[vol.102] さすがは「スター」トム・クルーズ!撮影再開のミッションを、コロナなしの村造りで難なくクリアだ!

ネット配信で映画や海外ドラマは観ることができるけれど、週末に劇場でポップコーンをほおばりながら、お気楽な仲間や家族と娯楽を共有する楽しみがなくなって随分と時間が経ってしまった。もう何十年も、ひとりでアートムービーを観たり、恋人とオールナイトでホラームービーを観たり、家族でマーヴェルやDCコミックスの大作を観たりと、常に大小の劇場に通う人生を歩んできたのに、ある日、ぱったりとそういう普通にできていたものができなくなってしまった。

今の気分は、大きなスクリーンで単純明快に楽しめるアクション映画を観てみたい。そう、娯楽映画の王道的な「スター」トム・クルーズやマット・デイモンが主演しているような、どんなミッションも不可能はなく、決して死なない不死身のヒーローもの。ただただ面白ければすべてオッケー的なやつね。それは家のテレビで観る映画とは明らかに違うスケール感で視覚と聴覚を刺激し、劇場で見る作品の醍醐味を与えてくれるのだ。

そんな想いに駆られていたら、『ミッション:インポッシブル』シリーズの第7弾の撮影をコロナ禍で頓挫していたトム・クルーズが、撮影再開に向けて始動したというニュースが入ってきた。なんと、撮影現場の安全を確保するために、イングランドのオックスフォードシャーにcovid-19のない村を建設するのだという。世界規模の興行を網羅するハリウッド大作らしい景気の良い話。さすがはトム・クルーズ!やっぱりこういう先頭を切ってくれるスターがいてくれないとね。公開は2021年の7月から11月に延期される模様。まだ先の話だが、『ミッション:インポッシブル』のテーマ曲にワクワクしながらテンション高めの劇場鑑賞を心待ちにしている。

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イラストレーター&エッセイスト 石川三千花

映画、ファッションを独自の視点からイラスト+エッセイで斬る!著書に『石川三千花の勝手にシネマ』、『勝手にオスカー』など。

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