[vol.22] 生きるレジェンド、ミック・ジャガー73 歳。ノー・サティスファクションな生き方。

御歳73歳にして、8人目の子どもの父親となった<生きるレジェンド>サー・ミック・ジャガー。男の子の赤ちゃんの母親メラニー・ハムリックは、29歳の元バレリーナの米国人で、ミックとの歳の差は44歳だ。ミックの8人の子どもたちは、一番上の46歳から新生児までと年齢幅が広く、彼には孫どころか曾孫までいる。ところが、73歳という高齢で自分の息子が生まれたものだから、曾孫の方が息子より年上、という面白い現象になっているミック。サスガです!

それにしても、ミックを含めて、ジェフ・ゴールドブラム(64歳)やメル・ギブソン(60歳)など、高齢の男性セレブに赤ちゃんが誕生して話題となると、万人が彼らを手柄者扱いする。彼らのセクシャルライフが「老いてますますお盛ん」的に、その現役ぶりを褒めそやす。確かに、古希(70歳)を過ぎたじいさまに、赤ん坊ができたとなれば誰もが驚くが、ミックは隣に住むご隠居様じゃない。心・技・体、そしてビジネス感覚も一流のキング・オブ・ロックンロール。一般人と比べるのが最初から間違っとる。ザ・ローリング・ストーンズが商業ロックだろうと何だろうと、1962年のデビュー以来、半世紀以上も第一線を走ってきた体力は神業だといえるのだ。

興味深いのは、静止画像のミックを見ると、顔面には深いシワが刻まれて、確かに老人のそれなのだが決して醜悪には見えない。背負ってきた歴史が作った顔、などというつもりはないが、美容の手入れはするものの整形には頼らない自信と、あとは髪の毛だと思う。髪の毛の力は圧倒的だとミックを見てつくづく思う。彼のハゲに見せない増毛のテクは、多分、世界一。ミックのようなロッカーに、ハゲだけは御法度だ。すべてをブチ壊しにする。シワなんぞ、ライブ勝負になったら見えやしない。あとは、変わらぬ華奢だがしなやかなボディラインさえキープしていればOKなのだ。とはいえ、このボディラインのキープがまた神業なのはいうまでもないのだが。

イラストレーター&エッセイスト 石川三千花プロフィール画像
イラストレーター&エッセイスト 石川三千花

映画、ファッションを独自の視点からイラスト+エッセイで斬る!著書に『石川三千花の勝手にシネマ』、『勝手にオスカー』など。

https://twitter.com/michikaishikawa

 

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