京都といえばの和食は、おいしく気軽な新店が。それ以外の選択肢も大充実。
御所南
木山(きやま)
背伸びしても味わいたい。だしが香り、五感で楽しむ京懐石
「本格的な懐石料理の店に訪れるのははじめて。見た目もきれいな椀ものは、テンションが上がりますね。だしの香りもいい」と永野さん。数寄屋建築の大工が手がけた凜と美しい店内。ひきたてのだしで仕立てた椀をいただく。ストライプシャツ¥124,000・ニットドレス¥126,000/メゾンマルジェラ トウキョウ(メゾン マルジェラ)
まずは目で楽しみ、味わい、余韻までおいしい
店主、木山義朗さんは、「和久傳」で15年半、腕を磨いた実力派であり、今年4月のオープン以来、食に一家言ある地元の人の間で注目の的だ。奇をてらわない正統な料理がしみじみおいしく、特に煮物椀は秀逸。カウンターの目の前で削った削り節を、昆布だしに加え、漉すところから始まり、まさにひきたてのだしを使って椀に仕立てられる。食後には井戸水で点てた薄茶と生菓子も供され、コースの最初から最後まで上品で滋味深く、心と体にスーッと染み渡る。
1 茶懐石ではまず炊きたてのごはんが一口分出されることにちなみ、飯蒸しからスタート。この日はアワビとナマコの卵巣を天日干ししたバチコを使用
2 この日の煮物椀は蟹しんじょうと湯葉。澄み切っただしが蟹のうま味を引き立てる
DATA
住所:京都市中京区堺町通竹屋町下ル西側 ヴェルドール御所1F
電話:075-256-4460
営業時間:12時~13時30分 18時~19時30分(ともに最終入店)不定休
※予算 昼¥10,000~、夜¥15,000~
西院
Maker
唯一無二な空間でいただく、個性あふれるスパイス&ハーブ料理
店主・吉岡慶さん自らが3年かけてリノベーションした店内には、長年集めていたアンティークを配して。インダストリアルランプが吊り下げられた大テーブルや真鍮張りのキッチンなど、どこを見てもフォトジェニック。料理は素材の味を生かすため、調理や味つけは極力シンプルに。スパイスやフルーツを使ったアクセントづけも見事。
3 甘酸っぱいブドウと焼き茄子のバルサミコマリネ¥1,100
4 知らないお客さん同士もひとつのテーブルを囲んで食事を
5 9種類のスパイスがかかったクリームチーズは、クラッカーやコリンキーにつけて味わって。クリームチーズとスパイスのディップ¥750
DATA
https://www.makerkyoto.com/
住所:京都市右京区西院三蔵町49
電話:075-950-0081
営業時間:18時~24時
定休日:月・火曜
※予算¥4,000~
鳥丸
芹生
季節の食材のよさを生かす、炭火の技が感じられる一軒
京都の名店「割烹 やました」で10年間腕を磨いた芹生玄さんによる炭焼き料理が味わえる店。料理は全10品前後のおまかせコース(¥6,000)のみで、メインの焼き物は魚・鶏・鴨・牛(+¥1,000)から事前に選べる。料理はシンプルな味つけながら、どれも旬の素材のうま味がぎゅっと凝縮された絶品。目の前の炭火台で焼かれるライブ感も楽しい。
6 白ずいきの生姜煮は、上鴨の女性作家、板原摩紀さんによるうつわにもこだわりが
7 芹生さんのお母さまの自筆による店の看板
8 秋口は脂がのってよりおいしくなる、のどぐろの塩焼き。これからの季節のメイン料理は本鴨もおすすめ
DATA
住所:京都市中京区占出山町299 ヒラタビル1F
電話:075-744-0488
営業時間:11時30分~14時(ランチ要予約) 17時~23時(LO)
定休日:月曜、第3日曜
※予算¥7,000~
祇園
わしょく 宝来
肩肘張らず、旬のおいしいものを。居酒屋以上割烹未満のちょうどよさ
旬の料理を単品で注文できる気軽なスタイルながら、おなかの具合や人数に合わせて一皿のボリュームを調節してくれたり、取り分けが可能な料理は、小皿で人数分出してくれたり、割烹のような柔軟さが魅力。白木を基調にした店内も明るく、カウンターに座れば、店主・宝来剣太さんが魚をさばく姿も間近で楽しめ、臨場感たっぷり。
9 蓮根まんじゅう¥700
10 (上)脂がのっていて塩のみで味をつけたとは思えないうま味感。炭火でじっくり火入れし、骨まで食べられる のどぐろ¥1,500。(下)血抜きも丁寧にしてあり、臭みもなし。柔らかな鴨ロース¥600
11 料理人歴11年の宝来さん
DATA
住所:京都市東山区東大路通新橋上ル林下町438
電話:075-561-2834
営業時間:17時~22時(最終入店)
定休日:日曜、月曜(月1回)
※予算¥5,000~
二条城南
Ristorante 野呂
イタリアンを軸に洋食や和の要素も、経験豊かなイタリア料理人の集大成
ホテルグランヴィア京都のリストランテの元料理長、野呂和美シェフが独立。イタリア料理店ながら、前菜にイワシの昆布締めがあったり、メインにメンチカツがあったり。「年配のお客さんも多く、喜んでもらいたくて」と、野呂シェフ。パスタはメニューリストがなく、一から相談して作ってもらうスタイルも特別感に浸れる。
12 スパゲッティーニ ウニと秋なすの軽いトマトクリームソース¥1,780(0.7人前)
13 野呂シェフの出身地である青森のしょうゆを使った京丹波高原豚のトンテキ・リンゴしょうゆソース¥3,360
14 シェフのトークに笑いの絶えないカウンター
DATA
住所:京都市中京区西ノ京職司町67の14
電話:075-823-8100
営業時間:11時30分~13時30分(LO)、17時30分~20時30分(LO)
定休日:月曜、火曜(月1回)
※ランチセット¥1,800〜、 夜の予算¥10,000〜
SOURCE:SPUR 2017年11月号「永野芽郁と、あたらしいKYOTO」
photography:Yuki Kumagai(model, 1・2),Elephant Taka(3〜14), model:Mei Nagano〈Seventeen model〉 styling:Kayo Yoshida(model) hair & make-up:Miyuki Yoshida(model) coordination & text:Junko Amano(Maker, Washoku Horai, Ristorante Noro, Kiyama)
着たい服はどこにある?
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