──映画『スーサイド・スクワッド』への出演を決めた理由は?
“スーサイド・スクワッド”が何か私は知らなかったんです。子供の頃にコミックを読んでいなかったし、あの世界にはなじみがなかったの。でもデヴィッド(・エアー)は、私がどうしても組みたい脚本家であり、監督だったのです。『トレーニング ディ』(2001)は傑作で、『エンド・オブ・ウィッチ』(2012)なんて4回は観たし、『フューリー』(2014)も素晴らしかった。デヴィッドと私は、たぶん20分ぐらいインターネット通話で話をして、彼からごく大雑把なコンセプトの説明を受けて、私は出演を決めました。
──本作では邪悪なヒロインのハーレイと知的な女医ハーリーンの二役を演じられましたが、どういう点に留意して演じ分けましたか?
ハーリーンからハーレイに変わっていく部分というのを描いてくれて、すごくうれしかったわ。というのは私にとって二人は、お互いがお互いのキャラクターを形作っていると思っているから。全く違う二人の人物という風に描くのではなくて、例えば精神分析医ハーリーンだった頃に相手の心が読める力を持てていたからこそ、ハーレイには人の心を読み操ることができるスキルがある。このシーンは残念ながらカットされてしまったんですが、まさにそれをアドバンテージとして使って『スーサイド・スクワッド』の面々の弱みをつついていくというのがあったくらいなんですね。そういう風にお互いのキャラクターが基にあるということがとても興味深くて、そこに気をつけました。
──ハーレイはヒーロー or ヴィラン(悪役)?
クレイジーな人って、自分がクレイジーだということを自覚していないんですよね。悪人も同じだと思います。ある状況の中でベストなリアクションをしているだけなのに、人によってはそれが悪党的な行為だと思われる。だから演じている時も「悪いことをやっている」という思いではなくて、「その人にとってそれしか方法がないんだ」という思いで演じるべきだと思いました。ハーレイにも良心があると思いますが、時にはその良心を無視して攻撃的な行為に出たりする。ひどいことをしてしまうのは、内側に持っている痛みの裏返しなんじゃないかなと思うんです。