです。エスンという一人の人間を通して、エスンの人生のパートナーを通して、エスンの家族を通して、そして周囲を取り巻く人間模様を通して。もちろん起きている出来事は同じではないけれど、自分はこうだったと感慨深く思ったり、今この途中にいるのかもしれないと救いに感じたり。とにかくずっと何かしらの感情で泣いていました。心にずっしりと重くのしかかるシーンで泣けることもあれば、なんだか心の隙間を埋めてもらったかのような優しさに泣けることもある。『おつかれさま』というタイトルの優しさが胸に染み渡るというか。想像もできないことが降りかかる人生のなかで、もがき苦しみながら通り過ぎる時間は決して無駄じゃない。誰かにとってはそう見えなくてもそれはなんの関係もなくて、乗り越えた先にある“おつかれさま”に出合える日まで、踏ん張らないとと思える作品です。(エディターK)

2位/未知のソウル【ヒューマン×ロマンス】

Netflix最新韓国ドラマ『未知のソウル』場面写真 2025年上半期のスペシャルベスト10

Netflixシリーズ『未知のソウル』独占配信中

産んだ母さえも見分けられないほど見た目はそっくりだけど、中身は正反対の一卵性双生児ミジとミレが主人公です。定職を持たずバイトと介護をしながら実家で暮らすミジと、ソウルの公社で働きながら家計を助けているミレ。この二人がとある事情からミジがミレに、ミレがミジに入れ替わるところから物語が展開します。実は、二人ともそれぞれに深い劣等感を持っていて、自分のことを真から愛せないのですが、もう一人の人生を生きることで、自分とは違う視点でそれまで気づかなかった自分とも改めて向き合うことになるわけです。そこがこの物語のキーテーマ。欠点ばかりを気にするあまり、人は兎角自分を責めがちですが、入れ替わったふたりがそれぞれに思うこと、選択すること、行動すること、そのすべてがそんな私たちに勇気を与えてくれるはず。一人四役か?というほどの難役をするりと自然にこなしながら、それぞれの感情を繊細かつ豊かに表現したパク・ボヨンの演技力の高さにも改めて感動します。さらに、その相手役となるパク・ジニョン演じるホス。弁護士というエリートでありながら、彼もまた多くの自分を愛せなくなる劣等感をたくさん抱えているのですが、彼がそんな自分とどう折り合いをつけていくのかも涙もの。もちろんボヨン×ジニョンのロマンスも絶品です。(さすらいのライター山崎)

なんで人は、他の“誰か”には優しい言葉をかけられるのに、自分にはかけられないのか。ギュウギュウと縛り付けるように厳しくするのかと、考えずにはいられません。双子の姉妹ミジ(未知)とミレ(未来)を見ていると、自分を大切にすることの難しさに改めて気付かされます。「自分以外の誰か」のいいところはたくさん見つけられても、自分のいいところは見つけられないし、認められない。その苦しさと重圧に押しつぶされそうになっているミジ、ミレ、ホス。きっと現代社会を生きる多くの人が感じたことがあるであろう感情が丁寧に描かれていることが、さすがの一言です。私史上最高に泣ける『五月の青春』のイ・ガン作家の4年ぶりの最新作、あっぱれすぎました。親世代の話がより一層、物語に深みを与えてくれるんですよね。脚本のなかでキーとなっているのが、あらゆる愛の形についてなのですが、結局は誰かの愛があれば立ち上がることができて、生きていくことができると、信じさせてくれるのがこのドラマの最大の魅力だなと思う次第です。「24時間つらくても、たった1秒でも笑えれば生きていける。だから自分を笑わせてくれる人を逃さないで」などの名言が炸裂します。疲れているときこそ何度でも観直したい、そんな名作ヒューマンが誕生しました。(エディターK)

3位/オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-【ロマンス時代劇】

韓国ドラマ『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』場面写真 2025年上半期のスペシャルベスト10

『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』U-NEXTにて独占配信中 © SLL Joongang Co.,Ltd all rights reserved.

まるでジェットコースターのように山あり谷ありが激しくスピーディに入れ替わる久々の見応えたっぷりの時代劇。虐げられまくった奴婢の身分から両班の娘オク・テヨンの人生を生きることになる激動のヒロインを『ザ・グローリー〜輝かしき復讐〜』のあのイム・ジヨンが熱演。外知部という今でいう弁護士みたいな仕事をしながら弱者を助けるという『ザ・グローリー〜』とは180度反転させたような役どころなのですが、弱者の立場に立ちながら善意と正義で次から次へと襲い掛かる難題に勝利していく姿が痛快。そして、彼女のそんな強く優しい誠意あふれる姿勢が新たな善意と正義を引き出し、それがラストに向かうにつれ、どんどんどんどん大きな波になっていく展開も胸がすきます。壮大な時代ドラマを引っ張る主人公という大役を力強く演じきったイム・ジヨン。こんな吸引力&カリスマ性ある存在の登場は本当に久しぶりかもしれません。相手役となるチュ・ヨンウは2025年の最も注目されるライジングスター。両班から人気芸人となるソンイと、ある事情を抱える武官ユンギョムの一人二役という、こちらも難役をイキイキと魅力的に演じ分けていて、ドラマの没入感を2倍3倍にも高めてくれています。(さすらいのライター山崎)

