人材派遣会社・事務 ⇌「LAURENCE.」ドライフラワーアーティスト 渡邉美咲

事務職で収入を得て、花の仕事に邁進 

 「花の仕事は大好きなんですが、まだ収入の面で不安があります。将来花の仕事一本でやっていくために、今は契約社員として働いています」

 渡邉美咲さんはドライフラワーの魅力を伝えたいとワークショップやイベントなどで活動しているフローリスト。その傍ら人材派遣会社で事務の仕事をしている。花は好きだったけれど仕事としては考えられず、セレクトショップに正社員として就職。数年後、偶然「MAG BY LOUISE」のフローリスト河村敏栄さんの記事を発見した。全然違う道からでも花の仕事ができるのだと勇気を得て、河村さんのアシスタントに。

「河村さんにアドバイスをいただいて、アシスタントをしている間に自分のやりたい方向性も固まっていきました。ドライフラワーは茶色くてあまりきれいではないイメージを抱いている人が多い。でも本当は色があって可愛いというドライのよさを伝えたい、そして、お花を買って家に飾るという機会をもっと増やしたいと思ったんです」

 独立して約2年。まだ二刀流状態だが念願のフローリストに。平日は退社後、休日も丸々花の仕事にあてている。あくまで花がメインで事務はサブ。

「事務仕事は肉体的には楽。花の仕事は朝から生花市場で仕入れたり夜遅くまで作業をしたりして体力を使うので、昼間はなるべく体力を温存。昨年末に大きな花の仕事をいただいて半徹夜状態が1カ月続きましたが、終わったあとは心地いい疲れを味わいました。休みがなくなるのもやりたいことをやっているから当たり前という気持ちです」

 将来的には花の仕事だけで生活を成り立たせたいと考えている。できれば29歳のうちに。そしてその先はショップを持つという願望もある。

「今のところ事務の仕事は収入を得るためと、割り切って働いています。でも会社の同僚は、その仕事が好きでスキルアップしたいと頑張っている。その姿を見ると、ときどき自分との熱量の違いが苦しくなることもありますね。やっぱりやる気や向上心は大事。だからいつまでもこの状態を続けていてはいけないなと思っています」

渡邉美咲/わたなべ みさき
セレクトショップ勤務後、代々木上原の「MAG BY LOUISE」のアシスタントを経て独立。ドライフラワー専門のウェブショップ「LAURENCE.」をスタート。上の作品は、花の仕事はピンク系、会社の仕事はグリーン系で表現。個々をイメージしたスワッグをつないだ。

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