《牛乳を注ぐ女》独特の技で光を描く絵からガラスジャグとパンかごを

当時の日常の一場面を、美しい光と繊細な描写で写し取った《牛乳を注ぐ女》。フェルメールの代表作で、線遠近法やポワンティエ(点綴技法)などの絵画技法を用いたことでも有名。特にパンの上などに白い絵の具を点々と置いて、光の粒が輝いているように見せるポワンティエは、フェルメールが"光の魔術師"と呼ばれる理由の一つになっている。ここに描かれたジャグとパンかごを、今日の題材として置き換えたのがこの二つのアイテム。ジャグは、スウェーデンのガラス工房、スクルフからベルマンシリーズのものをセレクト。曲線と直線のバランスが美しいフォルムは、スウェーデンを代表するデザイナー、インゲヤード・ローマンのデザイン。丸かごは、宮城・鳴子生まれのあけび蔓細工専門職人、和島常男の手によるもの。一重編みの端正なかごは、和洋どちらのシーンでも自然に納まる。

(上)ベルマン ジャグ〈H20×W14×D18〉¥13,400/シボネ青山(スクルフ) (下)あけび丸かご〈H8×W37〉¥50,000/キコ(和島常男)

《牛乳を注ぐ女》 1658-1660年頃 アムステルダム国立美術館 Rijksmuseum. Purchased with the support of the Vereniging Rembrandt, 1908

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