しばらくロスが続いて、他の作品を観られなかった……。それほど強烈なインパクトを残したロマンス時代劇です。本作で大ブレイクしたヨンウはもちろんですが、なんといっても主演ジヨンの吸引力! 語彙力が乏しくなるほど、とにかく凄まじかった。これは世代問わずに感動できるロマンス時代劇ではないでしょうか。実力は『ザ・グローリー〜』で証明済みですが、本作でまた一段階、名俳優として名を馳せた気がします。奴婢のクドクだと毎度毎度バレるかどうかとハラハラドキドキさせられ、身分の違いを痛切に感じさせながら、究極のときめきと切なさのダブルコンボに心打たれと、泣けるシーンがてんこ盛りです。設定だけ見れば「他人の人生を乗っ取った」という風に見えますが、学ぶことに貪欲で人のために尽くせるクドクだからこそ、応援したくなるし、幸せになってほしいと心から思えるんです。本来のテヨンが目指していた外知部(朝鮮時代の弁護士)になり、弱者を救うために翻弄する熱い姿。現代社会に通ずるシーンや台詞も多く、またひとつ後世に引き継がれるであろう名作を見せてもらえたことに感謝したいです。(エディターK)

4位/いつかは賢いレジデント生活【ヒューマン×ロマンス】

Netflix新作韓国ドラマ『いつかは賢いレジデント生活』場面写真 2025年上半期のスペシャルベスト10

Netflixシリーズ『いつかは賢いレジデント生活』独占配信中

産婦人科を舞台に4人の1年目レジデントたちが繰り広げる青春成長物語を描く、ご存じ大人気ドラマ『賢い医師生活』のスピンオフ。優秀なのにやる気ゼロのイヨンと、おしゃれと恋愛大好きな今どき女子のナムギョン、成績トップだけど人の気持ちに寄り添えないサビ、明るく前向きだけどスキルはまだまだのジェイルという4人のキャラクターとその組み合わせが秀逸。それぞれ課題山積みの完璧ではない4人が、患者や先輩、上司に怒鳴られまくりながら、産婦人科というある種特殊な医療現場で起こるさまざまなエピソードの数々に、思いっきり振り回されつつ成長していく様が楽しく、そして感動を呼びます。『賢い〜』のスピンオフらしく、それぞれのロマンスも程よく盛り込まれているのですが、初々しさいっぱいでこちらも癒されることしきり。9話にはTOMORROW X TOGETHERのヨンジュンとスビン登場という嬉しいサプライズも。ジェイルがボーイズグループの元アイドルという設定で、二人はそのメンバー。アイドル時代の一緒に踊る映像の余裕のヨンジュンと緊張感隠しきれないジェイルを演じたカン・ユソクの対比が微笑ましく、K-POP好きとしては得した気分満々。(さすらいのライター山崎)

5位/トラウマコード【医療】

Netflix新作韓国ドラマ『トラウマコード』場面写真 2025年上半期のスペシャルベスト10

Netflixシリーズ『トラウマコード』独占配信中

古くて大変恐縮ですが『宮 -Love in Palace-』でチュ・ジフン沼に落ちた私としては、ここ数年の彼の快進撃が素晴らしく、感慨深くてたまらないのです。しかも本作は今波に乗りまくっているチュ・ヨンウとのチュチュコンビ共演! ヨンウのロールモデルがジフンだったこともあり、そんな背景を知ったらときめかずにはいられないのだけれど、それを横目にしても最高のケミを見せてくれました。救命のために、365日24時間いつでも実働を強いられる過酷な医療の世界を舞台に、“トラウマコード”を担う医師たちの葛藤を描いた本作。とにかく人命のためなら手段を選ばない猪突猛進型のガンヒョク(ジフン)と、それに振り回されながらガンヒョクの価値観、生き様に影響を受けていく弟子1号のジェウォン(ヨンウ)。なんとなくラクそうだしという理由で肛門科を選んだジェウォンが、ガンヒョクに名前も呼んでもらえず、毎度「肛門!」と叫ばれるというやり取りにも笑えます。医療の現場ゆえに、各エピソードに感動したり、苦しくなったり、切なくなったりする瞬間がありつつも重すぎない。巧妙なテクニックで表現されるバランスがなんとも絶妙です。物語を大いに面白くしてくれている、師弟ブロマンスに癒されてほしい!(エディターK)

6位/スタディーグループ【学園×ノワールアクション×コメディ】

韓国ドラマ『スタディーグループ』場面写真 2025年上半期のスペシャルベスト10

『スタディーグループ』ABEMAで独占配信中。©TVING Co., Ltd, All Rights Reserved.

