【2024年上半期の韓ドラBEST10】韓国ドラママニアが選ぶ、必見名作。王道ロマコメから迫力スリラーまで、チェックしておきたい話題作を総覧!

2023年下半期のスペシャルBEST10の発表から半年が経ち、またしてもとんでもない名作韓ドラが続々と誕生!! キム・スヒョン3年ぶりのドラマ復帰となった『涙の女王』や、空前のピョン・ウソクブームを巻き起こした『ソンジェ背負って走れ』など、大人が心打たれるロマンスものはもちろん、ファンタジー、スリラー、ヒューマンとあらゆるジャンルが勢揃い。その中から、SPUR.JP韓ドラ班が勝手に(!)泣く泣く選んだラインナップと順位を参考に、マイ・ベスト・韓ドラを見つけてみて。(※本記事では、6月26日(水)時点で最終話の放送・日本での配信を迎えている、または放送予定だったドラマから選んでいます)。

2023年下半期 おすすめ 韓国ドラマ

写真左上から時計回りに Netflixシリーズ『涙の女王』独占配信中・『ソンジェ背負って走れ』 U-NEXT独占配信中 © CJ ENM Studios Co., Ltd.・『ワンダフルワールド』 ディズニープラス スターで独占配信中 ⓒ SAMHWA NETWORKS. All Rights Reserved.・Netflixシリーズ『ヒーローではないけれど』独占配信中

1位/涙の女王【ロマンス】

Netflix韓ドラ『涙の女王』2023年上半期おすすめ韓国ドラマ 場面写真
Netflixシリーズ『涙の女王』独占配信中

『愛の不時着』の脚本家×キム・スヒョンという組み合わせだけでも、どんだけ面白いか想像に難くないのはもちろん、いやいや、その想像を超えてめちゃんこ楽しませていただいた点からすれば、やっぱり今期No.1の傑作です。財閥の娘と新入社員の世紀の結婚。それから3年目の離婚危機。そして、妻の余命宣告と財閥家乗っ取りを狙われる不穏。からの再びのロマンス。そう、韓国ドラマあるあるの目白押しなのではありますが、古臭いどころか洗練ささえ感じる巧みな演出は、「あえて“あるある”で調理しましたけど、何か?」的な作り手の自信とそれを裏付ける完成度の高さがひしひし。財閥の娘役のキム・ジウォンは、これまでのどの作品よりも超絶麗しく、氷のように冷たい眼差し&態度と、実はピュアで優しい内面とのギャップの表現に圧倒されることしきりなのですが、個人的にはやっぱりキム・スヒョン。冷酷な妻と理不尽な財閥家にボロボロにされていくスヒョンがとにかくおかしいし、めちゃんこキュート。コメディが上手い人が真の演技派と言われるけれど、三枚目だけに終らずどんどん強く優しく頼もしくなっていく二枚目ぶりも超絶カッコ良く、さすが!(さすらいのライター山崎)

キム・スヒョンにすべてを持っていかれた感がヒシヒシ。百想芸術大賞でもふとした瞬間にヒョヌの愛嬌を披露するし、一体どこまで私たちを沼らせる気なんですか!? 3年待った甲斐があると思えるくらい、酔っ払うスヒョン、泣き喚くスヒョン、戦うスヒョン、一途なスヒョン、真剣なスヒョン、愛嬌満載のスヒョンetc.。本作だけで彼をマルっと堪能できるファン泣かせの作品に仕上げている素晴らしさ。物語としては財閥と一般人のロマンスという入口は韓ドラ常套句でありながら、財閥ならではのドロドロ、恋愛のいざこざやすれ違い、とびきりのロマンス、ひと匙のエッセンスでスリラー要素を投入。パク・ジウン作家らしい『愛の不時着』『青い海の伝説』『星から来たあなた』の類似ポイントをふんだんに盛り込み、エンタメとして存分に楽しめる仕掛けに。リアルとファンタジーの境界線をはっきりと分断せず、曖昧にしているところもいい。加えてキム・ジウォンとのリア恋感が絶妙でしたね。ラブに関する若干の物足りなさをメイキング動画で後出しするのもニクい! 沼落ち必至です。(エディターK)

2位/ソンジェ背負って走れ【タイムスリップ×ロマンス】

2024年上半期おすすめ韓国ドラマ ピョン・ウソク 『ソンジェ背負って走れ』
『ソンジェ背負って走れ』 U-NEXT独占配信中 © CJ ENM Studios Co., Ltd.

