チャン・ソンウ(장성우)さん/伝統的で奥深い韓紙作りを習う【手仕事にチャレンジする】

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[赤楚さん着用]インナー¥85,800/ルイ・ヴィトン クライアントサービス(ルイ・ヴィトン) その他のアイテム/p.42と同じ

紙漉きは初体験の赤楚さん。簀桁をともに支えるチャン・ソンウさん(右)。「なかなかいいセンスしてるね、本当に初めて?」と好感触。「うれしいです。もう1回やってもいいですか?」と、回数を重ねるごとにこなれていく手つきにソンウさんも感嘆。

トラディショナルな韓紙作りにトライ!

チャン・ソンウさんは、陰陽紙をはじめとした韓紙を昔ながらの技法で作る職人。質のいい楮と豊富な水源で有名な京畿道・加平郡で、工房チャンジバンを運営しながら130年以上にわたる伝統を守っている。韓紙は日本の和紙作りと工程は同じ。だが、ソンウさんの作る陰陽紙は、2枚の紙を漉き合わせて1枚にするという工程がプラスされる。作業台に立ち、紙漉きを体験する赤楚さん。「木枠を回して、せーので簀桁からはがすときが一番わくわくしますね。方向を変えて重ねる理由は何ですか?」との質問に、「互いのまばらな部分を補い合うことで、さらに丈夫で長持ちする紙に仕上がるんです」とソンウさん。

陰陽紙はその耐久性と独特な風合いで、朝鮮時代に王宮や寺院などで広く使われた。日本とのつながりも深く、豊臣秀吉の時代に技術が伝わって、四国地方の泉貨紙に影響を与えたともいわれている。ソンウさんは陰陽紙の深い歴史と素晴らしさを紹介する一方、作り手の立場から本音も語ってくれた。

「韓紙産業は難しい局面に差し掛かっています。作業の大変さが身にこたえる日もあります。そんなときは、体に染みついたリズムに身をゆだねてみる。すると紙も不思議と思い通りに仕上がるんです。質のいい紙をお客さんに届けたいという思いのみです」

加平の工房に続いて訪れたのは、ソウル市内・仁寺洞にある専門店。書芸はもちろんのこと、国内外のアーティストが創作の材料を求めて訪れる。スタッフの方いわく「薄くて軽いものはお子さんの折り紙用や、オリジナルのブックカバー作りにと買っていかれます。厚みのある韓紙で名刺を手作りしたいというお客さんも。部屋のインテリアの用途で買う方も多いですね」とのこと。赤楚さんも「額に入れて壁に掛けるだけでも雰囲気が出ますよね」といろいろな紙を広げながら、色みや質感をチェックしていた。

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1 楮の繊維とトロロアオイの粘液を混ぜ合わせる
2 天然素材の染色。深く落ち着いた色合いは60×90㎝で₩50,000〜₩250,000
3 広い工房。現在、韓紙作り体験は不定期で行う展示やイベントにて実施中。詳細はInstagram(@jangji_bang)をチェック

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4 陰陽紙に漆が溶け込みニュアンスがある一枚に

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5 韓紙の展示とオリジナルプロダクトの販売を行う、仁寺洞のチャンジバン。

 

DATA
ソウル特別市鍾路区仁寺洞11ギル22
02-723-0457
営業時間:10時30分〜18時、〜17時(土)
不定休
jangjibang@gmail.com

 

PROFILE
重要無形文化財第117号韓紙匠の父、チャン・ヨンフンのもとで、5人兄弟の長男として育つ。朝鮮時代から受け継がれた張一家の韓紙作りの後継者であり、チャンジバンの代表。韓紙で作ったこよりを編んだ自身の創作も芸術性に優れており、その作品も近年高い評価を受けつつある。

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