暮らしも仕事も緩やかにつながる

MEMBER(右から)
野村一樹さん〈デザイナー〉
加藤杏奈さん〈研究助手〉
丹原健翔さん〈会社経営〉


 丹原健翔さんがアメリカから帰国したことをきっかけに、シェアがスタートした。はじめは、丹原さんの恋人と野村一樹さんの3人、そこに友人が加わり4人になり、2人出ていって加藤杏奈さんが入居し今の3人になった。展覧会の企画やアーティストマネジメントを行う丹原さんに東京藝大で助手を務める加藤さんが人を紹介したり、野村さんがイベントのフライヤーをデザインしたりと、仕事でつながることもあるのだそう。「信頼している親友に紹介された人たちだったので、男の人ふたりでも抵抗はありませんでした。家族や恋人だと気になってしまうことも、シェアメイト相手だと寛大になれたりするんです」と言う加藤さんの言葉に、「よく部屋を片づけてって叱られるんですけどね」と笑う丹原さん。気になったことは自然に共有するのがうまくいく秘訣のようだ。生活リズムもバラバラで、1週間顔を合わせないこともあるというが、それがいいバランスを保っている。「誰かと話したくなったら共有スペースに出てくればいい。シェアすることは何かと引き換えにしているのではなくて、単純にプラスですね」と野村さん。3人で暮らすことに期限は決めていない。流動的に変わることを受け入れているのも居心地のよさの理由かもしれない。

1 リビングスペースでくつろぐ3人。丹原さんの愛猫ターニャも一緒に
2 本棚の本は共有。みんなが持ち寄ったものが入っているのでアカデミックな学術書から雑誌までジャンルは幅広い。棚自体は、丹原さんがもらってきたもの
3 角田純さんの彫刻作品と谷小夏さんの絵。友人のアート作品が至るところに飾ってある
4 楊博さんの絵(右)、飯田美穂さんの絵(左)
5 加藤さんの部屋。「個人のベッドルームがあるのはマストですね。それさえあれば、ストレスはあまりないです」(加藤さん)
6 さまざまな人が出入りするこの家に慣れているのか、人懐っこいターニャ。丹原さんが飼い始め、今ではみんなで世話をしている。「長期不在にしても誰かが面倒を見てくれるので安心です」と丹原さん

OUR RULES
● 共有スペースをきれいに保つ。散らかさない
● 大人数のお客さんを呼ぶときは一声かける
● 冷蔵庫に入っている無記名の物は共有

FEATURE