2019.01.07

【LICAXXXのTalk Room vol.6】ゲスト:井口 理(King Gnu)さん

Licaxxx/リカックス
DJ、ビートメイカー。ウェブ「シグマファット」を主宰。パーソナリティを務めるJ-WAVE「SONAR MUSIC」も注目。

GUEST
井口 理(King Gnu)/イグチ サトル

4人組バンド「King Gnu(キングヌー)」のボーカル&キーボード担当。幅広い音楽性とビジュアルで話題を集め、SXSWやフジロックに出演。

本気で世の中を変えたいと思っています

Licaxxx(以下L まずはメジャーデビューアルバム『Sympa』について聞こうと思うんですが、King Gnuの音楽はどうやって作っているんですか?
井口理(以下I ギター&ボーカルの常田が歌詞とメロディラインがある程度でき上がったデモを送ってきて、そこに各々プレイをどうするか投げられる感じです。ただ『Sympa』は前作のアルバム『Tokyo Rendez-Vous』よりも役割分担がはっきりしてて、それぞれが考えることが多かったです。歌のコーラスワークもほとんど俺が考えたり、アレンジもベースの新井がやっていたり、遊はドラマーとして前作よりよいプレイをしていて。常田にとっても「4人で作る」ということが、アルバム全体のテーマとしてあったと思います。
L アートワークやPVはPERIMETRON(メンバーの常田が立ち上げたクリエイティブレーベル)が手がけていますが、「It’s a small world」のPVには井口さん自ら出演されていますよね。制作から携わったんですか?
I ディレクターのOSRINと常田に撮影の10日前くらいに呼ばれて。主人公は「寂しい宇宙人」でいこう、だったら特殊メイクを、海辺で猫をっていうふうに、その場のみんなのアイデアが合わさってできていきました。
L 井口さんが演劇をやってたことは、いろんな場所ですでに知られていた?
I いや、PERIMETRONの人たちは誰も俺の舞台を見てないんです(笑)。
L 前回のツアーではアルバムの曲に限らず、新曲も結構やってましたね。
I そうですね。「出し惜しみしたくない」っていう感覚がバンドの中にあるので、もうできてるなら新しい曲もやればいいじゃんって。
L 次のツアーは始めと終わりが東京のSTUDIO COASTですね。
I 大きく打ち出すためのアルバムになってるので。東京だけでなく大阪でも札幌でも2回ずつやりますし、規模をでかくしていきたいですね。
L メジャーデビュー作品を発表されて、どうですか?
I 俺はめちゃめちゃ舞い上がりました。今日が分岐点だなって。でもメンバーはわりと冷静で(笑)。「前から決まっていたことじゃん」と(笑)。
L 気持ちが上がったのは、「もっと大きい流通に乗りたい」という?
I それもありますが、すでにメジャーデビューしてるバンド友達に「メジャーデビューって人生に一回しかできないよ」って言われたからかも。
L 個人的にはライブがすごく響いてます。しかもライブとCDのアレンジが全然違ってそれぞれのよさがあるし、どちらもかっこよくて。
I ライブに足を運んでもらうためのアルバムになればとは思っています。King Gnuを聴けばちょっとは音楽を聴く耳が変わるんじゃないか、ライブに行きたくなるんじゃないか、そうやってリスナーを底上げしたいんです。
L いろんなバンドがしたくてもできなかったことを絶妙なバランスでなし遂げてますよね。玄人にもマスにも両方受けてる。今後の野望はなんですか?
I 本当に世の中を変えたいなと思ってるんです。若い人が自分たちの曲を聴いて音楽やってみようと思ってほしいです。

PICK UP

『Sympa』
King Gnu
/アリオラジャパン

記念すべきメジャーデビューアルバム。アニメ「BANANA FISH」のエンディングテーマ「Prayer X」や新曲「Slumberland」などを含む、全13曲を収録。

SOURCE:SPUR 2019年2月号「LICAXXXのTalk Room」
interview & text: Annie Fuku photography: Kikuko Usuyama