ジャンルでいえば学園ノワールアクションコメディとでもいうのでしょうか。なんじゃ、それ?とツッコミ入りそうではありますが、とにかくめちゃ楽しいのです。ファン・ミンヒョン演じる主人公のガビンは、勉強が三度の飯より大好きな超ガリ勉なのですが、勉強すれどもすれども成績はいつも最下位付近をウロウロ。大学入学を目標にとある工業高校に入学するも、そこはいじめや暴力が公然と飛び交う他校も震え上がる不良高校だったのですね。そんな血生臭い周囲をよそに、ガビンは成績を上げるためにスタディーグループを結成しようと掲示板に募集広告を出すのですが、やってくるのは邪魔する不良生徒たちの暴力。ところがガビン、実は勉強とは打って変わって喧嘩の腕は天下一品。師匠に言われ、その力を封印していたのですが、群がる不良どもを相手に、グループ結成目指して立ち上がる!という寸法。一見、破茶滅茶コメディか!と思うかもしれませんが、暴力やいじめ、教師の不正などなど、社会問題も上手く盛り込まれ、勉強がしたいがために闘うガビンが無意識にそんな問題にも切り込んでいってるのが痛快だし、ジーンと感動的だし。超真面目なのに、頭脳回路がどこかズレてるせいか勉強がなぜかできないガビンの可愛さも格別です。(さすらいのライター山崎)

7位/イカゲーム シーズン3【人生×デスゲーム】

Netflix最新韓国ドラマ『イカゲーム』シーズン3場面写真 2025年上半期のスペシャルベスト10

Netflixシリーズ『イカゲーム』シーズン1〜3独占配信中

またもや世界的な大ヒット。とはいえ、圧倒的な支持を集めたシーズン1に比べると今回は賛否両論飛び交っているようですが、私的には確かにこの結末以外考えられないと大満足。シーズン2でフロントマン率いる悪の主催者側との戦いに敗れてしまったギフンが、その絶望と後悔の中でどんな決断を下すのか。フロントマンはギフンに何を求めようとしているのか。そんなふたりの精神的葛藤が中心に描かれているため、確かに物語のセンセーショナルさや痛快さはシーズン1に比べて抑えられているのかもしれません。でも、人間の良心をえぐり出す隠れんぼや縄跳び、陣取りゲームなど考え抜かれたそのルール作りが見事だったし、絶望の世界に残ったたった一粒の希望に思いを託す監督のロマンティシズムにもじーんと心打たれたし。心の奥で葛藤し続けるギフンの静かなる凄みを演じ切ったイ・ジョンジェもさすが。イム・シワン、カン・ハヌルの“ミセンコンビ”のクズっぷりもあっぱれ。番宣用のインタビュー映像で他の出演者たちに役の人物を非難されて小さくなっているイム・シワンが可愛いので、そちらもぜひ、チェックを。それにしても、話題沸騰中のハリウッド版は実現するのでしょうか。私としてはここでぜひとも打ち止めしてほしいのですが……。(さすらいのライター山崎)

8位/君は天国でも美しい【ヒューマン】

Netflix新作韓国ドラマ『君は天国でも美しい』場面写真 2025年上半期のスペシャルベスト10

Netflixシリーズ『君は天国でも美しい』独占配信中

死後にこんな世界があったらいい。そう願わずにはいられません。良作の韓国ドラマにおいての共通点は、理不尽な世の中で生きる私たちに、せめて物語のなかだけでも「救い」を見出してくれることだと思っていて。真っ当に生きる人や動物たちの苦しみを少しでも取り除きたいという思いが透けて見えることに、優しさを感じるんです。表現方法に違いはあれど、『模範タクシー(原題)』と同じで、悪人が野放しにされずに罰せられる世界があること、優しい人たちがこれ以上傷付かない世界があることを信じたい気持ち、その思いが救済になるというか。『おつかれさま』同様に、あらゆるシーンで感情移入して泣いていたような気がします。とはいえ物語を面白くするためにユーモアを加えすぎて、途中で離脱してしまう人も多かったようですが、最後まで観て損なし!と太鼓判を押せる!! 今まで見たことのないソン・ソックが新鮮すぎてなんだか見ていて“恥ずかし萌え”してしまうし(笑)、キム・ヘジャ、イ・ジョンウン、ハン・ジミンの『まぶしくて–私たちの輝く時間–』タッグに懐かしさを覚えながら、しっかりと異なる人物像、関係性を見せてくれることが素晴らしいなと思わざるを得ません。(エディターK)

