2020.06.07

なぜ踊るかというと……【秋元才加の音語り】

秋元才加/あきもと さやか
女優、タレント。映画・ドラマ・舞台への出演やテレビ・ラジオのMCとして幅広く活躍。ドレス¥211,000・靴¥91,000/Acne Studios Aoyama(Acne Studios)

vol.4 なぜ踊るかというと……

I Will Survive」
Gloria Gaynor
「でもこの世界が好き~I LIKE IT」
Elephant Love

※こちらは5月23日発売SPUR7月号に掲載した内容です。

 こんにちは。秋元才加です。みなさん、いかがお過ごしでしょうか。日々不安と闘いながら過ごされている方も多いと思います。かくいう私もそのひとり。緊急事態宣言が発令されてから、撮影も一時中断、ほぼ自宅待機の日々です。おうち時間を持て余した私が今何をしているかと言いますと……「踊っています(笑)」。

 はじめは、「I Will Survive」の替え歌に合わせ、踊りながら自宅の様子を伝える母親と、そんな母親に巻きこまれている家族とのクスッと笑える海外動画を見たのがきっかけでした。コロナ禍の中でも、ユニークさを忘れまいとする彼女の姿に心を打たれ、一見馬鹿馬鹿しいですが、元気をもらったわけです。ディスコソングは思わずリズムに乗ってしまう元気になるものが多いですね。秋元はその日に「We Will Survive」のメッセージを添え、ダンス動画をSNSにアップしました。それが3月28日。その日から、自粛解禁まで踊り続けると決心したわけですが、収束までまだまだかかりそうな気配です。いろいろな意味で不安ですが、乗り越えていくしかありません。先を考えると暗い気持ちになりますが、少しでも気分を上げるためにも音楽とダンスはオススメです。音楽に気持ちが引っ張られます。暗くなるような曲は今は聴いていません。だって周りを見れば暗いニュースばかり。自分のメンタルくらいは管理したい。でも、「でもこの世界が好き~I LIKE IT」を聴きながら、早く日常が戻ってこないかと泣きそうになる日もあります。2月頃だったらこの曲もここまで響かなかったなぁ。当たり前の日常にたくさんの楽しいが隠れていたんですね。

 どんなにつらいことが起こっても、私たちは今この時間を、この世界でしか生きられません。絶望したって生きてかなきゃならない。だとしたら、今を諦めずに乗り越えていくしかないんだな。そんなことを思いました。一日も早い収束とみなさんの健康を祈って。I believe 楽しい世界。

Monthly Pick-up

『Warnings』
I Break Horses
¥2,300/Big Nothing
アイ・ブレイク・ホーセズ名義で活動するスウェーデン人アーティスト、マリア・リンデンが6年ぶりの新作を発表する。そこに広がるのは、ドリーミーなエレクトロニック・サウンドの深く広大な森。遠くで漂っている歌声を頼りに分け入っていくと、胸騒ぎがどんどん高まる。
『Notes On A Conditional Form』
The 1975
¥2,500/UNIVERSAL MUSIC
グレタ・トゥンベリからのメッセージで始まる、ミレニアル世代を代弁するUKバンドの4作目。気候変動からメンタルヘルスまで幅広い題材と、同様に多彩なサウンドを、22の曲に詰めこんだ。現代の縮図みたいなカオスの中から、たくさんのクエスチョンが聴こえてくる。

SOURCE:SPUR 2020年7月号「秋元才加の音語り」
text: Sayaka Akimoto text(Monthly Pick-up): Hiroko Shintani photography: Kodai Ikemitsu styling: Mayu Yauchi hair: Keiko Tada〈mod’s hair〉 make-up: Nao Yoshida

 

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