“大地の果て”知床には、生命力があふれていた

知床は、日本百名山に選ばれている羅臼岳、斜里岳があるから長く気になっていた場所。羽田空港から女満別空港まで飛行機で約2時間、車で約1時間半。飛行機ってありがたいですよね。朝7時すぎに出発して、昼頃にはもう知床に着いているんですから。ひたすら考え事をしながら、黙々と登る登山が好きな僕ですが、今回はリラックスできるような行程にして羽を伸ばそうと思います。

知床の地名の由来はアイヌ語の「シリ・エトク」(大地の果てるところ)。名前の通り、知床半島の断崖絶壁の地形は人を寄せつけず、豊かな自然が今でも守られていると聞きました。

それってどんな地形なんだろう? 地図を見ていてもピンとこないから、海と陸の両方から海岸線の姿を実感できるような行程に。到着した初日は、観光船「おーろら」に乗って海から知床半島を眺めます。翌日は船から見えた海岸線をたどるようにガイドさんと一緒にけもの道を歩きました。いろんな視点、方法で同じ場所をなぞることで、立体的に理解できたような気がするんです。ただ、見る、歩くではなくて、地形や歴史、文化といった点と点とがつながる。その土地のことを深く知りたい僕にとっては、それがわかった瞬間に、人間の生命力ってすごい、日本って奥深いなと思うんです。

そして、僕のひそかな楽しみは野生動物です。黒い靴下をはいたようなキタキツネが野良犬のように駐車場の近くをうろうろしていたり、鹿が家族で大移動していたり。それから、キムンカムイ(山の神)と呼ばれるヒグマ。知床はヒグマと共生しようとしている地域なので、「先週見たよ」「これから歩く道にいました」と緊張感あふれる言葉を飲食店の方たちやガイドさんから聞きました。動物がどういうふうに生きていくのか、その生涯に興味があるので、遭遇したい!

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