9位/弱いヒーロー Class 2【学園×ノワールアクション】

Netflix新作韓国ドラマ『弱いヒーロー Class 2』場面写真 2025年上半期のスペシャルベスト10

Netflixシリーズ『弱いヒーロー Class 2』独占配信中

個人的には前作の伏線をうまく回収しながら、いい落とし所に持っていったな!という印象。Class1鑑賞後の後遺症で(苦笑)、しばらくシャーペンを見ると背筋に悪寒が走ったことを思い出しました。元Wanna Oneの演技ドルことパク・ジフンが真骨頂を見せた作品です。生粋のアイドル気質である彼が、黙っていてもキラキラ感が勝手に滲み出てしまう彼が!! そのオーラを完全に封じて挑んだ学園アクションストーリー。旬の若手俳優たちがゴロゴロ出演していることも話題です(Class1未視聴の人はこちらの記事からあらすじをどうぞ!)。舞台はビョクサン高校からウンジャン高校に移るものの、転校しても結局蔓延っているのは同じ。度を越した校内いじめと弱者への卑劣な暴力。いつも真っ直ぐに向き合ってくれた友人スホ(チェ・ヒョヌク)を守れなかった罪悪感を抱えて生きているシウン(ジフン)は、転校先でも誰ともかかわることなく、ただ時が過ぎるのを待つのだけれど、周囲がそれを許してくれないんですね。同級生のジュンテ(チェ・ミニョン)を不良から守ったことにより、ウンジャン高校のボス的存在のパック(リョウン)、テコンドー経験者のコタク(イ・ミンジェ)と出合い、また大切な友人ができたことで、再び暴力に立ち向かっていくと。学校というひとつの巨大コミュニティのなかで生じる様々な試練や葛藤、孤独や不安。それらを繊細に描いていて、考えさせられることが多いんですよ。メッセージ性が強い作品だけに、当事者であるティーンエイジャーはもちろん、大人も一緒になって観るべきドラマだと思います。(エディターK)

10位/ナインパズル【スリラー×ミステリー】

韓国ドラマ『ナインパズル』場面写真 2025年上半期のスペシャルベスト10

『ナインパズル』ディズニープラス スターにて独占配信中 (c) 2025 Disney and its related entities

『梨泰院クラス』のキム・ダミと『私の解放日誌』のソン・ソックがバディを組む本格派ミステリー。10年前にダミ演じる高校生のイナが叔父の他殺体を発見。その後の記憶をなくしているイナは第一発見者にして有力な容疑者だったのだけれど、証拠がなく事件は迷宮入りに。その捜査にあたっていたのがソック演じる刑事ハンセム。彼は10年後の今もイナを犯人と疑って独自に捜査を続けているのだけど、そんな中、第2の殺人が発生。10年前の事件の遺体の側には奇妙な絵柄のパズルが残されていたのですが、その絵柄と同じパズルがイナのもとに。現在イナは警察庁のプロファイラーとなっていて、ということで、ハンセムは自分が疑うイナと組んで捜査するハメになるのですが、はたして、犯人は誰なのか。パズルは何を示しているのか。事件の裏に何が隠されているのか。誰もが怪しく思えてくるミステリー要素の面白さはもちろん、いちばん楽しませてくれるのが、やっぱりダミとソックのケミ。真面目で実直な捜査の虫のハンセムが最初はイナを疑いながらも、天才的で奔放なイナにどんどん振り回されながら互いに大切な存在になっていく関係性がチェゴ。演出のユン・ジョンビン監督のコネを駆使した豪華カメオ出演の贅沢すぎる使い方もすごい。(さすらいのライター山崎)

【韓国ドラマ ナビゲーター】
さすらいのライター 山崎敦子
『最高の愛 〜恋はドゥグンドゥグン〜』より韓国ドラマに魅せられ、日々最新ドラマをリサーチするさすらいのライター。さまざまなジャンルを渡り歩き、今では美容記事に携わること多し。サバイバルオーディションも大好物で、今の推しはENHYPEN。推しの俳優は絞りきれないほど多数。エクラwebでも韓流連載執筆中。

韓ドラ追っかけ班/エディターK
母の影響により、第1次韓流ブームの火付け役となった『冬のソナタ』から韓国ドラマの世界へ足を踏み入れる。「寝不足だけど幸せ」を合言葉に、約22年間あらゆるジャンルの韓流ドラマを観続けている。ドラマに加え、アイドル、コスメ、ファッションなど、日々韓国まわりの情報をキャッチアップ。ドラマを観るたびに推しの俳優が増えていく毎日です。