PROFILE
鳥羽 伸博さん
「トリバコーヒー」代表取締役社長。高校卒業後渡英、8年の滞在を経て帰国。「はまの屋パーラー」「Ginza Music Bar」なども手がける。
ニューヨークで話題のベジタリアンバーガーを招致したのが鳥羽さん。多種多様な野菜、キヌアや豆、ナッツやスパイスを絶妙に組み合わせて作るレシピは、従来のベジバーガーのイメージを塗り替えた。
「昨年12月にオープンしたばかりなので、歴史もなければ顧客もいない。大手のファストフード店に対抗しても、勝てるわけがない。スタッフがミーティングを重ねた結果、採用したのが、運営する台湾スイーツ専門店『明天好好』、ヴィーガン居酒屋『真さか』とタッグを組んで、デリバリーサービスを行うこと」
どれもインディペンデントかつ人気の店。「スペリオリティー バーガー」ではバーガー3種。「真さか」なら大豆ミートの餃子やお酒に合う野菜のおつまみ、「明天好好」は豆花やドリンクがオーダー可。それぞれの名物を、自宅でまとめて味わえるのはうれしいし、便利。ところで、Uber Eatsなどの既存の業態だけでなく、独自の配達システムを設けたのはなぜだろうか。
「当時、『スペリオリティー バーガー』のテイクアウト以外は営業をストップしていたし、僕の会社は社員の割合が高くて。原宿にあるここをセントラルキッチンとして設けたこともあり、3密を避けるためにもデリバリー部門の新たな構築が必要でした」。さらに、「今回の被害は、飲食店にとっては事故に遭ってしまったような緊急事態。中途半端な考えでは生き残れず、経営者は腹をくくらないと無理だな、と。僕には料理人としてのスキルがないので、あれこれ細かく指示を出して、現場を振り回してもしょうがない。苦境に立たされた今こそ、シェフやスタッフが思いきったいいパフォーマンスができるような環境を整えられたら。今後のためにも何かを得てもらえたらと思います」
日替わりのデリ、ドリンクつきの「スペリオリティー バーガー セット」。デリバリーサービスは継続予定。
多彩な食材を用い、手間ひまかけて作る。サイドメニューもぬかりなくおいしい。