やっぱりピョン・ウソクです。やっぱり、ソンジェです。物語の始まりは、アイドルスターのソンジェが転落死するという衝撃的なシーン。彼を推していたヒロインのソル(キム・ヘユン)が偶然、高校時代にタイムスリップするのですが、ソンジェが実は高校の同級生と知ったソルが、彼を救おうと未来を変えるべく奔走し……と書くと、夢見がちな少女漫画かと思われそうですが、これがどうしてどうして、え、え、どうなっちゃうの〜〜〜!というカラクリが複雑に仕組まれていて大人でも夢中になること必至。面白いのは、ソルが時代を何度も行き来する度に、ふたりの状況も関係もガラリと変わっているところ。ソンジェを演じたピョン・ウソクは、アイドル歌手、高校の水泳選手、大学生、トップ俳優と、同じソンジェなのにまったく違う設定を好感度高く絶妙に演じ分けていて、おまけにそれが韓国で大評判。『コッパダン〜恋する仲人〜』や『青春の記録』から応援し続けている身としては、やっと日の目を見たね!と目頭熱く。ソンジェは実はソルに片想いしてたんだよね〜という設定も心憎く。ソンジェの一途な優しさと愛に大人になってかなり久しい私もすっかりメロメロです。(さすらいのライター山崎)

日本でこんなに静かというか、話題になっていないことが惜しい。それくらい韓国では大ヒット中、大ムーブメントが巻き起こっているドラマです。本作の最終回リアルタイム視聴イベントの商品がピョン・ウソク演じるソンジェの等身大パネルだったんですが、それを実際に抱えて走るファンの姿が撮影され、「まさにソンジェ背負って走ってる!」とSNSでバズるほど、凄まじい人気っぷりなんですよ。ラブコメ好きは有無を言わせず今すぐに、非ラブコメ派であっても騙されたと思って観てほしいと強く推したい作品。なかなかここまでのめり込めるラブコメって1年に誕生するか否かレベルだと思うんです。引きのある脚本は大前提に、作品の印象を圧倒的に左右するのが、メインキャストの熱量。毎度神がかっているへユンの泣きの演技、大ブレイクを遂げたウソクの一途すぎるナイト感、そして最高級のふたりのケミ。本作はすべてが揃い踏みなので、大人が興醒めすることなくハマれるラブコメになっています。疲弊した心のエナジー補給としても、ぜひ。(エディターK)

3位/ヒーローではないけれど【超能力×ヒューマン×ロマンス】

Netflix 2024年上半期おすすめ韓国ドラマ『ヒーローではないけれど』 の場面写真
Netflixシリーズ『ヒーローではないけれど』独占配信中

私的今期のNo.1は実はこの作品かもしれません。と思えるほどめちゃくちゃ好み。チャン・ギヨンの除隊後復帰作としても話題だったドラマは、なんと超能力一家のお話。彼らは、うつ病に不眠症、過食性肥満という現代病で能力不能に陥っているのだけれど、ト・ダヘ(チョン・ウヒ)という実は結婚詐欺師と関わることで、なぜかその能力が甦えり始めるというのがドラマの発端。チャン・ギヨン演じるギジュは元消防士。「幸せと感じた過去に戻れる」という、なんじゃそれは?的な能力があるのだけれど、実は娘が生まれた日、とある高校で火災が発生、自分の代わりに現場に駆けつけた同僚が殉職……。つまり、人生でいちばん幸せだった日はいちばん悔やまれる日に。しかも、同僚を救おうと何度も過去に戻っている間に妻が交通事故死……。ということで、なんじゃそれは?的な彼の能力に深い意味とカラクリがあるわけなのです。家族の能力もそれぞれに必然性があり、ギジュとト・ダヘにも何かがある! その伏線というか、繋がりというか、過去と未来というか、超能力というか、すべてがすべてに意味があり、それらがピタリピタリとはまっていくラスト2〜3話。もう、号泣&感動の嵐です。(さすらいのライター山崎)

