2019.09.20

コンセプトのもとに集まって暮らす

MEMBER(右から)
尾和恵美加さん〈起業家〉
横沢ローラさん〈ミュージシャン〉
森原まやさん〈会社員〉


 血のつながりではなく「ともに暮らし、ともに働く」意識でつながった"家族"というコンセプトに賛同する60名ほどが「渋谷キャスト」と「SHO-TO HOUSE(松濤)」という2カ所の拠点で生活する「Cift」。毎日寝起きしている人もいれば、多拠点のひとつとして週末だけやってくる人、血縁家族で暮らしている人などスタイルは十人十色。横沢ローラさんは「渋谷キャスト」、尾和恵美加さんと森原まやさんは「SHO-TO HOUSE(松濤)」で暮らし、それぞれ別にも拠点を持つ。"家族内"イベントなどで顔を合わせることも多いという3人にシェア暮らしについて聞くと「食材からプリンタまでさまざまな物をシェアするし、料理人のメンバーが料理を振る舞ってくれたりとスキルのシェアも行われている。多種多様な人が集まって日々の対話も面白いんですよ」と尾和さん。「デメリットは、建物も新しく立地もよいので家賃が高いところ(笑)。でもクリエイターたちの暮らしや価値観、働き方からの学びも多く、私はここを選んでいます」と話してくれたのは横沢さん。「何をテイクするかより何をギブできるかを考えているのが心地いい。今後は拠点も増えていきそうです」と森原さん。シェア暮らしの可能性を探る実験はこれからも続いていく。

1 この日3人が集まったのは「Cift」の拠点のひとつ「渋谷キャスト」のキッチン&リビングスペース。住民が自由に使える
2 「渋谷キャスト」の共有スペースでは住民が仕事やお茶をする姿が見られた。棚には自由に借りられる本やCD。運動器具があるジムスペースもある。メンバーたちは部屋を自由に出入りしたり、会議で使うことも
3 間取り図と写真は横沢さんが借りている部屋。友人が泊まることも多いというベッドルーム。来訪があると横沢さんはメインルームのスタジオで寝る
4 スタジオスペースは防音。木材で作った簡易ロフトはもともと別の部屋にあったものをこちらに移築した。「渋谷キャスト」内の他の部屋にも同様のロフトが
5 森原さんのもうひとつの拠点は千葉の古民家。週末には友人を呼んで畑仕事のイベントを開催

OUR RULES
● 自分たちを縛るルールはつくらない
● 「Cift」メンバー内外での対話を大事にする
● 食事のシェアには、感謝の気持ちで投げ銭する

FEATURE