【TRIP 01】知床の森を歩く

エゾシカ、リス、エゾチッチゼミ……。本州とはまったく違う命が生きる森。 ガイドさんのていねいな案内のおかげで森の姿が見えてきた。

けもの道ガイドウォーク

けものだけが知っている、森の本当の姿

春から夏はヒグマの繁殖期のため、基本的にガイド同行でなければ入れないコースが多い。今回、「けもの道ガイドウォーク」を提案してくれたのは数々のネイチャーツアーを主宰する「シンラ」代表の岩山直さん。「ガイドブックには載っていない、われわれガイドだけが知っているコース。小学生でも歩けるような道ですが、道なき道を越えた向こうにある絶景、動植物の生態からは森の豊かさを存分に感じられますよ」

●北海道斜里郡斜里町ウトロ西187の8(シンラ)
0152-22-5522
営業時間 9時~19時 www.shinra.or.jp
※けもの道ガイドウォークは要問い合わせ

【TRIP 01】知床の森を歩くの画像_1

鬱蒼とした森を抜けたら「秘密の花園」ならぬ「秘密の草むら」へ。右手は、波しぶき上がる断崖絶壁、この風景の変化が面白い。

【TRIP 01】知床の森を歩くの画像_2

「ヒグマがいるかもしれない」と五感を澄まし緊張感を持ってのトレッキング

【TRIP 01】知床の森を歩くの画像_3

道中、落ちていた牡鹿の角。腰の部分などの骨もあり、生命の循環を感じる

【TRIP 01】知床の森を歩くの画像_4

「チッ、チッ」と鳥にも似たエゾチッチゼミの可憐な鳴き声に耳を澄ます

【TRIP 01】知床の森を歩くの画像_5

驚くほどきれいな長方形に木を彫るクマゲラ。チプタチカップカムイ(舟・彫る・鳥・神)と呼ばれ、事前に北方民族博物館で原始的な木彫りのカヤックを見ていた井之脇さんは「本当に舟みたいに彫られてる!」と興奮を隠せず

【TRIP 01】知床の森を歩くの画像_6

 ところどころの木の見上げるほど高い位置にクマの爪痕が。「上のほうに巻きついている、サルナシの実を食べるために木登りしてるんですね」(岩山さん)
 道中、出合った鹿の家族。水玉のような鹿の子模様は、木漏れ日に紛れて天敵から身を隠すため、と聞いてまたまた驚きが 
 可愛いシマリスにも遭遇

知床五湖

湖に映る知床連山 まさに楽園!

原生林の中に5つの湖沼があり、知床を代表する景勝。ヒグマ対策のため、5月10日〜7月31日の入山にはガイドをつけての事前予約(有料)が必要。一湖まではバリアフリーの高架木道(約800m)があり、無料。

※知床五湖 高架木道通行可能時間
7時30分~18時30分(冬季は閉鎖)