PROFILE
原 太一さん
フレンチレストランで研鑽を積み、パティシエの後藤裕一氏と「PATH」を開店。個人では「ビストロ ロジウラ」、「LIKE」のプロデュースも。
若い世代も含めて“本物の味を気軽に知ってほしい”という思いから生まれた気さくなビストロは、ダッチパンケーキが食べられる朝食からディナーまで、常に満席の人気店だ。「3月の時点で席数を半分にするなど配慮はしていましたが、手がけるレストランは、4月3日から5月末まで全店クローズ。『PATH』のテイクアウト部門だけを残しました」。「PATH」のスタッフに加え、自転車通勤の他店のメンバーが集結したことで「ビストロ ロジウラ」ならあんバターリコッタチーズサンド、「LIKE」は餃子や麻婆豆腐と、個々のレストランの名物メニューも展開。
「通常営業に戻ったときに生かせることがあるかもしれないと、タラの甘酢あんかけソースや総菜など、新メニューにも意欲的に挑戦しました。普段は僕がメニューを考案しますが、今回はスタッフに考えて作ってもらい、味見する側に(笑)。こういうときだからこそ、みんなの力を借り、逆に楽しませてもらいました」
コロナ禍中、原さんは挑戦したかったYouTubeでレシピのチャンネルを開設。「以前からお客さまや友人からニーズがあったのと、今後ますます重要なツールになると思ったので、撮影や編集の勉強をし直しました」。ボロネーゼにシーザーサラダ、フィナンシェ……自宅でできるメニューを月に1〜2回のペースでアップ。
「YouTubeの力を借り、料理に興味を持ったり、映像がカッコいいなと思ってくれる若者がいてくれるといいな、と。遊び心を含めた食にまつわるカルチャー全般が伝わり、憧れとして料理の世界もあるということが、職業として選択肢のひとつになってほしい。料理人は心からおすすめできる仕事だし、料理の世界はとても楽しいと思うから」
YouTubeにアップした「フィナンシェ」。ほかにパスタやミルクジャムなどの作り方を明快かつ洗練された映像で紹介。
コロナ禍中に考案された総菜も詰まったテイクアウト。残念ながら継続の予定はないそう。