12話なんて短すぎる……と悲しくなるほど、よかった。でも12話だからこそまとまりがあって良かったのかもしれません。個人的にかな〜り好みの作品です。想像以上の良作だと太鼓判を押します。最後の最後まで伏線回収が素晴らしく、自分が存在する意味は?と葛藤し、向き合い、少なからずそのアンサーを受け取れる作品だと思っています。もちろん現実的に考えたら「そんなうまくいくはずが!」とツッコミを入れたくなる部分もありつつ、そこがファンタジーロマンスの良さでもある。軽やかに現実逃避できるリズム感と、夢を感じられるラストがいい。酸いも甘いも噛み分ける、まさにこの人、ギヨンと、コメディもメロもお手の物のウヒとのケミも最高レベルです。色気ダダ漏れのギヨンを観たい人は今すぐに視聴ボタンを押してください。しかも物語に深みを生んでくれたな〜と感謝を述べくなる功労者こそ、天才子役のパク・ソイ。ギヨン演じるギジュの娘イナ役です。子どもながらに抱える孤独と思春期ならではの危うさを絶妙に演じてくれたおかげで、ギヨン初のアッパ役も違和感がなかった。ああ、この先の物語も観たいなぁという気持ちが消えません。(エディターK)

4位/砂の上にも花は咲く【ヒューマン×ロマンス×サスペンス】

Netflix 2024年上半期おすすめ韓国ドラマ チャン・ドンユン『砂の上にも花は咲く』
Netflixシリーズ『砂の上にも花は咲く』独占配信中

地味に見える。けれど一気に沼落ちさせる吸引力がすごい。私的2024年の隠れ名作ヒューマンと言っても過言ではない部類のドラマだと思っています。それくらい心に響いた! 韓国の伝統の格闘技シルム、いうところの相撲です。これが題材となっているために、若干地味?と感じてしまったり、興味関心度が偏ったりがありそうですが(かく言う私も1話の冒頭で長らく止まっていた)、1話の終わりには惹きつけられ始め、3話4話あたりにはもうノンストップ視聴。「もっと早く観ればよかった!」と後悔するくらい、シルムという競技のアツさ、未解決事件の謎、チャン・ドンユンとイ・ジュミョンの探り合いラブ、そして閉鎖的な街ならではの生きづらさや問題提起もしっかりと表現してくれている。ミステリー、ヒューマン、メロの配分が完璧で、大人の心に刺さる作品なんですよ。しかも14キロ増量して挑んだドンユンが、方言の魔力と相まって可愛くて可愛くて仕方がない現象に陥ります。演技派のジュミョンとの方言の掛け合いが本当の幼なじみみたいで感情移入できますし、語り出したらキリがないほどいい。またひとつインセンドラマに出合いました。(エディターK)

5位/ワンダフルワールド【復讐×社会派】

ASTRO チャ・ウヌ 2024年上半期おすすめ韓国ドラマ『ワンダフルワールド』
『ワンダフルワールド』ディズニープラス スターで独占配信中 ⓒ SAMHWA NETWORKS. All Rights Reserved.

ウリ(私たちの)ウヌが初めてダークなキャラに挑んだことでも話題の本作。その美しい顔立ちとは裏腹な筋肉隆々の身体といい、二転三転する複雑な役柄といい、苦悩に満ちた表情にあふれ出る涙といい、ウヌの新しい一面を堪能できるのはもちろんですが、それ以上に魅せられるのが主演のキム・ナムジュ。とにかく、その逆境たるや凄まじい。彼女が演じるヒロインは教授にして有名作家。庭のある大きな家にはジャーナリストの夫と可愛い一人息子。絵に描いたような幸せな生活も束の間、幼き一人息子が交通事故で轢き殺された挙句、罪に問われることなく、反省すらしない轢き逃げ犯を自ら轢き殺して服役。さらに、信じていた夫にさえ……。もう、これでもかというほどのどん底の嵐。にもかかわらず、ヨヨヨと泣き崩れて終らないのです、キム・ナムジュは。再起不能なほど打ちのめされても、すでに瀕死の状態なのに、壮絶なる悲しみと絶望を胸に秘め、真実へと立ち向かっていくわけです、倒れても倒れても立ち上がる不屈のボクサーのごとく。ドラマのタイトルはベトナム戦争を憂い書かれたルイ・アームストロングが歌うあの名曲。そのメロディが心にじんと響きます。(さすらいのライター山崎)

