[vol.41] なぜに愛犬好きの男性セレブは、ピュアなやさしさを感じさせるのか。ライアン・ゴズリングのネックレスを見て考えた

話題作『ブレードランナー2049』の主役を張り、公私ともに絶好調のライアン・ゴズリング。このところ、彼のどの写真を見ても首からぶら下げているメダル付きのネックレスが目を引いていた。そのペンダントを彼は肌身離さずにつけていて、『ブレードランナー2049』のプレミアの際にも例外ではなかった。そのペンダントヘッドは、去年の暮れに亡くなったゴズリングの愛犬ジョージのアイデンティティ・タグということだった。17歳で旅立ったジョージをゴズリングは親友として愛し抜き、生前はどこの撮影現場にも連れて行ったのだという。だからこそ、そのペンダントはジョージが亡くなっても尚、いつも一緒にいたいというゴズリングの愛の深さなのだろう。

は〜っ、いい話じゃないの。ゴズリング、なんてやさしい人柄なの。惚れ直すね。もう、そのペンダントは超高級なネックレスなんかより、バッキバキに価値のあるアクセサリーに見えてくる。思い起こせば、かつてミッキー・ロークが『レスラー』(08)でスクリーンに復活したときに、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされて、レッドカーペットにやはり亡くなった彼の愛犬ロキの写真がついたネックレスをしてきて話題となったっけ。それまでのロークのズタボロだったイメージが、映画の役柄と相まって、愛犬想いの本当はやさしくていいやつという好印象に変わったのだった。

生活をともにする動物をかわいがるのは、男女変わらないはずなのに、なぜか男性がそうすると、ものすごくやさしい人に見えたりする。セレブともなればさらに好感度はアップして、有名人なのにすごくいい人、なんて思えるのだ。だって、パリス・ヒルトンが子犬をだっこしても、アクセサリーに見えたりするよね。でも、なんでだろう、男性セレブと動物、犬でも猫でもいいけど、そこにはピュアなやさしさが感じられる。う〜ん、説得力ないね。女性セレブだって動物愛はピュアだろう。じゃあ、なんで男性の方が好感度高く感じるんだ?思うに、男性と犬(猫)の絵づらには“少年性”みたいなものが垣間見られるからかしら。なんたって“少年性”ほどピュアな胸キュン感覚はないからな〜

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イラストレーター&エッセイスト 石川三千花

映画、ファッションを独自の視点からイラスト+エッセイで斬る!著書に『石川三千花の勝手にシネマ』、『勝手にオスカー』など。

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