LIfT BAMBI.さんから
器 つか本 塚本憲央さんへ贈る
「器 つか本」の花器に季節の花を合わせて
2018年より南青山で美容室「LIfT」を営むBAMBI.さん。ひとりひとりの顧客とゆっくり向き合うプライベートサロンとして人気だ。そのクリエイティブな空間づくりに欠かせないのが塚本憲央さんが見立てた花器だとBAMBI.さんは語る。
「僕が独立する前に勤めていたサロンで『器 つか本』のオーナーである塚本さんのヘアカットをしていました。そこから、彼とは10年ぐらいのつき合いになりますね。彼が選ぶヘアスタイルは髪型だけが主張するようなものではなく、時代に流されない洗練されたものと感じます。最近では専らボウズで、最たるものです。その感覚は彼が選ぶ器や花器にも表現されていると思います。彼のオンラインショップで手に入れた花器は、花の美しさを邪魔しないけれども、花に負けないぐらいの存在感があります。そんな一貫したスタイルを持つ塚本さんをリスペクトしていますね」
BAMBI.さんから塚本さんに贈りたいのは、その花器に合う花々。「6月はあじさいを飾ったりしていましたが、洋というよりは和のイメージ。派手で贅沢な洋の花ではなく、控えめだけど、存在感があって凛としている和の花を選びたいですね」
「器 つか本」は塚本憲央さんが益子焼を中心にセレクトするオンラインショップ。店舗がないため、行ける範囲であれば、塚本さん自身がスケートボードに乗って届けてくれるという。手ざわりのある器はコミュニケーションを大事にする感覚と通じるものがある。今日選んだ花は、(右)ゼラニウムと百合“スウィートメモリー”、(左)ダリア、アンスリウム、アカシアの葉。
フラワーベース(右から)〈H11×W13.7〉¥16,000・〈H19×W13〉¥23,000/器 つか本 ※写真は2点ともBAMBI.さんの私物
フラワーベース
バディの生活を彩る花器、ときどき花
エンダースキーマの花器
「エンダースキーマ」の花器はブランドらしいツイストを加えた、ひと味違う仕立て。フラスコやシャーレなどの実験器具にベジタブルタンニンレザーを組み合わせたマニッシュなスタイルは花の繊細さを引き立ててくれる。
cheren-belの花器
陶芸家・吉田直嗣と線画家の吉田薫がふたりで手がける器ブランド「cheren-bel」。やわらかいフォルムながら緊張感のある磁器土ベースのグレーに、繊細な筆致が軽やかに躍る。削ぎ落とされたタッチで描かれたのは女性の体の一部なのだそう。
TOUMEIの花器
ぽってりとした、安定感あるアウトラインが古墳に似ていたため、この名がつけられた。プリミティブな形に、透明感のあるカラーガラスをマッチング。モダンなインテリアとのなじみもよさそう。一輪挿しでも、アレンジメントでも組み合わせの幅が広がるルックス。
Jen E Ceramicsの花器
ロサンゼルスを拠点に活躍するJen kurokiの作る器はアート作品のような佇まい。油絵やグラフィックデザインを学んだ彼女の作品は、色使いやユニークなフォルムでオプティミスティックな予感をもたらす。ミルクポットのように手になじむハンドルが可愛い。
竹村良訓の花器
素焼きの磁器と釉薬の組み合わせは無限大と感じる。竹村良訓が自由な感性をたよりに作る作品はひとつとして同じものはない。卵のようだったり、薬瓶のように見えるカラフルな花器を前に、どんな花を生けようかと想像力がふくらむ。
おおやぶみよの花器
沖縄・読谷村に工房を構える作家おおやぶみよ。手のひらにおさまるぽってりとしたガラスの丸みが愛らしい。デスクに飾って、一輪の花を眺めながら仕事をすれば、気持ちも安らぐ。思いついた瞬間のさりげないギフトにもぴったりのプライスレンジがうれしい。
ラ・スフルリーの花器
アンティークのキャンドルホルダー型の花器はガラス素材で仕立てることで、より親しみやすい存在になる。「ラ・スフルリー」はパリに工房を構える手吹きのガラスブランド。フランスの古きよき形に着目している。摘んできたばかりの野花との相性もいい。
hariknittingの花器
「hariknitting」は日本人作家Petoによる、手編みでアクセサリーから洋服まで作ってしまうユニークなブランド。オーセンティックなガラスの花器のハンドルには手編みのかぎ針編みのカバーがついている。手仕事のぬくもりは大事な友達との距離を縮めてくれるはず。
KANSAI NOGUCHIの花器
音楽家を目指し渡米したのち、彫刻家であるイサム・ノグチの作品に影響を受け、芸術家に転向した野口寛斉。彼の作品は研ぎ澄まされたエッジワークが美しい。どんぐりのようなふくよかなフォルムでも、挿し口はきゅっと小さく。一輪挿しを楽しんで。