6位/サムダルリへようこそ【ヒューマン×ロマンス】

Netflix 2024年上半期おすすめ韓国ドラマ『サムダルリへようこそ』
Netflixシリーズ『サムダルリへようこそ』独占配信中

サムダルリという済州島の架空の村を舞台に、ヒロインのサムダル(シン・ヘソン)と村の気象予報官として働くチョ・ヨンピル(チ・チャンウク)との復活ロマンスを主軸に、彼らの家族や幼なじみなど村に暮らす人々の繋がりを、のどかな風景の中に映し出していくコメディタッチのヒーリングドラマです。サムダルは、村を出てソウルで写真家として成功するのですが、仕組まれたスキャンダルにより失脚、身を隠すように村に戻ることに。彼女の幼なじみのヨンピルは、世間からバッシングの嵐のサムダルに寄り添いながら、彼女が自信を取り戻すよう手助けしていくという流れなのですが、彼は天才的な予報能力を持ちながら、出世コースのソウルへの異動もなぜか断り続けて村に残っている設定。実はふたりは以前恋人同士で、ある事情から別れてしまった過去もあり。なぜ、ふたりは別れてしまったのか、なぜ、ヨンピルは村に残っているのか。そこを紐解くうちに見えてくるのは、彼らの家族や村の人々のさまざまな人生。悲しみと、後悔と、優しさと、愛と。胸にじ〜んと響く彼らの想いに涙しながら、優しい気持ちになれるドラマです。(さすらいのライター山崎)

7位/私の夫と結婚して【復讐マクチャン】

パク・ミニョン 2024年上半期おすすめ韓国ドラマ 『私の夫と結婚して』
Amazon Original 『私の夫と結婚して』Prime Videoで独占配信中 © Studio Dragon by CJ ENM

今年の初め、私の周囲では“「私の夫〜」観た?”という挨拶が終始飛び交っておりました。実質人気でいえば間違いなくトップ3。スレギ夫に虐げられた挙句末期がん宣告、さらに唯一の親友と夫の浮気現場目撃からの夫に殺されるヒロインが、気づいたら10年前に戻っていたという人生挽回復讐物語です。ヒロインを演じるのはパク・ミニョン。37kgまで減量した頑張りもさすがですが、ウジウジと流されるままだったヒロインが、人生を挽回すべくどんどん美しく洗練され強く逞しく成長していく姿や、実はミニョン演じるジウォンに片思いだったイケメン上司ナ・イヌの助けを借りて夫と親友に復讐していくさまは確かに痛快。でも、ちょっと待って。確かに復讐ではあるけれど、自分の不運を誰かに肩代わりさせないと運命を変えられないというルールはあるけれど、とどのつまり殺人ですよね、それ。この先何が起こるか知り尽くして復讐相手を陥れる策を嬉々として練り合うミニョンとナ・イヌさまに一抹の恐ろしさを感じずにはいられないのは私だけ?  「いや、ドラマだからさ」と諭す友人。とはいえ「はて〜」となってしまう私なのです……。(さすらいのライター山崎)

8位/殺し屋たちの店【スリラー×サスペンス】

2024年上半期おすすめ韓国ドラマ 『殺し屋たちの店』イ・ドンウク
『殺し屋たちの店』 ディズニープラス スターで独占配信中 © 2024 Disney and its related entities

殺戮シーン目白押しですが、一気にのめり込んでしまった超スリリングなサスペンスです。イ・ドンウク演じる叔父が亡くなった後、突然謎の殺し屋集団から命を狙われることになった普通の大学生ジアン(キム・へジュ)。彼女はなぜ命を狙われるのか、プロの殺し屋の怒涛の攻撃から生き延びることができるのか。とにかくそのドラマ序盤から、何?何?何?の連続で、まったく先の読めない展開に度肝を抜かれるというか。意味不明の連続なのに、迫り来るゾクゾクする緊張感が圧巻で、もはや釘付け。ノワールドラマ数々あれど、こんな視点も残っていたのか!と改めて韓国ドラマの奥深さとクオリティの高さに圧倒されまくり。ジアンを演じたキム・ヘジュンは、『キングダム』の王妃役で尋常じゃない存在感と演技力を発揮していましたが、本作では生き残りを賭けた壮絶な戦いっぷりと、少女らしい繊細さをのぞかせる高度な表現力がこれまでに増して素晴らしすぎる〜。イ・ドンウクの抑制の利いた演技もため息もので、ちょっと苦手だった彼に今や夢中。次、必ずあるよね、というラストなだけに、シーズン2が待ち遠しくてなりません。(さすらいのライター山崎)

