服作り、展覧会、出版と活動の幅は果てしなく広がる ー密着取材 Day1ー

 来年ブランド創設25周年を迎える中、いろいろなプランが同時進行中。まずこの秋から『ミナ ペルホネン/皆川明 つづく』展が始まる。

「東京都現代美術館で、やるべきことは何かと考えました。僕たちは一般的なファッションの方程式とは少し違っていて、たとえばもの作りの継続性、作る人や着る人とのつながりなどを大事にしている。そういうことを伝えたくてタイトルを『つづく』にしました」

 会場内でそのコンセプトが最も凝縮された形で現れているのが、愛用者が長年着用してきたミナ ペルホネンの服を展示しているスペース。

「長く着てきた人がずっと綴ってきた記憶と、服を一緒に展示します。それから僕たちが持っているアーカイブの服をお貸し出しし、来場者がそれを身につけて会場を回ることができる、という企画もあります」

 定番モチーフのタンバリンを解剖した部屋から始まり、400体近くのアーカイブを見せる部屋、インスピレーションのもとになったものや道具を並べた部屋も必見だ。デザイナーとしての活動は多岐にわたるが、今回は服作りにフォーカスした展示が充実している。

「服作りはまず、生地のイメージから浮かんできます。ふわふわしたさわり心地だけど裏の音はパリパリしているとか。そしてそれを具体化するためには糸、織り、加工をどうするかというプロセスを考えます。同時に形や色が立ち上がってきて、頭の中の箱に入れていき、生地とつなげていく感じです」

 生地のチーム、パタンナーなど、おのおののスタッフがそのイメージを共有し、進めていく中でさらにアイデアがあれば取り入れるなどして詰めていく。

「チーム内でアイデアが行き詰まったときは、いろいろなトライアルをするよりも、簡単な方法論で新しいことができるよう考えてみたりするんです」

 デザイナーで経営者、もの作りのリーダーでもある。その多彩な能力をこの先の活動でももっと見てみたい。

DAY 1 パリで15年目になる、2020年春夏展示会へ

春夏コレクションの展示会がパリでスタート。モードのお膝元で展示会を始めて15年目。東京よりもスペースが小さいため、すべての新作は並べられないが、毎シーズン熱心に買いつけてくれるバイヤーとも半年ぶりに再会できた。

常宿に近いヴォージュ広場では散歩や読書を

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展示会初日にスタッフの夕食を作ってくれたLe Café suédoisのアンヌさん

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展示会は毎回マレ地区の同じ会場で行う

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テーマに沿って作ったお菓子やお茶

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(Rizzoli New York/8,700円)

今秋世界同時発売されたミナ ペルホネンのビジュアルブック『ripples』

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ミナの世界観に共鳴し買いつけてくれる、よき理解者、バイヤーのエミリーさん

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