PART 3 気になるプロジェクトに出合ったら。NFT ARTの買い方マニュアル

NFT ARTの世界が少しわかったところで、次は実践編へ。実際に作品を購入するための手順を5段階に分けて解説

 

NFT ARTってどう買うの? ゼロから始めるための5STEP

1 暗号資産取引所で口座を開設

作品の取引にはイーサリアム(通称ETH)という暗号資産が必要。そのためまずはCoincheck、GMOコイン、Bitcoinなどの暗号資産取引所で口座を開設。手数料の違いなどがあるので、自分に合ったところを選ぶと◎。口座開設には、運転免許証やマイナンバーカードなど本人確認書類が必要なので事前に準備をしておくとスムース。

 

2 取引所に円やドルを入金してETHを購入

書類を提出し、審査に通ったら暗号資産取引が可能に。金融機関から日本円やUSドルを入金してETHを購入します。2022年2月時点で1ETHは33万円前後。ほとんどの場合、1ETHに満たない0.01単位から購入可能なので少額から始めるのがベター。1万円台の作品もあるので、取引所で購入可能な最小単位を確認してから購入を進めて。

 

3 NFTに対応したウォレットを作成

次にマーケットに紐づくウォレットアプリの準備が必要となる。ETHを用意するだけではダメで、開設したウォレットに調達したETHを送金することでようやくNFTマーケットプレイスでの取引が可能になる。最もメジャーなサービスがMetaMask。盗難防止対策やスムースな取引が好評で、スマホでもPCでも無料ダウンロード可能。

 

4 取引所からウォレットにETHを送金

購入に先立って、取引所で調達したETHをウォレットに送金する。ウォレットのアドレスを確認し、送金ボタンを押せば完了。作業は単純に思えるが、ここで注意したいのがアドレスを間違えないこと。誤って送金を行ってしまった場合、暗号資産は失われてしまい救済措置などは受けられないのが現状。細心の注意を払って手続きを。

 

5 マーケットプレイスで作品を購入

ついにNFTマーケットプレイスへ! 欲しい作品を見つけたらETHを保管しているウォレットに接続して購入を。販売方式は固定価格とオークションがあるので、オークションの場合は入札金額の設定が必要。購入した作品は海外の一般的なマーケットプレイスではウォレットを連結させて、その中で作品を保管できる。

作品を購入する際に、イーサリアム・ブロックチェーンに取引を記録するための「ガス代」といわれる手数料と、売買成約時の手数料がかかります。「ガス代」は日々変動し、高額な日もあるので購入前に必ずレートをチェックしておこう。ウォレットアプリのパスワードは忘れたり流出すると暗号資産を失う恐れがあるので注意を。

 

チェックしたいサイト

OpenSea

2017年に開設されたNYを拠点とする世界最大のNFTマーケットプレイス。昨年、アーティスト、Beepleの作品が約75億円で落札されたことも話題に。アートをはじめ、音楽、ドメインネーム、トレーディングカードなど幅広いジャンルの取り扱いがあるほか、手軽に取引できる操作性が高く初心者でも使いやすい。

 

SuperRare

独自のキュレーションチームを持ち、デジタルアートに強いNFTマーケットプレイス。クリエイターが出品する際にはNFTの稀少性や知名度などを基準とする審査を通過しなければならず、その分、買い手は良質なNFT ARTを購入できると評価されている。取引はETHで行われていて、作品購入の際に3%の手数料がかかる。

 

CryptoPunks

NFT ARTのパイオニアといわれ、イーサリアムのブロックチェーンを使って独自に作成された1万個のデジタルキャラクター(パンク)をプラットフォーム上で取引する。2017年にローンチした際、無料でパンクを配り現在は安いもので約2000万〜3000万円で取引されている。昨年、カード会社のVisaがCryptoPunksを購入したことが話題に。

 

専門家が語るNFT ARTを買うときの注意点

天羽健介さん
日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)NFT部会長、コインチェックテクノロジーズ株式会社代表取締役。著書に『NFTの教科書』(朝日新聞出版)がある。

「NFTの取引も金融資産の取引と同様に自己責任の世界です。安全にNFT ARTの取引を行うために注意すべき3つのポイントがあります。

ひとつ目に、NFTは誰が発行したものなのか確認すること。実はコピーした画像を使って本物に似せたNFTを発行することができてしまいます。しかしブロックチェーンの特徴であるトレーサビリティ(追跡可能性)という機能により、過去の取引の履歴を誰でも閲覧することは可能。それを活用して必ず誰が発行したか、信頼できるものかどうかを確認するようにしましょう。

次に、NFT ARTがどのようなブロックチェーンを使っているかを知ることも大切。現在は多数のブロックチェーンがあり、一番よく使われているのはイーサリアムです。中には特定のマーケットプレイスにしか対応しておらず、ほかのマーケットでは取引ができないものも存在します。その場合、購入後に自分が売りたいと思っても、なかなか取引ができない場合があるので注意が必要です。

最後に、多くのマーケットプレイスでは、支払いに暗号資産が利用されています。暗号資産の交換業者は国への登録制で、金融庁のサイトでリスト(暗号資産交換業者登録一覧)が公表されています。正しい情報を得て、どこで暗号資産を購入したら安心安全かを判断してください」

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