この夏は、トム・ホランドとタロン・エジャトンの夏だ!


先週は『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』と『ロケットマン』を連続で見ました。めちゃ充実! 主演はそれぞれトム・ホランド23歳と、タロン・エガートン29歳。彼らの持ち味を倍増させるような映画、それも力の入ったハリウッド大作がその年齢で作られるなんて、幸福なこと。もちろん、期待やプレッシャーもものすごかったはず。それに見事応えた二人は、これから10年、20年と英国映画スターとして活躍するんだろうなあと、嬉しくなりました。

特にトム・ホランドは、MCUの一時代が終わった直後の一作ですぐに新しいフェーズに切り替えるという、なかなか難しい役目も背負っていたのに、「そんなの当たり前」みたいな出来。とにかくキュートで、応援したくなるスパイダーマンなんですよね。なにせスーパーヒーローとしてだけでなく、王道の「ひと夏の青春映画」の主人公としてひたむきで、成長もするんですから。ほろっときてしまいます。

トム・ホランドに『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)で取材した際には、いきなり世界的に有名になったことについて、「僕はいまでも変わらないよ。家では同じように皿洗いしなきゃいけないし、掃除もさせられるし」と話していて、心つかまれました。でもしばらく経ってから、彼のお父さんでコメディアンのドミニク・ホランドが「息子があちこちで『実家では皿洗いする』って言ってるみたいだけど、そんなの見たことない」と話していて、「あー、だまされた!」と思ったもの。まあ、そんなところも可愛いんですけど。

一方、ロック・ミュージカル『ロケットマン』では、タロンがエルトン・ジョンの曲を次々熱唱。ド派手なコスチュームに包まれた孤独な心を伝えます。
フィジカルな能力に長けたトム・ホランドと、歌唱力と演技力のタロン・エガートン。この二人のスター・パワーを楽しめる二作が、この夏のリピート映画になりそうです。


『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』
監督/ジョン・ワッツ
出演/トム・ホランド、ジェイク・ギレンホール、ゼンデイヤ、ジェイコブ・バタロン
大ヒット公開中

『ロケットマン』
監督/デクスター・フレッチャー
出演/タロン・エガートン、ジェイミー・ベル、リチャード・マッデン
8月23日公開

映画ライター 萩原麻理プロフィール画像
映画ライター 萩原麻理

本誌で映画のレビューを手がける。ライター、エディター、翻訳もこなす。趣味は散歩と、猫と遊ぶこと、フットボールを見ること。

 

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