9位/もうすぐ死にます【転生×スリラー×社会派】

2024年上半期おすすめ韓国ドラマ『もうすぐ死にます』の場面写真
『もうすぐ死にます』Prime Videoで独占配信中。© 2023 TVING

強烈なタイトル同様に、ストーリーも強烈。主人公ソ・イングク演じるイジェが自殺を図ったことにより、架空の世界で“死”という存在のチュグム(パク・ソダム)と出会い、そこから命の重さを知れと「もうすぐ死ぬ運命の人(12人)」に強制転生させられるという。もちろん平凡な人など皆無。強烈すぎる毎日を過ごすことになり、常に己の死と向き合うという構成です。このドラマを観ながら、「生きているだけで丸儲け」、この言葉が何度も頭をよぎりました。決して軽い気持ちでは観られないですし、エピソードにもよりますが日曜の夜に観ることは到底おすすめできません! けれど、観るべき作品のひとつだなという実感があります。イングクは常に誰かに転生しているので、変な話あまり主人公感がないんですよ。しかも転生相手はSUPER JUNIOR シウォンから、ソンフン(しかもものの数秒でいなくなる)、若手実力派のイ・ジェウクやイ・ドヒョン、名俳優オ・ジョンセまで。名だたる俳優たちが出演している意味と凄みを感じざるを得ません。(エディターK)

10位/殺人者のパラドックス【スリラー×サスペンス】

Netflix 2024年上半期おすすめ韓国ドラマ『殺人者のパラドックス』チェ・ウシク ソン・ソック
Netflixシリーズ『殺人者のパラドックス』独占配信中

不可避な色気で大人たちを魅了するソン・ソックと、通称“ウガウガファミリー”で愛らしい姿を披露するチェ・ウシク。共通点は両者ともに演技派であるということ。複雑な思考で絡み合う、現代社会における正義と悪。気持ち悪さを感じるほど、その曖昧すぎる境界線が描かれていますし、ドラマを観ていて、自分が信じる正義にさえ不信感を覚えるような、妙な違和感がずっと拭えないんです。誰にでもあるような少しのコンプレックスを抱える青年タン(ウシク)の弱さとおごりによって巻き起こされる“パラドックス”。フツーの大学生だったタンが、ひょんなことから悪を悪で裁く殺人者と化し、鋭い眼光でタンを嗅ぎつける敏腕刑事ナンガム(ソック)がハラハラする攻防戦を繰り広げ、果たして行き着く先にはなにがあるのか? そんなストーリーの行方はもちろんのこと、本作の演出方法もかなり独特なんですよね。臨場感はありながらも、大事なシーンはきちんと秒数を使ってスローモーションで魅せるとか。タンのジャンプシーンが今でも脳裏に焼き付いて離れません。(エディターK)

【韓国ドラマ ナビゲーター】
さすらいのライター 山崎敦子
『最高の愛 〜恋はドゥグンドゥグン〜』より韓国ドラマに魅せられ、日々最新ドラマをリサーチするさすらいのライター。さまざまなジャンルを渡り歩き、今では美容記事に携わること多し。サバイバルオーディションも大好物で、今の推しはENHYPEN。推しの俳優は絞りきれないほど多数。エクラwebでも韓流連載執筆中。

韓ドラ追っかけ班/エディターK
母の影響により、第1次韓流ブームの火付け役となった『冬のソナタ』から韓国ドラマの世界へ足を踏み入れる。「寝不足だけど幸せ」を合言葉に、約20年間あらゆるジャンルの韓流ドラマを観続けている。ドラマに加え、アイドル、コスメ、ファッションなど、日々韓国まわりの情報をキャッチアップ。ドラマを観るたびに推しの俳優が増えていく毎日です。