2018.04.20

マーゴット・ロビーがダイナミックに跳ぶ! 『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』

Copyright © 2017 AI Film Entertainment LLC.
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『ウルフ・オブ・ウォール・ストリート』(2013)では「ゴージャス美人が出てきたね!」とびっくりし、『フランス組曲』(2016)や『ターザン REBORN』(2016)では「クラシックな時代物もやるんだ」と感心。でも、マーゴット・ロビーにはやっぱり豪快でコミカルな役が似合う気がします。『スーサイド・スクワッド』(2017)の悪どくキュートなハーレイ・クインは確かにハマリ役でしたが、映画自体がイマイチ。なんとか彼女のパッとした派手な顔立ちやダイナミック・ボディ、きっぷのよさを十分に活かす役はないものか。

と、そんな気持ちを見透かしたように、マーゴット自身で企画を通してしまったのが『アイ,トーニャ』。プロデューサーも務めた初主演作です。これは本当に賢くて実行力がある証。彼女が演じるのは90年代にフィギュアスケート界を揺るがしたトーニャ・ハーディング。ライバルだったナンシー・ケリガン襲撃事件の容疑をかけられ、スキャンダルとなったスケーターです。

脚本はトーニャと彼女の元夫へのインタビューをもとにしていますが、その証言はあちこちで食い違い、嘘みたいな話も満載で、真相は藪の中。でもそれを逆手にとって、映画は波乱万丈な半生を送ったトーニャにとっての真実を描きだします。家は貧しく、母や夫から暴力を受け、フィギュアスケート界からは見下されるトーニャ。でも氷上でトリプルアクセルを跳ぶ彼女には、それを超える圧倒的なパワーがある。競技シーンをまるでアクションのように撮る演出もぴったり。

痛みや笑いを絶妙のバランスでさじ加減する監督もさながら、何より素晴らしいのがマーゴット。きれいごとでも悲劇でもなく、パーマヘアに濃いメイクで彼女が演じるトーニャには、まさに力技のような魅力があります。そんなマーゴット・ロビーがSPUR6月号のカバーに登場! いま注目したい、パワフル・ウーマンの一人です。



『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』
監督/クレイグ・ギレスピー
出演/マーゴット・ロビー、セバスチャン・スタン、アリソン・ジャネイ
5月4日、TOHOシネマズ・シャンテほか、全国ロードショー

SPUR.jpで「ファンガールの映画日記」を連載中の萩原麻理さんが、トークイベントで「映画女優」について語ります。4月21日(土)15時、リライフスタジオフタコにて。対談相手は映画ジャーナリストの金原由佳さんです。要予約、無料、18歳以上。ぜひ!

http://panasonic.co.jp/center/futako/event/all/event/2018/03/post-40.html

映画ライター 萩原麻理プロフィール画像
映画ライター 萩原麻理

本誌で映画のレビューを手がける。ライター、エディター、翻訳もこなす。趣味は散歩と、猫と遊ぶこと、フットボールを見ること。

 

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